軍団NEW WINDより。
「くっ!」
「とおっ!」
「このおお!!」
「ちいっ!ミスったかっ?」
「くっそおお!!」
軍団NEW WINDの道場に、何者かの声が響いている。
「へんだなあ・・・もう誰もいない時間なのに。」
見回りにやってきた結城千種は、不審に思った。
「もう、アジアタッグは終わったし、遥さんや舞が特訓しているわけでもないし・・・」
「これでどうだっ!!」
やはり道場の中から声がする。
「・・・やっぱり誰かいる・・・けど・・・どうしよう・・・」
リングの上では常に勇敢で、どんな強敵相手でも諦めない結城だったが、リングを降りれば女の子。
中を確かめる勇気が中々生まれない。
「うーどうしよう・・・」
結城がしばらく思い悩んでいると、「どうしたの、千種?そんなところで突っ立って。」
パートナーの武藤めぐみがやってきた。
「めぐみ!よかった~。」
抱きつく千種。
「な、なんなのよ千種。」
抱きつかれた武藤はちょっと嬉しかったり。
「あのね・・・」
結城は今までの経緯を説明する。
「ふーん。それでここで突っ立っていたってわけね?」
「うん、そうなの。」
武藤はちょっぴり呆れながらも、千種らしいと思った。
「どうだああ!!」
また道場から声がする。
「・・・ね?」
「確かに。怪しい声だわね。・・・どっかで聞いた事がある気がするけど。」
「・・・」
「まあいいわ。正体を確かめましょう。相手が抵抗するようならダブルで仕留めるわよ。」
「う、うん。」
結城はどきどきしながら頷いた。
「いくわよ!」
「うん!」
道場のドアをそっと開けて、物音をさせずに中に入る二人。
道場の中は薄暗く、人の気配はしない。
「おかしいわね。確かに声はしたのだけど・・・」
武藤がつぶやいたとき、「できたああ!」という声が聞こえてきた。
「!」
「今の聞いた?」
「うん、こっちの方ね。」
二人は道場の奥にある扉へ近づいた。
「!」
ドアの隙間から光が漏れている。
「ここは・・・開かずの扉・・・」
「入団したとき、ボスから言われているのよね・・・『このドアはあけてはいけない。何があっても近づくな。』って。」
「めぐみ、帰ろうよ。怖いよ。」
「へ、平気よ。たいしたことないわ。この明かりの正体確かめなければ気がすまないの。」
「よ、よしなよ~。」
止める結城にかまわず武藤はドアノブに手をかける。
「千種、これは挑戦よ。」
「挑戦?」
結城は意味がわからず疑問の声をあげた。
「・・・この扉をあける事で、何かがわかる。そして私たちの勇気が試されるの。挑戦するわよね?」
武藤の言葉に結城は頷いた。
「あけるわよ!」
「う、うん。」
高鳴る鼓動・・・このとき結城は「めぐみとなら大丈夫。挑戦できる。」と思っていた。
ガチャッ!
ドアはすんなりと開いた。
「うわああああっつ、な、なんだあ・・何者だぁ!」
中にいた謎の人物が大声あげた。
「ぼ、ボス!」
「・・・ボス・・・」
二人はほぼ声をそろえて謎の人物の正体を言った。
そう、中にいたのは軍団NEW WINDのボスだったのだ。
「・・・あけるなといったろう?」
動揺を隠せないボス。
「・・・なにやってんのよ、こんなとこで。」
「な、なんでもない・・・」
明らかに嘘だとわかる動揺をするボス。
「めぐみ、これ・・・」
結城が一枚の紙をめくった。
「うわああっ!」
声をあげてそれを奪い取ろうとするボス。
だが、武藤はひらりとかわし、紙を見た。
「千種、押さえておいて。」
「OK、ボスごめんなさい。」
最愛のパートナーの指示に従い、結城はボスをフルネルソンで固める。
「・・・なにコレ・・・」
その紙には絵が描いてあった。
