NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
”春といえば新人です。”
というわけで恒例の新人テスト。
スカウトからは今年も“逸材なし”の報告。
そしてその報告通りテストに来る人間も全然駄目だ。
「うーん今年は新人なしかなあ」
私は頭をガシガシと掻きながらため息をつく。
新人なしも困るのだが、レベルを下げるのはまだ早い。
「いよいよ最後の一人ですね。昨年もそうでしたけど、今年も最後にいい子がいることを信じましょう。すべては神のお導きですよ。」とみこと。
神のお導きか・・・。
そういえば氷室はどうしてるかな。
氷室だったらここで“運命です”というところなのだろうけどね。
さてその最後の一人98番の子が入ってきた。
ふりふりの服を着たちょっとぼーっとした感じの子だ。
とてもプロレスラー志望には見えない。
(ありゃ・・・こりゃだめだな・・・)というのが私の感想。
「えーとお名前は?」
手元の資料には97番までしか資料はない。
98番である彼女は飛び入り参加なのだろう。
「うんと・・・なぎさ。」
「なぎささんですね。じゃあテストしてみましょうか。」
間。
「テスト・・・ってなに?」
なんだ・・・この子?
「えっ・・・!?」
「風船追っていたら此処についた・・・から。」
はあ?
「・・・・」
こりゃまいった・・・理解できん。
私はキョロキョロと見回す・・・誰かいないか・・・
「永沢、話を聞いてあげて。」
「はい!」
なんとなく適任ぽいと思って永沢を起用する。
間。
「えーと白石なぎさ15歳。今日は親戚のうちに来ていて町で風船を見かけたので、それを追っかけていたら此処にきたと言っています。」
すげえ・・・永沢。よくわかったな。
「なるほど。で、なんでテストを?」
「風船を追っていたら、私のポスターが張ってあって、それを見たと。」
確かに今年の募集のポスターは永沢を起用。
コスチューム姿の永沢の周りに”たくさんの風船”を浮かべて、永沢がその一つを持っている写真だったな。
“一緒に夢を掴もう! NEW WIND10期生オーディション”
って書いてあるはず。
「ここに入れば”風船いっぱいもらえるのか”と思ったと。」
「・・・なるほど。はあ・・・」
私はがっくりした。
聞いたことがないぞ、風船に釣られてテスト受ける奴なんて。
永沢のポスターは失敗だったのかなあ・・・
「風船ならまだ在庫あるから、テスト終わったらあげる。」
永沢が子供をあやすようにいう。
「ホント?」
なぎさはにこにことしている。
うーん、氷室よりも遥かに不思議ちゃんだわ・・・最近こういう子が人気らしいけどなあ・・・
「じゃあ受けるといっていますよ、社長。」
永沢・・・お前すごいな。
「わかった。じゃあやってもらおうかな。」
「風船♪」
私はまったく期待していなかった。
いや本当に嘘偽りは言わない。だって、どう見たってうちのメニューをこなせるようには見えなかったんだから。
それは他の審査員たちも同じ印象だったらしい。
ところがだ。
このなぎさという少女はスピードを要求されるテストはイマイチだけど、筋力を要求されるテストはらくらくとこなすんだなあこれが。
「な・・・っ」
皆で口アングリ。
人は見かけによらないというけど、よらなすぎだよ。
総合すると合格ラインを楽々と突破している。
「相羽、正直去年のお前より上だぞ、この点数。」
私は雑用の為にそばに控えていた相羽をからかうように言う。
「いっ・・・」
実際相羽は過去最低点数での入団だからねえ。
「テ、テストの点で決まるわけじゃありませんから!あははは・・・」
相羽、抜かれるなよ。
「合格だけど・・・本人はプロレスわかっているのかな・・・」
それが心配だったがその後、ご両親の許可を得て、白石なぎさは晴れて10期生として採用される事になる。
「永沢と相羽、世話してやってくれ。」
「はい。」
「ボ、ボクですか!大丈夫かなあ・・・」
白石なぎさは相羽の第2のライバルとなるか。
「風船♪」
ってなぎさはこれだよ。
それにしてもこりゃ消耗品として風船を大量に購入するはめになるな。
※経 理 処 理※
借方 消耗品 ¥100,000- 貸方 現金¥100,000ー
ともかく10期生は 白石なぎさ 1名だけだけど決定。
さてと、ここで問題が発生する。
寮が余ってしまったのだ。
