NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
少し話は前後するが、今回は第3戦和歌山大会を取り上げてみよう。
この日…セミWINDで組まれたのは、南とコーディのシングルマッチだった。
WWCAナンバー2で実績・実力ともに折り紙つきのコーディに対し、“若手の成長株”南が挑むシングルマッチだ。マスコミもファンも「ああ、チャンレジマッチだな。」と思っただろうし、マッチメイクした私もそのつもりで組んだ試合だ。
試合は予想通りにコーディが持ち前のパワーで押す展開になったが、予想以上に南が粘りを見せていた。
「ヘシ折ってやる!」
コーディのアルゼンチンバックブリーカーが南にガッチリと決まった。
「ドウダ!」
コーディは自慢のパワーでぐいぐいと南を絞りあげる。
「ふふ…」
南は呻き声を上げるかわりに笑い声を洩らした。
「ポイントが完璧じゃないわね。」
南は言うが早いかあっさりとクラッチを外し、コーディの背中側に着地。すかさず右の下段蹴りを背後からコーディの腿裏に叩きこんだ。
「ウグッ…」
たまらず右ヒザをガクンとついてしまうコーディ。
「勝機見逃すわけにはいかない!」
南はそう叫ぶとコーディの正面側のロープへと走り反動をつけてコーディへ向かう。
「はああああああああっ!」
南は左足でコーディのヒザを踏み台にして飛び、両手を大きく広げたフォームから右ヒザでコーディの顎先をカチ上げた。
「おおおおっ!」
「なっ…痛めていた右膝でのシャイニングとは!」
「フェニックスが飛びましたな。」とダンディさん。
「フェニックスが飛ぶ?」
「ええ……不死鳥が蘇り、再び飛ぶように南が完全復活した…ということです。」
南はそのままフォールに行ったが、コーディはこれをカウント2.9で跳ね返した。
「おしいっ!」
しかし南はこれを予期していたようだ。
「この技に耐えられるかしら?」
南はコーディを引き起こすとその片腕をロックしてノーザンライトスープレックスの要領で持ち上げた。
「ハアアアッ!」
そして頂点に達したところでそのまま片腕をロックしたまま垂直直下式で前に落とす。いってみれば変形のSSDのような技でコーディをスカイブルーのマットに突き刺した。
「ガハッ…」
南はコーディをガッチリフォールし、3カウントを奪った。
「15分24秒 SCS(サザンクロス・スペシャル)からの体固めで勝者南利美。」
南の新技を連発で食らったコーディはあっさりと南の軍門に下った。
「最後はご覧のとおり新技です。名前は“サザンクロス・スペシャル”です。」
「なるほど。強烈な技でした。説得力も十分でしたし。それとその前の…」
「SCS(サザンクロス・スペシャル)の前に出した技は、私なりの思いを込めた技です。」
この南のコメントにガールズゴングのO坂記者は素早く反応した。
「南選手、よろしいでしょうか?」
「はい。」
「『私なりの思いを込めた』と…いうことですが、それはどのような思いですかね?」
うーん。核心をズバンと聞いたな。
「…病院のベッドの上で右膝をじっと眺めていた時…私はこう考えたの。『膝のケガからの完全復活するためには膝の故障への恐怖を取り払う必要がある。』って。そのためにどうするべきかと考えて“膝を武器にする技を使おう”って決めたわ。復帰直後に使えなかったのは…まだ私に恐怖心が残っていたということ。完璧じゃないわね。」
「はっはっは。なるほど~そういう経緯があったわけですね。ところでこの技には名前はあるのでしょうか?」
O坂記者は一番聞きたかったことを聞いた。
「…“シャイニングフェニックス”です。」
「…シャイニングフェニックスですか。」
「ええ。ケガから復帰する私にはぴったりかなと思ったから。それに…初めて聞くはずなのになぜか懐かしい感じがしたから。」
シャイニングフェニックスか。確かに私もなぜか懐かしい気がする。
「鳳凰と南十字を合わせたマークをつけたのよ。」
南は右膝をポンと叩いた。その膝のサポーターには鳳凰と南十字を合わせたマークが輝いている。
3カウントをとれる二つの技…シャイニングフェニックスとSCSをマスターした南。今後の活躍が楽しみになってきたな。
第77話へ
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コメント
>哲さん
いろいろあってお返事遅れました。
投げ技はクロスアームSだけだと弱いので必須装備でした。まあこれは読まれるかな~と思ったのですが、Sフェニは読めないでしょう。読めた人がいたのなら、私の代わりに続きを書けると思いますね(笑)
まあ、旧NWを読んでいる人向けのボーナスみたいなものですね。そういう描写はあちこちに埋めていますけども(笑)
新たなる~のNWしか知らない人には普通のシーンですが、旧NWを知っている人なら…というね。
なお、クイズの答えにかかわる部分だったので、あえてここまで返答を延ばしましたが、お察しの通り、新NWに伊達はいません。
南と伊達という図式は二人が同期だったから成り立つものですし、それに旧NWでのイメージが強すぎるので”新たなる風の物語”にはふさわしくないのですね。
いろいろあってお返事遅れました。
投げ技はクロスアームSだけだと弱いので必須装備でした。まあこれは読まれるかな~と思ったのですが、Sフェニは読めないでしょう。読めた人がいたのなら、私の代わりに続きを書けると思いますね(笑)
まあ、旧NWを読んでいる人向けのボーナスみたいなものですね。そういう描写はあちこちに埋めていますけども(笑)
新たなる~のNWしか知らない人には普通のシーンですが、旧NWを知っている人なら…というね。
なお、クイズの答えにかかわる部分だったので、あえてここまで返答を延ばしましたが、お察しの通り、新NWに伊達はいません。
南と伊達という図式は二人が同期だったから成り立つものですし、それに旧NWでのイメージが強すぎるので”新たなる風の物語”にはふさわしくないのですね。
posted by Nat 2009/02/02 22:34 [ コメントを修正する ]
1つは投げ技だろうと予想出来てたんですけど
もう1つが、まさかのシャイニングフェニックス!!
前作からのファンとしては、実に感慨深いです
まあ、これで今回は伊達ちゃんが居ないのは確定しましたけどね(笑)
新しい必殺技を会得して、パワーアップした南さんの活躍を楽しみにしています
これからも頑張って応援するぞ~!!