NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
最終戦
「くあああああああっ…!」
ソニックの悲鳴が場内に響き渡る。
「もう逃げられないわよ。」
ミミ吉原のチキンウイングアームロックが完璧な形できまってしまった。
「ソニ~~!!」
「負けないでソニック~~!!」
ちびっ子ファンが声を枯らして声援を送る。
「せ…正義のひ、ヒロインは…ま、まけちゃいけないんだお。」
ソニックはロープへと逃げようとするが、技が極まった場所が悪すぎた。リング中央ど真ん中…どうみてもこれは耐えられそうにない。
「ソニック、ギブアップ?」
レインボー岩城レフェリーが尋ねるがソニックは首を左右に振って拒否の意思表示をした。
「これならどう?」
ミミ吉原はちょっとだけ角度をきつくする。
「くああああああああっ…」
ソニックは悲鳴を上げたがやはりギブアップはしない。
「正義の味方は…参ったとはいえないのさね…」とソニックに瞳は語っていた。
「…仕方ないわね…」
吉原はさらに角度をきつくしようとした。
「ストップだ、ストップ!」
岩城レフェリーはミミ吉原を押しとどめゴングを要請した。
カン!カン!カン!
「ただいまの試合はレフェリーストップにより勝者、ミミ吉原!」
場内からは「えええっ!」の声。勝った吉原も不満そうに岩城を睨んだ。
「たはは…ソニックは気を失っているよ。だから止めたんだ。」
痛みに耐えていたソニックであったが、とうとう耐えられずに意識を飛ばしてしまったらしい。
「この子…根性あるわね。ただの色物かと思っていたけど…大したものだわ。」
吉原はそう言い残すと控え室へと下がっていった。
「岩城の判断…的確でしたな。」
「そうですね。吉原に壊す気がなかったとしても、あれ以上は危険でしたからね。」
ソニックは最後まで耐えるということで、ファンへメッセージを送ることができたといえる。負けたとはいえ価値のある試合だった。
セミWIND
「この技で完璧に決める!」
ロイヤル北条はそう宣言すると、距離をとった。
「いけー!!」
「北条さん!!」
ふらふらと起き上がる龍子の顔面にパーフェクトキック(完璧なフォームと威力のトラースキック)が叩き込まれた。
「完璧です。」
ダンディさんは満足そうに頷いた。
「どうだ!」
この北条の勝利で対戦成績は9勝9敗、五分の星に戻った。
「…これでタイになりました。あとは小鳥遊選手にすべてを託します。」
北条はそうマイクで告げると控え室には戻らず、赤コーナーのセコンドへとついた。
メインWIND
パンサー理沙子とガルム小鳥遊…両軍のベテランレスラーが勝ち越しを賭けて最終戦のメインのリングへと上がった。
「さあ…楽しい晩餐会のはじまりだ。」
「…楽しみね。ただ…食べられるのはあなたのほうだけどね!!」
ゴングが鳴る前に仕掛けたのは理沙子であった。
「砕け散れえええ!!」
「ぐうううううっ…」
小鳥遊のトップロープからのフットスタンプを受け、さすがの女帝もダメージでのたうちまわる。
「どうしたあああ!こんなもんか!新女の女帝はこの程度かよっ!」
小鳥遊はフォールにいかず、ダウンした理沙子に檄を飛ばし、立ちあがってくるように促す。
「もちろんこの程度…」
ふらふらと立ちあがる理沙子目掛けて小鳥遊が突っ込んでいく。
「砕け散れえええっ!!」
必殺のガルムズディナー…このタイミングで決まればフィニッシュだろう。
「舐めないで!!」
理沙子は体勢を低くして逆にタックルで突っ込む。
「あれは六角の得意とするスピアーですな。」
「なっ!」
低い体勢で突っ込んだ理沙子は小鳥遊の足を強引に巻き取り、そのままキャプチュードで投げ飛ばした。
「フォール!」
先日のタッグでの敗戦シーンが浮かんだせいか、場内からは悲痛な小鳥遊コールが巻き起こった。
「ぬおおおおおおおおおっ!」
小鳥遊はカウント2.8でクリア。
「なっ…」
今度は理沙子が驚く番だった。
「終わりだあああああっ!!」
小鳥遊の変形喉輪落とし…ガルムズボンバーが炸裂!!そのまま3カウントが入った。
「勝者、ガルム小鳥遊!!」
小鳥遊の勝利を…そしてNEW WINDの勝ち越しを決めるゴングが鳴り響いた。
「楽しかったぜえ、理沙子。またやろうや!」
小鳥遊はニヤリと笑いながら右手を差し出した。
「フン…次はやらせないわよ。」
理沙子はそれに応じ、再戦を約束した。
NEW WINDと新日本女子プロレスの対抗戦は,10勝9敗でNEW WINDの勝利という結果に終わった。
こうして対抗戦は終わったが、これは次なる高みを目指す最初の一歩にすぎないのである。
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