昨年も一部屋余っていたけど、今年の新人を二人採用する予定だったから埋まるはずだったんだよね。
現在16人の定員に対し、15名が在籍。
今年は新人は”なぎさだけ”だから欠員のままになるし、今年は1期2期のメンバーも何人か引退を考えているだろう。あるいは全員引退する可能性だってある。
このままだと最悪の場合所属選手が大幅減という非常事態もありえる。
そこでだ。
我々NEW WINDの宿舎の空き枠を使って、インディーの選手に対し“ハッピー枠”として提供しようと思う。
参戦期限はこちらで判断させてもらうけど、NEW WINDのリングを体験できるのは大きいのではないだろうか。
フリー参戦という形でもいいのだけど、折角だから部屋も提供し、準所属扱いで寮にも入ってもらおう。もちろん道場も提供させていただく。
こういうと上から見て言っているようだけど、女子プロレスの活性化につながればいいなと思う。
うちで得た経験を自団体に戻って活かしてもらえたら幸いだ。
もちろん契約金やファイトマネーも実力に応じて支給します。
実はすでにインディーの統括をする別会社“ハッピープロジェクト”を発足し、幾つかのインディ団体及び、女子フリー選手に加盟して頂いている。
NEW WINDとしても地域人気に密接に関わってくるだけに、このプロジェクトは必ず成果を挙げねばならない。
そしてそのハッピー枠第1号として、白石なぎさと同じ日に入寮してきたのは”富沢レイ”。
千葉を本拠とする幕張女子プロレスのエースだ。
ハッピープロジェクトの代表からの強い推しで入寮してきた富沢くんがどこまでやってくれるかなあ。
このハッピー枠の発表は賛否両論。
「NEW WINDのレベルを下げるな」という意見もあれば、「いい決断だ。」という声もある。
このハッピー枠の第1号の富沢レイは世代的にはカンナ&みことと同じ2期生となる。
正直ピークは過ぎているけど、長年にわたりインディ団体を引っ張ってきた実績を持っている。
副業のコスプレイヤーとしての評価が高いような気もするのだが、彼女の魅せるコスチューム、長い手足を生かした打撃・関節には学ぶところもあるだろう。
「なぎさちゃんのコスチュームは私がデザインしてあげる。」
とお姉さんきどり。
「ふわふわがいいの。」
となぎさ。
「OKふわふわね。お姉さんに任せなさい!」
そして出来上がったコスチュームは水色を基本としたふわふわのひらひら。
シンプルな中にもなぎさの良さを出した、可憐さを出した一品。
「いい仕事していますねえ・・・」
これ思わず口走った私のセリフ。
「でしょ?自信あるのよ。なんならNEW WINDのデザイナーやってあげてもいいけど?」
うーんこの子はレスラーとして契約すべきではなかったのかも。
なぎさのこのコスチュームならこのまま女子プロお嬢様伝説ユイナに出れそうだよねえ。
さてこの二人を加えたNEW WINDの10年目はどんなことになるやら・・・
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コメント
なるほど・・・
こういう展開ですかw
posted by オーサカURLat 2007/01/27 22:48 [ コメントを修正する ]
はい、こういう展開です。
正規では素質足らないけど、これなら・・・
それに千葉の人気が薄かった。。。(苦笑)
レイの性格はラ=ピュセル版を参考にしてます。
正規では素質足らないけど、これなら・・・
それに千葉の人気が薄かった。。。(苦笑)
レイの性格はラ=ピュセル版を参考にしてます。
posted by Nat 2007/01/27 23:37 [ コメントを修正する ]
こんばんは、MCです。
風船の大量購入お疲れ様です。
年度を越しても風船が余ったら棚卸が必要に・・・って経理屋の話をしつつ;
ハッピー枠は面白そうですね。レイさんがこれからどれだけ楽しませてくれるか期待しちゃってます。
追伸
当方からもリンクを貼らせていただいちゃいました~
風船の大量購入お疲れ様です。
年度を越しても風船が余ったら棚卸が必要に・・・って経理屋の話をしつつ;
ハッピー枠は面白そうですね。レイさんがこれからどれだけ楽しませてくれるか期待しちゃってます。
追伸
当方からもリンクを貼らせていただいちゃいました~
posted by MCat 2007/01/28 23:54 [ コメントを修正する ]