「・・・これ私?」
「うっ・・・」
動揺するボス。
「塗り絵・・・だ。」
ボスはそう呟いた。
「はあ?塗り絵?」
武藤は絵をマジマジとみつめた。
「『あなた色に☆染め上げて』・・・なに、この恥ずかしいタイトルは。」
「私がつけたわけじゃない。それに私はそのタイトルを気にいっているんだ。・・・新しいグッズとして売り出すことになっていたんだ。NEW WINDも新しいグッズに挑戦しないといけないしね。」
ボスはフルネルソンを決められたまま解説した。
「いいなあ・・めぐみを、私色に染めちゃいたいなあ・・・」
結城は危険な発言をする。
「な、なにいってんの千種!」
「え~、これいい企画だよ。」
「企画立案はGUYさんだ。私はそれに乗ってだな、塗っていた訳だ。」
「・・・ヘタね。」
武藤はズバッと痛いところを突く。
「アイタタ・・・自分でもわかってるわい。それは水彩ライトってソフトで塗った奴だ。ここに、もう一枚ある!今度のSAIで塗った奴だ。そりゃ、水瀬さんや、ともさんや、川名ユタカさんや、そけっとさんや、秋酔さん達のようなイラストサイトさん達には勝てっこないけど、一生懸命挑戦したんだ!! 文章系サイトの管理人だって。絵に挑戦したいことだってある!だよね、アワモさん!」
力説するボス。
「うわー可愛い。悪めぐみやコーラめぐみ、ベイスタめぐみ。全部欲しい~。」
絵に見入る結城。
ボスはこの隙にフルネルソンから脱出。
「・・・千種!」
「だって~どれもこれも可愛いんだもん!ボスのと違って。」
「・・・う、うるさいわっ!こ、これならどうだっ!」
ボスは渾身の仕上げの塗り絵を二人に突き出した。
「!へえ、前のよりはいいじゃない。」
「めぐみかわいい。」
「当然よ。モデルがいいんだから。」
「・・・」
「ま、がんばったんじゃない?・・・もしかしてこの扉って、イラスト用に隠れて作業する部屋ってことね。」
「・・・そうだ。絵には自信がないんだ。」
「だからわざわざSSに混ぜるんだ。しかも、このSS・・・思いつきで書いたでしょう?」
「・・・正解。」
「まったく、計画性がないんだから。無駄な時間を使ったわ~。千種いこ、お風呂入りにいかなっくちゃ。」
「うん、そうだね。ボス、可愛いめぐみありがとう。私も今度挑戦してみよ~っと。」
バタン。
「・・・みつかってしまうとは思わなかったよ・・・さあ、SAIをつかいこなさくては・・・」
ボスの挑戦はまだまだ続くようです。
(終)
ということで、SS仕立てにしてみました。
正直塗るのに、SS10数本書ける時間を費やしてます。
それでもこの程度の出来・・・
素直にSS書けよ・・・と思った私でした。
本当に『挑戦』でしたね。
ですが、これは終わりじゃないです。
またイラスト系には挑戦しますので(笑)
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コメント
素晴しい挑戦です!
いや、上手ですよ!ほんとに!すごい上達してます!
背景つけたのも良いですね!
NEW WINDのイメージカラーのスカイブルーが綺麗にマッチしてると思います!
此処で言うのもアレなんですけど、第二弾どうしようか迷ってましたが、ここまでNさんに頑張ってもらえたので、やろうと思います。
もちろんあの娘で!
いや、上手ですよ!ほんとに!すごい上達してます!
背景つけたのも良いですね!
NEW WINDのイメージカラーのスカイブルーが綺麗にマッチしてると思います!
此処で言うのもアレなんですけど、第二弾どうしようか迷ってましたが、ここまでNさんに頑張ってもらえたので、やろうと思います。
もちろんあの娘で!
