NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇2年目2月
「なんだとお?」
小鳥遊の叫び声が道場に響き渡った。
「今月ジェナ・メガライトは来日しないそうだ。」
TWWAから送られてきた2月シリーズの来日選手リストにジェナ・メガライトの名前はなかった。まるでメガライトへのリベンジに燃えている小鳥遊をあざ笑うかのように…
「くそおおおっ!」
小鳥遊は歯ぎしりする。
「切りかえろよ、大将。こねえもんはこねえもんでどうしようもねえじゃんかよ。それよりも今月はタッグの防衛戦があるんだぜ。そっちに集中しようや。」
朝比奈はポンと小鳥遊の肩に手を置いてニタリと笑う。
「…そうだったな。タッグの防衛戦に集中しないとな。」
「そういうことだ。頼むぜ大将。」
朝比奈も成長したな。小鳥遊の意識をうまく防衛戦に向けるなんて、以前ではできなかっただろうからね。
「か、勝ちました。ご主人様。」
NEW WIND9人目の選手として12月のデビューしたメイデン桜崎が、ロザンヌ・チャンに必殺のメイデンストレッチ(桜崎式ストレッチプラム)を極めてギブアップを奪いプロ初勝利を挙げた。
「おめでとう。この一勝が最後にならないように次の試合も頑張ってくれよ。」
「かしこまりましたご主人様。」
桜崎は丁寧にお辞儀をしてからセコンド業務をこなすため、リングサイドへと走っていった。頑張れよ桜崎。
なお新人桜崎の対戦相手は基本的にロザンヌかフリー参戦の石川が務めている。今月の桜崎は初戦で勝利したものの、それ以降は石川とロザンヌに全敗してしまった。
タッグ王者小鳥遊&朝比奈が王座防衛に向けて始動。初戦でコリィ&バニーのタッグを撃破したが、第3戦では前王者スナイパーシスターズに惜敗してしまう。
「タッグチームとしてはまだスナイパーシスターズの方が上ですかね?」
「二人ともだいぶ実力をつけていますが…まあよく見て互角なのでこの敗北はしかたありませんな。」
この敗北だけならよかったのだが、小鳥遊&朝比奈はこのシリーズはかなり調子を崩してしまいボロボロと負けてしまった。
「タッグ王者がこうもタッグ戦で負けるとは…」
「ふむ…少々問題ですな。」
それでも二人はソフィ&十六夜の越境タッグを退け見事防衛に成功したのだった。
「タッグ王座戦だけ動きがよかったですな。強い王者であれば問題ないのですが…できれば通常のタッグでの敗北は減らしてもらいたいものですよ。」
なおツアー6日目に行われた6人タッグで朝比奈が小鳥遊から3カウントを奪取している。
「正直パートナーに恵まれただけだからな。いずれはシングルで奪ってみせるさ。」
朝比奈は言い終わったあとに恥ずかしくなったらしく赤い顔になる。
最終戦 高知大会
南の地元で行われた大会は4725人という大観衆を集めて行われた。
この日のメインはWWCAタッグの防衛戦であるが、セミWINDにも興味深いカードが組まれていた。
セミWIND シングルマッチ 45分1本勝負 ロイヤル北条VS南利美
お互い求める完璧は違えども、完璧な試合をしたいという思いは共通している。
南は北条のその姿勢に憧れに近いものを持って入団してきたし、北条は北条で南の向上心を買っていた。
これといった実績こそ残していないものの、何度もタッグを結成してWWCA勢&TWWA勢と対戦してきている。
タッグではすでに北条超えを果たしている南。タッグに続いてシングルでも北条超えなるか。それとも北条が先輩の意地をみせるか。
「完璧な試合で勝たせてもらいます。」
「…そうはさせない。」
完璧を目指す二人がリング中央でにらみ合う。
「いけー南~~!!」
「としみ~~~!」
「南先輩~ファイト~~!!」
地元だけに南への声援が圧倒的だ。
「ファイトだ北条さん!」
そんなアウェイの状況でも、北条の大ファンとして有名な存在である愛知県在住の住職さんが大きな体に似合わぬ甲高い声で声援を飛ばしていた。
カアン!
トニー館レフェリーの合図で試合開始のゴングが鳴らされた。
第59話へ
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これは楽しみな試合ですねぇ
まあ、まだ二年目なので勝つのは難しそうですけどね
某住職に負けないように南さんを応援しないと
「南さん、頑張れ~」
しかし、人様のリプレイの南さんをこんなに応援してる自分って・・・相当変ですよね(笑)