このお話は、NEW WIND編のサイドストーリーにあたるスターライト相羽が主人公のオリジナルストーリーです。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第10話「挑戦」”
お楽しみくださいませ。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第10話「挑戦」”
お楽しみくださいませ。
それはまったく予期しない事だったに違いない。
「相羽、1月シリーズの最終戦、メインだから。」
風間は軽い口調でいう。
「はい!頑張ります!!・・・って社長今なんて?」
反射的に元気に応えた相羽だが、言葉の意味に途中で気付いたのだろう。
「うん?”1月シリーズの最終戦、メインだから。”だが?」
風間はまったく同じ口調でリピートしてみせる。
「!!最終戦のメインですか?!」
固まる相羽。
「なんだよ、だからそうだと言っているだろう。それにお前は「はい!頑張ります!!」っていったじゃないか。」
風間はニヤリと笑う。
(社長・・・確信犯ですね。ボクが反射的に返事するのを知っていて・・・)
「・・・光栄ですけど。あの、カードは決まっているのでしょうか?」
「ああ。決まっているよ。」
風間はニッと笑う。
(絶対なにか企んでいるんだ。間違いない!)
「ど、どういうカードでしょうか?」
「知りたい?」
風間はニヤニヤと笑っている。
(う~っ絶対企んでる!)
「し、知りたいです!」
「じゃあ教えてあげようじゃないか。まあ、座りたまえ。」
風間はニタニタしたまま右手でソファを示す。
「は、はい。」
相羽は腰を降ろすが、どうも落ち着かない。
「これだよ。」
風間はマスコミにリリースした対戦カードを相羽に手渡した。
「は、はい。」
☆ハッピーニューウインド シリーズ最終戦☆
メインイベント MAX WINDタッグ選手権試合 60分1本勝負
(女王組)永沢舞&吉田龍子“ドラゴンダンス”VSスイレン草薙&スターライト相羽組(挑戦者)
「た、タイトルマッチじゃないですかっ!!!」
叫ぶ相羽。
「うん?タッグ王座じゃ不服か?」
「と、とんでもない。蓮さんはわかりますけど、なんでボク?」
「スイレンが組みたいと。“相羽と組みたい”というスイレンのたっての希望だ。」
「こ、これ決定事項ですか?」
相羽は無駄だとわかっていながらも聞いてみた。
「もちろん、リリース済だ。」
「・・・やっぱり?」
風間社長は策略好きだけに、きっちり出版社のスケジュールを把握している。
「ふん、折角の話題を最新号に間に合わせないのはもったいないからな。」
とよく言っている。
ということで、きっちり雑誌の締め切りに合わせてリリースしているから、水曜発売の週刊女子プロレス、週刊ガールズ・ゴングにはこの記事が大きく載った。
“MAX WINDタッグ挑戦者はスイレン草薙&スターライト相羽”
正直この決定に、筆者は違和感を覚えた。
スイレン草薙のMVP受賞を受けての王座挑戦なら、”なぜシングルではないのか?”というのが第一の疑問である。
多分MAX WINDシングルの次期挑戦者は既に内定しているのだろう。
それともスイレンにはタッグ戦線で経験を積んで欲しいという意向なのか?
正直すっきりしない。
そして第2の疑問点はパートナーを”スターライト相羽”にしたことである。
スイレン草薙はシングルでの試合が多く、特定のパートナーはいない。
なればハイブリット南や、シャイニング神威というのが普通のセレクトだ。
しかしここで選ばれたのはスターライト相羽。
これはいささか納得できない。 相羽が悪いというのではない。
王座挑戦へのプロセスが疑問なのだ。
相羽がどれほどやってくれるか。
筆者はあまり期待せずに観戦しようと思う。
週刊女子プロレス 須山田
”これは面白い。”
カードを聞いた時そう思った。
新世代の台頭が不可欠なNEW WINDにとって、MVP受賞者のスイレン草薙は希望の星である。
その希望の星にあえてキャリアの劣るパートナーを引っ張らせることでさらなる成長を望むということだろう。
言ってしまっては悪いが、ベテランの永沢&吉田の女王組が君臨しているようではNEW WINDの未来はないといえる。
スイレン草薙とスターライト相羽のフレッシュコンビでどこまで通用するか。
期待してみたい。
ガールズ・ゴング O坂
「あーもう面白くないわっ!」
寮のロビーにおいてあった2冊のプロレス雑誌を読み終えたジーニアス武藤はすごい勢いでテーブルにたたきつけた。
「相羽の名前はあるけど、私のことが記事になってないわ。どういうことよ・・・」
もう一度雑誌をとってぺらぺらとめくる。
“武藤”という記事を見つけて指がとまる。
「なんだあるじゃない。・・・ってこれ武藤先輩の記事じゃない!」
そこに書かれていたのは、“秘書見習い武藤めぐみの見習い日記”という隔週連載の新コーナーだった。
「・・・こんなの見てなにが面白いのよっ!」
「・・・悪かったわね。こんなので。」
「げっ・・・武藤先輩・・・」
「ケイ、あなた自惚れていると相羽に置いて行かれるよ。」
と武藤。
「ば、ばかな。相羽になんて負けませんよ。」
「そう?ならいいけど。」
そのまま立ち去る武藤。
「怒られるかと思ったけど。でも私が挑戦したことのないベルトに相羽が挑戦する・・・これって確かにまずい状況かも。」
ジーニアスが道場へと向かったのはいうまでもない。
「頑張りなさいケイ。」
とその後姿につぶやく武藤めぐみの姿があった。
1月最終戦 タイトルマッチ
「青コーナーより、挑戦者スイレン草薙・スターライト相羽組の入場です。」
スイレン草薙のテーマがかかる。
「さあ和希さん、行きますよ。」
スイレンの声がする。
「は、はい・・・でも足が・・・動きません・・・」
メインイベント・タイトルマッチという重圧が相羽にのしかかる。
「しっかり。あなたならできます。私はそれを信じてあなたを指名したのですから。」
「は、はい。」
まだ震えている相羽。
「・・・歯を食いしばりなさい和希さん。」
「?」
いわれたままに歯をぐっつと噛み締める相羽。
バチーン!!
スイレンの張り手が飛ぶ。
「いった~!何するんですかあ!!」
「落ち着いたみたいですね。いきますよ!」
スイレンはにこっと笑うと花道へと向かった。
「あ、まってください!」
相羽はあわてて後を追う。
うわあああっ!
タイトルマッチ特有の大歓声が相羽を包む。
(これが大会場のメイン・・・タイトルマッチの光景なんだ!)
気合みなぎる相羽。
「さあ和希さん、いきますよ。あの人たちの腰からあのベルト奪いましょう!」
「はい、蓮さん!!」
「ただいまより本日のメインイベント MAX WINDタッグ選手権試合60分1本勝負を行います。」
「青コーナー 石川県出身 128パウンド~! スターライト相羽~!!」
この試合の結果は本編107へ続くっ!!
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ガンガン追いかけますよ~♪