(=゚ω゚)ノプチストーリー
それから小一時間後、誰もおらんはずの『開かずの間』に小さく明りが灯っていたの。
しっこのついででしょうか、N社長が『開かずの間』の前を通りかかり、それに気付いたンよぉ。
恐る×2、ドアを小さく開けて覗いた社長の見たものは・・・N社長の塗絵をニコニコ顔で見つめる武藤の姿だったのさ、そうなのさ。
このとき社長は気付かなかったけどね、武藤は小さく呟いていたの・・・・
武藤「ありがと・・・頑張ったんだね、社長」
♪テレて言えなかった言葉が 次々と幸せ連れてくる~(I'm so happy/Janne Da Arc)
sai塗り乙っすw
武藤も開かずの間にて喜んでることでしょう~
それから小一時間後、誰もおらんはずの『開かずの間』に小さく明りが灯っていたの。
しっこのついででしょうか、N社長が『開かずの間』の前を通りかかり、それに気付いたンよぉ。
恐る×2、ドアを小さく開けて覗いた社長の見たものは・・・N社長の塗絵をニコニコ顔で見つめる武藤の姿だったのさ、そうなのさ。
このとき社長は気付かなかったけどね、武藤は小さく呟いていたの・・・・
武藤「ありがと・・・頑張ったんだね、社長」
♪テレて言えなかった言葉が 次々と幸せ連れてくる~(I'm so happy/Janne Da Arc)
sai塗り乙っすw
武藤も開かずの間にて喜んでることでしょう~
posted by 秋酔at 2007/10/04 01:00 [ コメントを修正する ]
>アワモさん
そうですよね~。
私はしばらくSAIを使ってみます。
>GUYさん
ありがとうございます。
でもまだまだ色ムラが(苦笑)
この背景を染めた段階で、SSを思いついたんですよ(笑)
第2弾お待ちしてます。
>秋酔さん
ナイスなプチストーリーありがとうございます(笑)
ひとまず今のレベルではコレが限度です。
もうちょい慣らします。
水彩ライトよりも、SAIのほうが使いやすかったです。
そうですよね~。
私はしばらくSAIを使ってみます。
>GUYさん
ありがとうございます。
でもまだまだ色ムラが(苦笑)
この背景を染めた段階で、SSを思いついたんですよ(笑)
第2弾お待ちしてます。
>秋酔さん
ナイスなプチストーリーありがとうございます(笑)
ひとまず今のレベルではコレが限度です。
もうちょい慣らします。
水彩ライトよりも、SAIのほうが使いやすかったです。
posted by Nat 2007/10/04 18:07 [ コメントを修正する ]
ちょwwww
目の描き方は基本的に、
他の方を真似すると良いですよ。
ボクは色入れるのは下手なもんで参加出来かねていますけど(^^;
目の描き方は基本的に、
他の方を真似すると良いですよ。
ボクは色入れるのは下手なもんで参加出来かねていますけど(^^;
あはは…真似したいけどね。
デキナカッタンデスヨ。
色の重ねかたや艶などがサッパリ。
SAIが使い易いのはわかりましたのでこれから慣れていきます。
ま、上手くはないけど魂だけは込めましたんで。
アドバイスありがとうございます。
デキナカッタンデスヨ。
色の重ねかたや艶などがサッパリ。
SAIが使い易いのはわかりましたのでこれから慣れていきます。
ま、上手くはないけど魂だけは込めましたんで。
アドバイスありがとうございます。
posted by Nat 2007/10/05 00:34 [ コメントを修正する ]
ちょ、「挑戦」ってそういう意味だったんですか(笑)。
ツールを変えて頑張る社長に惚れ惚れです。うちもまだフルカラーは練習し始めたばかりなので(影のつけ方とかツールの使い方とかわからないことだらけ orz)、共に頑張りましょう♪
ツールを変えて頑張る社長に惚れ惚れです。うちもまだフルカラーは練習し始めたばかりなので(影のつけ方とかツールの使い方とかわからないことだらけ orz)、共に頑張りましょう♪
>オーサカさん
普通にアップしてもつまらないので、SS仕立てにしてみました。
あかずの間のアイディアは、書いてる途中で思いついたので、前半との整合性がとれてません(笑)
なにしろ「展開を考えないで書き始める」人なので(苦笑)
ぜひぜひ挑戦してみてくださいね。
>水瀬さん
はい、そういう意味です。
もちろん、武藤&結城が勇気を出して挑戦するというのもタイトルの意味ではありますが、形式を問わないのが「30のお題+3」のいいところですので。
絵のほうも少しはなんとかしたいと思っているので、SS創作時間を削って練習してます。
フルカラー頑張りましょうね。
(・・一番頑張らないといけないのは私ですが。)
普通にアップしてもつまらないので、SS仕立てにしてみました。
あかずの間のアイディアは、書いてる途中で思いついたので、前半との整合性がとれてません(笑)
なにしろ「展開を考えないで書き始める」人なので(苦笑)
ぜひぜひ挑戦してみてくださいね。
>水瀬さん
はい、そういう意味です。
もちろん、武藤&結城が勇気を出して挑戦するというのもタイトルの意味ではありますが、形式を問わないのが「30のお題+3」のいいところですので。
絵のほうも少しはなんとかしたいと思っているので、SS創作時間を削って練習してます。
フルカラー頑張りましょうね。
(・・一番頑張らないといけないのは私ですが。)
posted by Nat 2007/10/05 11:00 [ コメントを修正する ]
なれないソフトで描くのも色鉛筆で書くのも
参加することに意義があるんです!
おいらはとことんアナログで行くつもりです(笑)