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新たなる風の物語 第46話「特別シート」

NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より 

 ※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
 旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。

◇旗揚げ1周年記念興行◇
 
 NEW WINDの節目となるのが、最終戦の福岡バイクサーキット大会である。
初の5千人会場進出はかなりの博打といえるだろう。
「それにしても晴れてよかったですな。」
「ええ。きっと選手たちの熱い戦いが巻き起こす風が、すべての雲を吹き飛ばしたのでしょう。」
 旗揚げ1周年記念興業“福岡バイクサーキット大会”は野外興業ということもあって前売りが伸び悩んだものの、当日が晴天に恵まれたことあってか当日券売り場には長蛇の列ができた。
「申し訳ありません、チケットが売り切れました。ここまでです!」
 係員の声がした時、まだ列には30人ほど並んでいた。
「おいおい、なんとかしてくれよ!」
「ふざけんな!やっと順番だってのによ!」
「そんなことを言われましても…」
 詰め寄られた係員が私の顔をチラリとみる。
「皆さん、お静にお願します。」
 私は行列の方へと近づいていった。
「風間社長!なんとかしてくれよ。」
「社長ならなんとかできるだろ!頼むよ、ガルム小鳥遊VSロイヤル北条の初シングル、見逃すわけにはいかねえんだ!」
「このために女房(キミコ)を質に入れてきたんだぜ!」
 これだけ熱心なファンの声を受けて無視できるわけはない。
「わかりました。なんとかしましょう。」
 私はそういってすぐにインカムで指示を出した。
「なんとか用意できそうです。ただ、チケットは手書きになりますがそれでもよろしいでしょうか。」
「おう、そんなの構わねえぜ。」
「よかった~。」
 私は手書きでチケットを発行した。
“NEW WIND旗揚げ一周年記念興業 特別入場チケット 風間新特別シート”
「これってかなりレアなんじゃねえの?社長のサイン入りだぜ。」
 特別シート発行枚数は31枚。つまり……なんとNEW WIND史上最多の5031人の大観衆が集まってくれたことになる。

 大観衆の熱気に包まれたまま興業は進み、ついにメインの小鳥遊VS北条の試合を迎えた。両者が入場しリング上で対峙しただけで、観客は興奮しきっている。

「ただいまより…本日のメインWIND、シングルマッチ60分1本勝負を行います。」
 仲間リングアナのこのコールに大きな拍手が巻き起こった。
「青コーナー、富山県出身147パウンドー、ロイヤルゥほうじょ~う!」
 北条は右手をぐっと突き上げた。
「きゃ~っ、沙希さま~~!!」
「沙希さま~~!!」
「北条っ!」
 北条への声援はほとんどが女性ファンのものだが、黄色い歓声のところどころに野太い声が混ざっている。
「赤コーナー、山梨県出身220パウンドー!ガルム~う、たっかなし~~!!」
 ロープにもたれかかっていた小鳥遊は、いきおいよく前に出ると右腕を突き上げた。
「たかなし~~!」
「ガルさ~~ん、やっちゃってください!!」
 男性ファンが一斉に声をあげた。
「今日は地獄におくってやんぜ。」
「パーフェクトに決める!」
 両者リング中央で睨みあうが、トニー館レフェリーが二人を分けてコーナーに下がらせる。
「レフェリー、トニー館!」
「トニー!!」
 大歓声が起こる。どうやら会場の8割がトニーコールを送ったようだ。
「ふむ。だいぶ定着したようですな。」
「ですね。」
「この試合裁きたかったけどなあ。」
 サブレフェリーとして本部席で待機している岩城がぶつぶつと呟く。
「そのためにはもっともっと精進が必要ですな。何しろ…トニーさんほどの力は今の岩城にはありませんからな。」
「たはは…さすがはダンディさん。きびしィ~。」
 リング上ではボディチェックが終わり、トニー館レフェリーが両者に握手を促した。
「よろしく。」
 北条が右手を差し出す。
「………」
 小鳥遊は無言のまま北条の目をみる。
「さて、小鳥遊が素直に応じますかどうか……」とダンディさんが言い終わるか終らないかのうちに小鳥遊が右手を動かした。
「どうやら握手に応じるようですね。」
「…それはどうでしょうな。」
 私の予測をすぐに打ち消すダンディさん。


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2009/01/01 18:00 | Comments(0) | サバイバー2リプレイ NEW WIND編

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