もちろん、ちゃんとレッスルのSSも書きますよ。
今回も短時間で作成したものですので少々作りは甘いかなと思っていますが、書いていて楽しかったです。
今回も短時間で作成したものですので少々作りは甘いかなと思っていますが、書いていて楽しかったです。
「これはこっちが買おうとしていたんだぞ!」
「こっちが先だ!」
とある店の店頭で、そっくりな顔をした二人が一つの商品を奪い合っていた。
二人の苗字は村上。そう、プロレス界が誇る双子のヒール姉妹である。
二人は休みを別々に行動したのち、偶然同じ店に入り、偶然同じ商品をほぼ同時に手にとった。残り一つしか残っていないその商品…可愛らしい熊のぬいぐるみを巡って二人は言い争っていた。
「こっちのだ!」
「こっちのだっ!」
やがて言い争いに疲れた二人は、じゃんけんで勝負をすることになる。
「一発勝負だぜ!」
「上等だ。恨みっこなしだ。」
「ケッ…せーの!」
「最初はグー!じゃんけんポン!」
同時にグーを出す姉妹。どこぞの双子芸人のように拳をぶつけたりはしない。
「あいこかよ!」
「チッ!あいこでしょ!」
同時にパー。
「あいこでしょ!」
同時にチョキ。
さすがは双子、出す手が同じだ。
「こうなったら!あいこでしょ!」
二人同時にゆっくりと出す。
ようは後だし狙いだったわけだが、それすら同時だったということだ。
「いいかげんにっ!」
「しやがれっ!」
しかし、またもあいこ。なかなか決着がつかない。
そして………
じゃんけんを繰り返すこと15分。両者かなり疲れてきている。
「くそっ…」
「きりがねえっ!」
ところが、ないのはきりだけではなかった。
「ない!」
「ぬいぐるみがないっ!」
そう…二人がじゃんけんに夢中になっているうちに二人が欲しかった熊のぬいぐるみがなくなっていたのだ。
二人はあわてて店内を探す。
「あっ!」
二人が同時に声を上げた。
小さい女の子がそのぬいぐるみをレジにおいているところだったのだ。
「人が買おうとしていたぬいぐるみ、横取りしやがって!」
「そういう反則は許さねえ!」
普段反則ばかりしているくせに、こういうところでは反則を認めないようだ。
「ふぇ…ふえええええええん。」
その女の子は泣き出してしまった。
「オイ!てめえらっ!」
聞き覚えのあるドスの聞いた声が響く。
「この声は…」
「八島っ!」
その瞬間二人をゲンコツが襲う。
「いてえええ。」
「何しやがるんだ!」
「それはこっちのセリフだよ、綾を泣かせてどういうつもりだい!?」
八島の髪が怒りで逆立っている。
そう、二人が泣かせた小さい女の子は榎本綾だったのである。
榎本のことを八島は妹、いや娘のようにかわいがっており、綾を泣かせたものにモノ凄い復讐をしてくるのである。
「あ、いや…」
「なんでもない…」
「覚悟はできているんだろうねえ?」
この後の二人がどうなったのかは語るまでもない。
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