NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WIND編に準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WIND編に準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
休憩を挟んで海外王者同士の豪華タッグマッチが行われた。大会場での試合ということで、いつもよりも遥かにテンションが高かったし、彼女たちにもそれぞれの団体の王者としての意地とプライドがある。他の団体の王者には負けられないという気持ちが激しいファイトを呼び、客席は大いに盛り上がった。
しかし、最後は負けられないという気持ちが抑えきれなくなり、最後は4選手入り乱れてのバトルロイヤル状態になってしまった。うーん、やはりプライドの高い王者同士、団体の威信を背負っているからなあ…
レフェリーのギムレット美月の制止を無視して乱闘を繰り広げたため、やむなくノーコンテストを宣告したが、これはこれでよかったのかもしれない。
「後輩たちに負けていられません。ボクは…いえボクたちが一番のベテランですから!きっとケイちゃんも同じ気持ちだと思います。」
スターライト相羽は試合前にそう話していた。前MAX WIND女王にして、現ミドル・ウインド王者の相羽は、すでに伝説となった先輩たちから多くの影響を受けている。
その中でも、特に南利美からの影響が大きい。
南の引退した後に入団した相羽ではあるが、プロレス入りのきっかけが『南利美選手の引退試合を観て』であり、南に弟子入りして相羽流のネオ・サザンクロスロック(技名としてはスタークロスロック)を伝授されるなど関係が深い。
「ボクは、今日は絶対に勝つ!憧れたあの南さんのために、この試合は勝つ!勝って南さんを…胸を張って迎え入れるんだ!」
相羽は今日のスペシャルマッチでは、南のセコンドにつくことになっている。憧れた南に勢いをつけるためにも、ここは負けられない試合だ。
一方のジーニアス武藤は、ライバル相羽に対して、激しい対抗心を燃やしていた。デビュー当時は相羽よりもジーニアスの方が期待されていたし、現実に実績も残していたのだが、ある時を境に立場は逆転してしまう。
その後、相羽はMAX WIND女王を2度戴冠したが、ジーニアスは未だに巻いていない。この試合に賭かっているミドル・ウインド王座は、何度か奪うことは出来たのが頂点までは届かないままだ。
「それもここまで。私は今日ミドルを奪いとって、MAXに挑戦するわ。」
現役生活も残り少なくなってきたと思われる9期生の二人だが、まだまだ健在だった。
「相羽あああ!!」
ジーニアスのフライングニールキックが相羽の顔面をきっちりと捉える。
「ぐはあっ…でもっ!」
いい形で入ったのだが、相羽は踏みとどまり倒れない。
「きゃあああッ…」
女性ファンから悲鳴があがった。なぜなら、相羽の鼻から血が滴り落ちていたからだ。
「このぐらい、なんともないっ!」
相羽は右腕のリストバンドで鼻血を拭うと、ジーニアスの懐に素早くもぐりこんだ。
「くらえっ!!」
相羽の強靭な足腰を生かした豪快なフロントスープレックス。
「くっ、この程度!」
素早く起き上がろうとしたジーニアスだが、相羽の気迫はその上をいく。
「すっごいのいきます!」
相羽は素早くバックをとると必殺のスターライトジャーマン!
綺麗なブリッジで描く人間橋が星明かりに照らされる。
「ワン…トゥ…」
カウント2.5でキックアウトするジーニアス。
「そう何度もっ!」
ジーニアスは立ち上がりざまにその場飛びニールキックを放つ。助走がない分だけ威力はないが、相羽の不意をつくことができた。
「ぐうっ…」
少しとまりかけていた鼻血が再び流れ出す。
「はあっ!」
ジーニアスは助走をつけたニールキックで相羽をなぎ倒すと、素早くコーナーへと駆け上がる。
「相羽あ!」
ジーニアスのムーンサルトプレスが綺麗な弧を描いて相羽を襲う。
「ワン…トゥ……」
「だああっ!」
相羽はカウント2.5で右肩をあげた。
「!」
ジーニアスは素早く立ち上がると、今度はロープへと走りトップロープに飛び乗って再び宙に舞った。
先ほどよりも高く飛びあがったジーニアスはひざを抱えて後方に飛んでいた。
「まさかっ!スワンダイブ式のダブルスピン!?」
解説席の武藤めぐみが驚きの声を上げた。ダブルスピンムーンサルト自体は武藤めぐみがジーニアスに授けたものだが、スワンダイブ式は武藤めぐみ自身も放ったことはないし、ジーニアスもこれが初公開となる。
元々難易度の高いダブルスピンをスワンダイブ式で放つとは…ジーニアス武藤のセンスには驚かされる。綺麗に後方2回転したジーニアスはきっちりと相羽のボディを捉えた。
「おおおおおおっ!」
場内から大きな歓声と拍手が巻き起こった。
バン!
