”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第15弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
かなり性格づけを脚色してありますので、覚悟の上続きへとお進みください。
※ジャンル:ともさんサイト きのカモレッスルエンジェルス 6万HITお祝い記念
N版 第15弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
かなり性格づけを脚色してありますので、覚悟の上続きへとお進みください。
※ジャンル:ともさんサイト きのカモレッスルエンジェルス 6万HITお祝い記念
「キャーツ神田様よ~!」
「神田様~♪」
ここはプロレスリング・ゴッド
エース候補生神田幸子に黄色歓声が送られています。
「・・・」
「今日も大歓声だね、幸子くん。」
ミシェール滝がちょっと嫉妬交じりにいいます。
「いや、別に。ちょっとファンが増えただけですよ。」
神田はクールな反応だ。
「もっと君も君のバンビーノたちに愛想よくしてあげたまえ。」
「・・・」
神田はミシェールを無視して控え室へと向かった。
「お疲れ様です、神田さん。」
差し出されたタオルを受け取り、汗をぬぐう。
「神田さんは凄い人気ですね。どうしてこんなに女性ファンが増えたのでしょうか?」
付け人を務める後輩レスラーが尋ねる。
ジロリと睨みつけられ、怯える後輩レスラー。
「それはね、お姉さんが教えてあげるよ。」
「六角さん・・・」
「まあいいじゃないか。昔のことだし。後輩にも勉強してもらったほうがいいと思うよ。」
~以下語り手 六角葉月~
それはまだ神田が若手だった頃のお話さ。
リーグ戦で優勝した神田の人気がブレイクしはじめた頃、事務所に一本の電話がかかってきたのさ。
「電話ですか?」
と後輩レスラー。
「まあ、おとなしく聞きなよ。」
その電話は神田に映画に出演してもらえないかというオファーだったのさ。
その頃はまだ今ほど経営が楽じゃなかったから、社長は本人の意思を確認もしないで出演を即決したんだ。
ぶっちゃけた話、ギャラが目当てだな。
「なるほど。」
まあ、案の定 神田は駄々をこねてね~、ひと悶着あったんだけど映画にしぶしぶ出る事になったのさ。
役柄は主人公の彼女役で、主人公のフタマタが発覚して怒りを爆発させるシーンがあったんだ。
まあ、この相手ってのが、某大手の事務所の若手タレントでさ、もともと手が早いので有名な”クソガキ”だったわけさ。
「ああ、あの人ですか。」
何を思ったか、このクソガキがね~、神田にモーションかけてきたんだってよ。
“あなたみたいなきれいな方は見たことない・・・とか抜かしてな。”
まあ、神田もさすがに美形のあいつに口説かれて落ちそうになったらしいよ(爆)
「ええ、そうなんですか?」
「ちょっと待て、誰があんな奴に・・・」
まあいいから聞きな。
で、電話番号を教えたりしたんだってよ。
ところがだ、神田はその日スタッフの人と食事に行くときに、そのクソガキが別の女としけこむところを見てしまったんだ。
他のスタッフはいつものことだと笑ったらしいが、神田としてはアレだよな。
さっきまで自分を口説いていた男が別の女と寝るというシーンに出くわしたわけよ。
そして次の日が、件のシーンの撮影日だったんだなあ。
台本には、“裏切り者!”って言ってから張り手をするシーンがあったわけだ。
神田からしてみれば、まさに裏切り者なわけ。
“昨日はお楽しみだったみたいね。”
と神田が小声で聞いたら、そのクソガキは“知っていたんだ。悪いけど、君なんかに本気になるわけないだろ”って言ったらしいのよ。
「うわー、最悪ですね。」
「・・・」
でだ、撮影が始まるまえから、やや険悪ムードになったわけだけど、撮影は順調に進んでいたんだ。
そしてクライマックス、神田がクソガキを張り手で張り飛ばすシーンの撮影を迎えた。
『どうして、どうしてよ!』
『悪い、もとから本気じゃなかったんだ。オレは彼女の方が好みだし。』
『・・・』
『まあそういう事だからさ・・・じゃあな。』
くるりと背を向ける男に向かってダッシュする神田。
男の肩を掴んで振り向かせると、『この裏切り者っ!!』といって、神田が出した技・・・ は張り手じゃなかったんだ。
「な、なにをしたんです?」
それはね、“マジ掌底”だ。
神田は恨みをすべて込めて、本気で右を打ち抜いたんだ。
「・・・マジ掌底って、マジですか?」
ああ、マジだよ。
「シャレにならないんじゃ・・・」
もちろん、神田のマジ掌底を食らって無事なわけはない。
思いっきり吹き飛ばされたクソガキに向かってアドリブで放った一言・・・
『女、舐めるんじゃないよ!』
コレがカッコよかったんだよなあ。
そしてクルリと背を向けて去って行くシーンがなんとエンディングになっちまったんだヨ。
「ええ~っ!!」
クソガキは全治2ヶ月の重傷だったし、撮影はここで打ち止めになってしまった。
当初の話とは違う展開だったけど、これがワイドショーでも取り上げられて話題になったんだ。
もちろん、クソガキのファンから罵声も浴びせられたけど、その後このクソガキの女性スキャンダルが次々と発覚。
逆にそれを爽快に吹き飛ばしたシーンを見られるとあって映画は予想以上の大ヒット。
ついには神田はスーパースターになったというわけさ。
「へええええ。」
で、ついた仇名はハリケーン。
ハリケーンのように豪快にクソガキをぶっ飛ばしたからな。
「・・・余計なことをベラベラと。」
“先輩に逆らう気か?”
「・・・」
それでよし。まあともかくそれからというもの神田ギャルが増えたというわけさ。
「へええ。歴史ありですねえ。」
そういうことだ。
だからさ、お前も神田みたいになれとはいわないが、次期エースになれるように頑張れよ。
「はい。智、頑張ります。」
それでいい。
「・・・マジ掌底はリング上だけにしておけよ。」
「はい!」
プロレスリング ゴッドは今日もこうして平和であったのです。
(終)
”楽屋”
「設定を随分いじってますね。」
「まあね。それに神田といえばあそこしか思い浮かばないから、こうなった。」
「準拠しつつ・・・ですね。」
「うん。いつもそうだけど、オマージュシリーズではちゃんと意識はしながらも、オリジナリティを出すようにしている。」
「それにしても後輩レスラーの正体は最後まで気づきませんでした。」
「なら私の勝ちだね。・・・まあ最後に六角さんに呼ばせるまでは決まっていなかったのだけどね。」
「・・・じゃあ、わかるわけないじゃないですか。」
「そういうことだよ。」
(終)
“初映画 張り手のシーンで マジ掌底”
主演 神田幸子
出演 六角葉月、後輩レスラー智、ミシェール滝
やられ役 黒園我樹矢(クロソノガキヤ=クソガキ)
“楽屋”
出演 Mr.N、杉浦美月
このSSは、“智さん”のイラスト化川柳“初映画 張り手のシーンで マジ掌底”を元に構成したものです。
ありえない?
いやいや、ありだと思います。
とも さん、6万HITおめでとうございます!
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特に深く考えず送った川柳だったんですが
こんな裏があるとなるとマジ掌底も頷けます。
ただの掌底馬鹿じゃなかったんだ神田(酷
俳優の名前もさりげなく・・・(笑
って後輩レスラーが!
終始楽しんで読ませていただきました。
SS化ありがとうございました~^^