DQ5 主フロ(主人公*フローラカップリング)SSです。
ルーザーとフローラの結婚式直後のサラボナでの出来事を書いてみました。
ちょっぴりですがビアンカも登場します。
ルーザーとフローラの結婚式直後のサラボナでの出来事を書いてみました。
ちょっぴりですがビアンカも登場します。
「旅に出る前に僕の仲間を紹介しておかないといけないな。」
ルーザーはやや警戒しながら新妻フローラを見つめた。
「ずっとお一人での旅だと思っていましたわ。」
フローラは澄んだ瞳で夫を見つめている。
「まあ一人といえば一人なんだけどね…でも、僕には頼りになる仲間がいるんだ。」
「一人なのに一人じゃないのですか?」
「ああ。その中でも一番付き合いが古い、僕の大事な友達をまず紹介するよ。」
「はい。」
ルーザーは合図をする。
ガサッ、ガサッ…草をかき分ける音がして、豹柄の肌の大きな動物がルーザーのそばにやってきた。
「あら、可愛らしい大きなネコさんを連れていらしゃるのですね。」
フローラは柔らかな笑みを浮かべた。
「ガウル?」
プックルは不思議そうな顔をして首を傾げた。それはそうだろう…ついこの間までのプックルはカボチ村の村人たちから忌み嫌われていたわけだし、ルーザー以外の人間が
このような態度をとってくれるなんて思っていなかったにちがいない。
「この子のお名前は?」
「プックルだよ。」
「まあ…プックルちゃんというのですね。名前通り可愛らしい子ですわね。」
フローラは慣れた手つきでプックルの喉を撫でた。
「ゴロゴロ…」
プックルは気持ちよさそうだ。
「怖くないの?」
ルーザーは疑問に思っていたことを尋ねた。何しろプックルは大きなネコではなく、泣く子も黙る地獄の使者キラーパンサーなのだから。
「こんな可愛い子のどこが怖いのでしょう?ね、プックル。」
「ガウル♪」
プックルは当然だという顔をする。
「そうか…よかった。それなら僕は何も心配はいらない。」
「どういうことですの?」
「心配だったんだ。いくら清らかな心を持つフローラでも、モンスターを相手にしてそのままでいられるかってね。」
「まあ…この子はモンスターでしたの?」
「…キラーパンサーなんだけどね。」
ルーザーはどう反応してよいのやら、思案顔である。
「ねえあなた。私は大丈夫ですわ。」
フローラはそういって凛とした眼差しをルーザーに向けた。
「そうか。プックル、フローラを守ってやってくれよ。」
「ガウル!」
プックルは嬉しそうにフローラによりそった。
「あなたのことを愛していますし、あなたのお仲間に偏見なんて持っていませんわ。だから心配しないでくださいね、あなた。」
「もちろんだよ。」
この後、スライムのスラリン、キメラのメッキー、魔法使いのマーリン、スライムナイトのピエールが次々と主人ルーザーの新たなるパートナーに対し挨拶をした。
フローラはにこやかに彼らを受け入れ、仲間たちもまた、フローラに好感を持った。
「どうやら、心配はいらないようね。残念だけど…」
その光景を離れた場所から見つめていた金髪の少女は残念そうな顔をした後、「幸せにね。」と呟いた。
「どうか無事でね。ルーザー、プックル。」
サラボナの北西へと向かう船をビアンカはいつまでも見送っていた。
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