「ワン!」
バン!
「トゥ!」
場内はジーニアスの勝利を確信し、レフェリーと一緒にカウントをとっている。
「だああああっ!」
だが、相羽はカウント2.8でなんとブリッジでカバーを跳ね除けたのだった。
「ボクは、今日は絶対に勝つんだ!」
ふらつきながらも立ち上がった相羽は、ジーニアスの肩を掴み、顔面に強烈なエルボーを叩きこんだ。
「たあっ!」
そして本日一夜限りの復帰をする伊達遥から教わったハイキックを叩き込むと、ダウンしたジーニアスを無理やり立たせると必殺のスターライトジャーマン!
ジーニアスはこれを返せず、3カウントを聞いた。
「18分17秒、スターライトジャーマンにより勝者スターライト相羽!」
勝利した相羽は両腕をぐっと突き上げた。
この日一番の歓声と拍手が全力を出し切った二人にそそがれている。
さすがは伝説に一番触れている世代だな。素晴しいファイトを見せてくれたよ。
そして…
「ボクにできるコト、全て出しました。」
「私にできることは全てやったわ。」
二人は控え室で倒れこんでしまった。
ドクターの診断では、極度の緊張から解放され、ほっとして気を失っただけだという。
二人とも凄い闘いをありがとう。
しかし、最後は負けられないという気持ちが抑えきれなくなり、最後は4選手入り乱れてのバトルロイヤル状態になってしまった。うーん、やはりプライドの高い王者同士、団体の威信を背負っているからなあ…
レフェリーのギムレット美月の制止を無視して乱闘を繰り広げたため、やむなくノーコンテストを宣告したが、これはこれでよかったのかもしれない。
「後輩たちに負けていられません。ボクは…いえボクたちが一番のベテランですから!きっとケイちゃんも同じ気持ちだと思います。」
スターライト相羽は試合前にそう話していた。前MAX WIND女王にして、現ミドル・ウインド王者の相羽は、すでに伝説となった先輩たちから多くの影響を受けている。
その中でも、特に南利美からの影響が大きい。
南の引退した後に入団した相羽ではあるが、プロレス入りのきっかけが『南利美選手の引退試合を観て』であり、南に弟子入りして相羽流のネオ・サザンクロスロック(技名としてはスタークロスロック)を伝授されるなど関係が深い。
「ボクは、今日は絶対に勝つ!憧れたあの南さんのために、この試合は勝つ!勝って南さんを…胸を張って迎え入れるんだ!」
相羽は今日のスペシャルマッチでは、南のセコンドにつくことになっている。憧れた南に勢いをつけるためにも、ここは負けられない試合だ。
一方のジーニアス武藤は、ライバル相羽に対して、激しい対抗心を燃やしていた。デビュー当時は相羽よりもジーニアスの方が期待されていたし、現実に実績も残していたのだが、ある時を境に立場は逆転してしまう。
その後、相羽はMAX WIND女王を2度戴冠したが、ジーニアスは未だに巻いていない。この試合に賭かっているミドル・ウインド王座は、何度か奪うことは出来たのが頂点までは届かないままだ。
「それもここまで。私は今日ミドルを奪いとって、MAXに挑戦するわ。」
現役生活も残り少なくなってきたと思われる9期生の二人だが、まだまだ健在だった。
「相羽あああ!!」
ジーニアスのフライングニールキックが相羽の顔面をきっちりと捉える。
「ぐはあっ…でもっ!」
いい形で入ったのだが、相羽は踏みとどまり倒れない。
「きゃあああッ…」
女性ファンから悲鳴があがった。なぜなら、相羽の鼻から血が滴り落ちていたからだ。
「このぐらい、なんともないっ!」
相羽は右腕のリストバンドで鼻血を拭うと、ジーニアスの懐に素早くもぐりこんだ。
「くらえっ!!」
相羽の強靭な足腰を生かした豪快なフロントスープレックス。
「くっ、この程度!」
素早く起き上がろうとしたジーニアスだが、相羽の気迫はその上をいく。
「すっごいのいきます!」
相羽は素早くバックをとると必殺のスターライトジャーマン!
