NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇3年目10月
最近、芸能関係のオファーがよく入るようになった。今月だけでもソニックが学園祭、南がCD収録、市ヶ谷がCM出演といった具合だ。
「ふう…これじゃアイドル事務所だな。」
「選手と団体のためにも露出が増えるのはいいことです。まあ、本業に差し支えなければ…ですがね。」
私もそれには同意見だ。
ちなみに、うちで一番オファーが多いのはソニックだ。ソニックは元々“「音速ヒロイン」ソニック・キャット”という特撮ドラマの主演女優だったわけだし、当然といえば当然だろう。今でもソニックは“音速ヒロイン”シリーズに出演している。もちろん主役ではなくゲスト出演ではあるが、先輩ヒロインとしてシリーズの重要な場面で登場している。
芸能面では一番成功しているソニックだが、プロレスラーとしては成功しているとは現状言えない。体格はともかく少なくても資質には恵まれているはずなのだが。
「…やっぱり芸能活動がいけないのでしょうかね。」
「ソニック君の場合は両方こなせるのが理想なのですがね。プロレスに関してはまだ成長期ですよ。」
私もダンディさんもソニックがリング上でも輝きを放ってくれるのを期待しているんだ。
さて、今月はカオスが来日しない。WWCAマットでの防衛戦があるとのことだが…真意はどうなのだろう。
「今月はTWWAとの対抗戦がメインになるでしょうな。」
すでにTWWAに王座戦の開催許可は得ており、興業上問題はない。
さっそく第2戦神戸大会で、メガライト&キャシーの持つTWWAタッグに前WWCAタッグ王者小鳥遊&朝比奈が挑戦。
王者組と互角の試合を繰り広げたが、第4戦でTWWAシングルを賭けた再戦が決まっている小鳥遊とメガライトがヒートアップして場外でやりあう間に、キャシーが朝比奈をトラースキックで沈めて防衛に成功。
「くそっ…すまねえ、大将。」
「謝らないといけないのはこっちだ。熱くなりすぎちまった。フォローできなくてスマン。」
チーム力は互角だっただけに勿体ない試合になってしまった。
第4戦大阪大会 メインWIND TWWA認定世界ヘビー級選手権試合
2度目の挑戦となる小鳥遊は気合十分。いきなりヘッドバットで先制し主導権を握りにかかる。
「ドッセエエエエ!」
しかしメガライトはこれを受けきっていきなりフィッシャーマンバスター!
さらに連続で技を決め、いきなりベリー・トゥ・バックでフィニッシュを狙う。
「あああっ!」
場内から悲鳴が上がるがこれを軽やかに前方回転エビ固めで切り返す……も型が崩れ、小鳥遊は巨大なヒップでメガライトの顔面を圧殺。
この偶然をチャンスとみた小鳥遊はダイビングフットスタンプを早くも敢行しメガライトのスタミナを大幅に奪う。
「だっしゃあああ!」
「ぬううううっ!」
二人はお互いのすべてをぶつけあい互角の戦いを繰り広げた。
2発目のフィシャーマンをカウント2.9でクリアした小鳥遊はコブラツイストにつかまるが、これを何とかしのぐとメガライトの顔面に強烈なパンチを見舞いダウンを奪う。
そしてもう一発ダイビングフットを繰り出すもダメージで小鳥遊はフォールにいけず、勝機を逃す。その後メガライトのダイビングギロチンをカウント2.9でクリアした小鳥遊は場外にエスケープし息を整えようとしたが、結果的にこれが裏目に出てコンクリートの床に叩きつけられ大きなダメージを受けてしまう。
「このおおっ!」
裏拳を打ち込むがダメージで体重が乗らず、フォールを奪えない。
「くっ…」
大技を狙ったがあっさりとリバーススープレックスで切り返され、小鳥遊はカウント2.99でかろうじて肩を上げた。しかしその直後に繰り出されたこの試合3度目のフィッシャーマンバスターで力尽きた。
「またヤロウ。」
「ああ。」
お互いを認め合い、二人は再戦を誓った。
小鳥遊にとってメガライトはもう勝てない相手ではないだろう。小鳥遊…次こそは勝ってくれよ。
第76話へ
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