NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇1年目11月
意外なことに十六夜の写真集はさっぱり売れず。
「やっぱりおかしいって…」
小鳥遊はまさかの結果につぶやくことしかできなかった。うーん、私にはなんとも言えないが、もっと売れるものと思っていたのだけどねえ。
ともかくこの結果には出版社の人も頭を抱えてしまった。それだけではなく噂では企画責任者がどこかの支社に飛ばされたとか…
「災厄が降りかかってしまったようね。」
十六夜は”だから言ったのに”と言いたげな顔をしていた。
「もの好きな奴らだぜ。」
朝比奈はにやけた顔で悪態をついた。
「素直に喜んだらどうだい?」
朝比奈の二つ目のファンクラブ”水瀬女子大付属高校オーガ朝比奈応援部”が発足、時を同じくしてロイヤル北条にも二つ目のファンクラブ”フルーレ”が誕生・
朝比奈の人気は北条と同等まで高まっているようだ。
「意外なライバル出現というところでしょうか。でもそれも楽しいものですね。」と、北条は穏やかに雑誌のインタビューで話していた。
さて、人気赤丸急上昇中の朝比奈は、大将と呼んで慕っている師匠小鳥遊の若手時代のライバル、ダイナマイト・リンとのシングル3連戦に挑むことになる。
「ヘッ…大将の元ライバルのダイナマイト・リンが相手か…燃える相手だぜ。」
気合十分の朝比奈がリンと向かい合う。
「ふふ…こうして優香とやることになるとはね。」
あの頃はほんのひよっこだった朝比奈を思い出しリンは目を細めた。
「今日は容赦しないわよ。」
「へっ…つぶしてやるぜっ!」
朝比奈とリンは…あの頃の小鳥遊とリンのように激しくぶつかり合った。
「おらあああっ!」
「はあああああっ!!」
ゴツゴツとした二人の熱い戦いが客席の心に火をつけるのにはそんなに時間はかからなかった。
「いけ~~朝比奈~~!!」
「負けんなリン!!」
両者は小細工なしの力と力のぶつかり合いを見せたが、最近上昇気流に乗る朝比奈がこの試合を制した。
「どうだあああああっ!」
朝比奈式のエースクラッシャー”オーガクラッシャー”でリンからピンを奪った朝比奈が吠えた。
「次は負けないね。」
「へっ…返り討ちにしてやるぜ。」
リンからフォールを奪い、自分の成長を実感した朝比奈は自信満々であった。
「くっそおおおおっ!」
油断したか、まさかのジャイアントスイングからのフォールで3カウント負けを喫した朝比奈が吠える。
「私の勝ちね!」
「認めねえ。こんな負けなんて認めねえっ!」
「勝ちは勝ちね。これで1-1よ。次で決着ね。」
「上等だ。負けるかあっ!」
そして迎えた3戦目…決着戦を前にして事件が起こった。
「ああああああっ!!」
直前の試合でレフェリーのトニー館がバニーと市ヶ谷の誤爆を受け負傷。
なんとかその試合を裁くことはできたものの、セミの朝比奈VSリンの試合のレフェリングが不可能になってしまったのだ。
「これは困ったな…」
私は頭を抱えた。老舗の団体ならともかく、旗揚げしたばかりのNEW WINDにはレフェリーは一人しかいない。
「おいおいどうすんだよ。」
「準備はOKネ!」
朝比奈とリンはいつでも試合を始められる状況なのであるが…
「ふむ…私が…やるしかありませんな。」
ダンディさんが紫色のスーツの上着を脱ぎ、Yシャツの袖をまくりながらリングへと向かっていく。
「ちょっと待ったあ!」
突然叫ぶ声が聞こえたかと思うと、一人の人物がリングめがけて走っていく。
「とおっ!」
その人物は軽快にエプロンサイドに駆け上がると、そのままコーナーポストへと昇った。
「この試合の裁きは任せてもらおうか!」
赤と白を基調にした覆面をかぶった謎の人物はそう叫んだ。
「げええええええっ…あ、あいつは~~~~!!」
第24話へ
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ともあれ、朝比奈が無事復帰してきたのは嬉しいです♪ リン姉さんとの3試合目、楽しみにしてます~。