綺麗なブリッジで描く人間橋が星明かりに照らされる。
「ワン…トゥ…」
カウント2.5でキックアウトするジーニアス。
「そう何度もっ!」
ジーニアスは立ち上がりざまにその場飛びニールキックを放つ。助走がない分だけ威力はないが、相羽の不意をつくことができた。
「ぐうっ…」
少しとまりかけていた鼻血が再び流れ出す。
「はあっ!」
ジーニアスは助走をつけたニールキックで相羽をなぎ倒すと、素早くコーナーへと駆け上がる。
「相羽あ!」
ジーニアスのムーンサルトプレスが綺麗な弧を描いて相羽を襲う。
「ワン…トゥ……」
「だああっ!」
相羽はカウント2.5で右肩をあげた。
「!」
ジーニアスは素早く立ち上がると、今度はロープへと走りトップロープに飛び乗って再び宙に舞った。
先ほどよりも高く飛びあがったジーニアスはひざを抱えて後方に飛んでいた。
「まさかっ!スワンダイブ式のダブルスピン!?」
解説席の武藤めぐみが驚きの声を上げた。ダブルスピンムーンサルト自体は武藤めぐみがジーニアスに授けたものだが、スワンダイブ式は武藤めぐみ自身も放ったことはないし、ジーニアスもこれが初公開となる。
元々難易度の高いダブルスピンをスワンダイブ式で放つとは…ジーニアス武藤のセンスには驚かされる。綺麗に後方2回転したジーニアスはきっちりと相羽のボディを捉えた。
「おおおおおおっ!」
場内から大きな歓声と拍手が巻き起こった。
バン!
「ワン!」
バン!
「トゥ!」
場内はジーニアスの勝利を確信し、レフェリーと一緒にカウントをとっている。
「だああああっ!」
だが、相羽はカウント2.8でなんとブリッジでカバーを跳ね除けたのだった。
「ボクは、今日は絶対に勝つんだ!」
ふらつきながらも立ち上がった相羽は、ジーニアスの肩を掴み、顔面に強烈なエルボーを叩きこんだ。
「たあっ!」
そして本日一夜限りの復帰をする伊達遥から教わったハイキックを叩き込むと、ダウンしたジーニアスを無理やり立たせると必殺のスターライトジャーマン!
ジーニアスはこれを返せず、3カウントを聞いた。
「18分17秒、スターライトジャーマンにより勝者スターライト相羽!」
勝利した相羽は両腕をぐっと突き上げた。
この日一番の歓声と拍手が全力を出し切った二人にそそがれている。
さすがは伝説に一番触れている世代だな。素晴しいファイトを見せてくれたよ。
そして…
「ボクにできるコト、全て出しました。」
「私にできることは全てやったわ。」
二人は控え室で倒れこんでしまった。
ドクターの診断では、極度の緊張から解放され、ほっとして気を失っただけだという。
二人とも凄い闘いをありがとう。
PR
遅れまくりの更新でご迷惑をお掛けしております……(うな垂れる)
なんとか諸々を片付けて、再会までにメインイベントまで進みたいと思いますっ(レッスル川柳オブ・ザ・イヤー2008に投票しつつ)