ＮＥＷ ＷＩＮＤ社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり～飛翔編～」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー２のリプレイとなります。
旧作版ＮＥＷ ＷＩＮＤとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
第３戦
「もう逃げられないわよ。」
「ぐあっ…」
数秒前までは朝比奈がミミ吉原にアルゼンチンバックブリーカーを仕掛けていたはずなのだが、ミミ吉原は手品のように技から脱出すると朝比奈をドラゴンスリーパーに極めていた。
「ぐうううううっ…」
リング中央でガッチリと決まったドラゴンスリーパーを朝比奈は外せない。それどころかロープに逃げることすらできない状況になっていた。
そして…朝比奈はしばらくの間抵抗を続けていたが、最後はタップしギブアップの意思を表明した。
「ああっ…」
朝比奈がギブアップ負けした瞬間…場内からため息が漏れた。
「くそっ…」
これで朝比奈は対新女２連敗となってしまった。
うーん気合は十分なのだが…どうも空回り気味な気がする。身内びいきかもしれないが、朝比奈の実力が劣っているとは思えない。試合内容的には十分上回っているとも思えるのだけど。
このスカイブルーのリングで揉まれてきた朝比奈ならば新女勢には勝てるはずだ。
「オーホッホッホ。ちょっと本気を出せばこの程度ですわ。」
メインで行われたタッグマッチで勝利した市ヶ谷が龍子を踏みつけながら高笑い。シングルで敗れた借りを少しだけ返した感じか。
「あとでまた遊んであげますわ。」
南＆市ヶ谷のクール＆ビューティは意気揚揚と引き揚げていった。
「すいません、理沙子さん。自分のせいで…」
「次勝てばいいことだわ…南利美…覚えておきなさい。」
理沙子はギリッと唇を噛みしめる。対戦成績では南が圧倒しているが油断できる相手ではなさそうだ。
第４戦
ソニックが吉原を、南が龍子を沈めてみせたが、朝比奈が理沙子とのリベンジマッチで敗北し、対新女３連敗。朝比奈の実力なら十分通用するはずなのだが…
「残念ですがここまでですな。」
ダンディさんは苦り切った顔をしている。
「ここまでとは？」
意味するところはわかってはいたが、あえて私はダンディさんに説明を求めた。
「朝比奈は対新女から引かせるということです。朝比奈の頑張りは認めますが、さすがに３連敗では引いてもらうしかありません。」
現場監督を務めるダンディさんがそう判断するのであれば、それが正しいのだろう。私としてはもう一度チャンスを与えたかったのだが…
「風間社長…チャンスはまだあります。朝比奈があきらめない限りはね。」
この後、十六夜・祐希子・ソニックの３人を対新女路線に投入することを決定した。
ここまでで５勝６敗…３人には流れを変えてほしいところだ。
第５戦
対新女にばかり気をとられていたら、まさかの出来事が起きてしまった。
「か…かった？」
「くっ…馬鹿な！」
まさかの３カウントを奪った桜崎が驚き、奪われた小鳥遊が現実を受け止められないでいた。
「本当にフォールを奪うとは思いませんでしたわ。まあこの私がパートナーを務めてあげているのだから当然といえば当然ですけれど。オーホッホッホ。」
対戦カードは、ビューティ市ヶ谷＆メイデン桜崎＆ディアナ・ライアルＶＳガルム小鳥遊＆零＆ジャーマン永原。
通常ならば永原かディアナがとられるところなのだが…この結果には驚かされた。
「この勝利…美響お嬢様に捧げます。」
桜崎は新女との対抗戦に臨む十六夜へエールを送った。
しかし…実力者十六夜は女帝パンサー理沙子とのシングルマッチで完敗を喫してしまった。
「災厄の力…大したことないようね。」
うーん…十六夜がこうあっさりやられるとは…さすがはパンサー理沙子だな。
「しゃあああっ！」
ＪＯサイクロンでサンダー龍子を撃沈した祐希子が両拳を天に突き上げ喜びを表現する。
「くそおおおっ！」
龍子は拳でマットを殴りつけ悔しがっていた。
「ふっふっふ…正義は勝つ！なの！」
その横ではパートナーのソニックが勝利のポーズを決めていた。
「龍子、大丈夫？」
「ああ…」
龍子は吉原に引き起こされて立ち上がったが、ガクガクと足が震えていた。
「かなり効いたみたいですな。」
「ですね。マイティ祐希子がここまでやるとは思ってもいなかったんでしょうね。」
祐希子は同期の南や市ヶ谷に比べると実績では遥かに劣っているから仕方ないかなとも思うけど。
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