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”お嬢様” その54
NEW WIND社長 風間 新 手記より。


※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
 ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
 それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。

 6年目5月 旗揚げ6年目に突入した興行も大成功。
全ての会場で札止めをだし、連続札止め記録を40へと伸ばしていた。

「会場が埋まるのはありがたいけど、マッチメイクに悩むんだよなあ・・・」
 私は一人呟く。
 
 まず6期生のハイブリットを当てる手頃な選手がいないのが大きな悩み。
 南とタッグを組むときはいいけど、それ以外でシングルで使うとすると本当に相手がいない。
 一期上の5期生吉田との差がありすぎる。
毎年の事とはいえ、1年で想像以上に成長してしまうものだ。
 そう特に厳選人材しか入団を許さないNEW WINDでは・・・ね。
1年で他団体のトップに肉薄もしくは、トップを凌駕するだけの実力を身につけてしまうのだから、後輩がデビューする頃にはとんでもない差がついてしまうのだ。
 
 それでも南とのタッグで話題が作れるので助かるが。

 一期生の実力差もマッチメイク上では頭痛の種。
南と伊達はまだトップ戦線に踏みとどまっているし、それぞれハイブリットとの姉妹タッグや、永沢との師弟コンビがあるので困らない。

 だが、マッキー&ラッキーと氷室は完全に主軸から外れてしまっている。
 実力の世界だから仕方がないことかもしれないが・・・彼女たちをデビューする前から知っている私としては複雑な思いだ。

 マッキー&ラッキーはジューシーペアとして休憩前後で外国人チームと対戦したり、後輩タッグ(永沢&吉田)の壁になったりしている。
 一時期はタッグ戦線でも主軸だったのに。  
氷室は一期生で・・・というか新人のハイブリットを除くNEW WIND所属選手で唯一ベルトを巻いた事がない。
 
 彼女に言わせると「それも運命です。」との事だが・・・ 

 氷室の実力は1期生ではNo3あたり・・・団体ではトップ6の下あたりになるかな。
 前は隠れた実力者というポジションだったのだが・・・今では隠れるというよりも埋もれてしまっている。
 
 氷室にはベルトを巻かせてあげたいのだが・・・
ファンクラブの人数と応援の熱さと暑苦しさ(※)ではダントツの王者なんだけどな。
 (※ファンクラブの構成バランスで一番男性比率が高い)

 確かに私から見ても可愛いと思うけどね。

 今タイトル戦への目が厳しくて、ある程度の実力差があると思われるカードは組めないのだ。
 
 すぐに管理団体から返上しろって命令がくるからね。
シングルではトップ6+カオスぐらいしか認めてもらえないだろう。
 タッグなら可能性もあるけど、パートナーがいない。
イザベラとのタッグでは実力不足だしなあ。
 
「社長、氷室に映画出演のオファーが来てますが。」
秘書の井上さんの声がする。
「どんなのだろう?」
 私は企画書に目を通した。
「・・・あってるけど、本人がやるっていうかが問題だな。」

 女子プロレスを題材にした映画で、人気絶頂のお嬢様アイドルがプロレスデビューする事になったという話だ。
 ”女子プロお嬢様伝説 ユイナ”
主演は人気アイドルの神楽坂ユイナ。
 ま、この子が主演ならコメディぽくなるだろうけど。
氷室の役回りは・・・普段は人気カリスマ占い師、そして夜になるとリングに上がる神秘のお嬢様チャンピオンレスラー氷室紫月役。

 氷室なら・・・お嬢様ぽく見えるし、それに映画の中とはいえベルトを巻くシーンもあるそうだ。
 
 氷室にベルトを巻かせてやりたい・・・私は氷室を呼び、映画のオファーの話を提示した。
「これも運命なんですね。」
 氷室はそういって台本を受け取り、台本をめくる。
台本をめくっていた彼女のおよそプロレスラーらしからぬしなやかな指がふと動きを止める。
「・・・ベルト・・・巻けるんだ・・・」
 彼女の呟きがちょっと嬉しそうだったのを聞いて私は・・・彼女の本当の気持ちを理解した。
 いつも運命という言葉でごまかされてしまってるけど、本当は彼女だってベルトを巻きたいに決まっているんだ。 
 初めて氷室の心を理解できた私は・・・なんだかはじめて告白された男子学生のような気持ちになっていた。
「氷室・・・受けるか?」
「はい。これも運命ですから。」

 氷室の映画出演はこうして決定。 

 なおスポンサーが市ヶ谷財閥なので、あのビューティ市ヶ谷(フリー)もお嬢様トップヒールとして登場予定らしい。

 ある意味まんま・・・だな。
みことにも同映画への出演依頼が来ていたが同時期に二人は出せないという事でお断りさせていただいた。
 役柄も氷室の方が圧倒的に出番が多いしね。

 氷室の映画出演を聞いて他のメンバーは・・・
「かーアタシにはオファーなかったのかよ。 ぴったりじゃねえか。」
「・・・マッキー先輩のどこがお嬢様なんですか。」
「なんだとこらあ、武藤のクセにナマイキだぞ!」

 またはじまったよ。
「二人ともお嬢様役は無理ね。他にうちで受けられそうなのは・・・遥かな。」
「えっ・・・私・・・?」
 南の言葉に伊達が恥ずかしそうにうつむく。
「この映画は第2弾も作る予定はあるそうだし、頑張ってれば話くるかもしれないぞ。」
 と私が言うと、映画出演に憧れる面々は目が輝いていた。
・・・スマン・・・お前達の映画出演のチャンスは私が・・・ほとんど握りつぶしているんだ・・・団体を優先させるために・・・ 
 
「マッキー先輩ならぴったりの役ありますよ。」
「へーそうかな。」
「”アマゾネス”とか。”ゴリラ”とかね。」
「おーイメージぴったりかもなあ・・・って武藤このやろ!」
 逃げる武藤に追うマッキー。
 
 このやりとりで道場は笑い声に包まれた。
   
   
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2006/11/21 01:44 | Comments(0) | NEW WIND編

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