NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
◇7年目8月◇
ハイブリット南はまだまだのレスラーだ。
ジューシーペアの二人にシングルで連敗。
姉・南利美と組んでジューシーペアと対戦したが、これもハイブリットが沈められてしまった。
シングルでもタッグでも、ハイブリット南にとってはジューシーペア超えがまず当面の目標だろう。
ハイブリットがシングルのベルト争いに加わるようになる事を私は期待している。
姉・南利美の方は伊達のWWCA王座に挑戦。
前回の対決で実力差を感じていた南にとって、今回の対決にどれほどの勝算があったのだろうか。
「21分20秒 シャイニングフェニックスからの体固めで勝者、伊達遥!」
伊達3回目の防衛に成功。
正直な話、シャイニングフェニックスを出すまでもなく終わっていた試合だった。
南のパフォーマンスは思った以上に落ちていて、打撃などはかなり軽くなっていた。
あの軽さでは伊達は止められない。
逆に伊達の重い打撃で南は動きを止められてしまっていた。
関節の切れなどは衰えてはいないのだが、防御に反応する速度などがやはり衰えを隠せない。
この先南がメインを張るのは無理だろう・・・
私はマッチメイカーとしては的確な判断、心情的には苦渋の決断をせざるをえなくなった。
これで一期生でメインに起用できるのは伊達一人。
時の流れというものは楽しみでもあり、苦しみでもある。
新世代の旗手ともいえる4期永沢がクリス・モーガンの持つIWWF王座へ挑戦。
だが、惜しいところまで追い詰めながらモーガンのジャンピングネックブリーカで撃沈。
成長は感じたんだがな・・・
◇7年目9月◇
△氷室(30分時間切れ引き分け)ハイブリット△
×氷室(17分24秒 テキーラサンライズ)永沢○
×マッキー(13分41秒 プラズマサンダースライド)吉田○
一期生VS新世代は新世代が一期生を上回りはじめた。
そしてさらに、衝撃的な事件が起きる。
「すっごいのいきまーす!!」
永沢の必殺技テキーラサンライズが南に決まる。
「返せ~~!!南~~!!!」
ファンからの声援が飛ぶが、南はまったく動かない。
そして・・・カウント3が入った。
「21分54秒 テキーラサンライズにより勝者永沢舞!!」
南まで陥落・・・永沢の成長恐るべし。
嬉しいような寂しいような複雑な気分になってしまったが、経営者としては新世代の息吹は絶対必要なので歓迎すべきなんだろうな。
永沢の成長と南の衰え。
これが交わり、永沢の成長が上回る日が来るのはわかっていたけど・・・
なお伊達もみことにシングルで破れ、1期生は今月壊滅状態。
最終戦のメインはEWAヘビー選手権で、王者結城VS挑戦者カンナ。
結城が粘るカンナを下し3度目の防衛に成功している。
今のNEW WINDは節目を迎えているのかもしれない。
◇一期生との懇談会◇
「皆強くなってきちまったな。アタシたちは喜んでいいのか悪いのか複雑だぜ。」
「先輩としてみるなら、成長は喜ばしいですよね。でも・・・1レスラーとしては悔しいかな。」
多分この言葉が全てを表現しているだろう。
1期生ではもっとも落ちこぼれたラッキー内田。
彼女の素質からすれば伸ばしきれなかった気がする。
「でも、これも運命。」
「かーっ!またそれかよ紫月は。」
マッキーは右手で頭をボリボと掻く。
「でも・・・紫月がいうのも間違ってないわ。」
「南さん・・・」
「私達は先に生まれて、先にデビューした。これがそもそもの運命だと思うしね。」
「そう・・・なのかな?」
伊達が口を挟む。
「遥はまだトップスターレスラーだし、わかんないんじゃないの?」
「そんなこと・・・ない。私・・・だって後輩に負けてるから・・・」
「負けてるっていってもカンナ・みこと・武藤・結城だろ?」
「あの子たちは素質が抜けているからね。」
「ちょっと、それは関係ないと思うわ。それは負け惜しみというのよ、佐知子。それに蒔絵もだけど。」
南がジューシーペアをたしなめる。
ラッキー内田は本名”内田佐知子”、マッキー上戸の本名は”上戸蒔絵”だ。
「でもよーあいつらおかしいって。」
「そうよね。成長のスピードが異常なんだもん。」
「彼女たちの才能も運命です。」
氷室は場の空気に関係ないマイペース発言。
あるいみ貴重な存在だと思う。
「あの子たちはみことを除いて天才だと思う。だけどそれが何?才能で劣るなら努力で補いなさい。それを妬むなんて情けないわ。」
「みことは努力の人。」
さりげなくフォローする氷室。
「まだ貴方たちには能力をキープする時間はある。工夫する時間もあるわ。そんなことを言うのなら、私にその1年を頂戴!!」
「南・・・さん・・・」
ジューシーペアは呆然として南を見る。
「私は・・・努力をしてももうキープすることすら出来ない・・・んだからね。」
「ごめん・・・南さん。」
「そうよね・・・諦めたら終わりだもんね。」
「南さん、まだ出来るから・・・大丈夫。」
伊達が寂しそうにいう。
「遥、貴方慰めがヘタね。そんな顔して言われたら悲しいだけじゃない。もっと笑っていってよね。」
「ご、ごめんなさい・・・」
「はっは、南さん、まだトップじゃん。」
マッキーは笑う。
「?」
「これだけアタシたちに。そして後輩たちにいえる人はいないよ。南さんは存在感でトップだと思う。」
「そうよ、南さんはまだ必要な人。かってに辞めないでよ。」
「南さんの存在も運命ですね。」
「・・・何いってんの、レスラーが存在感だけあっても仕方ないじゃない。」
「いいやそんな事はないぞ。」
ようやく口を挟むことができた。
「お、社長いたんだっけな。」
「忘れてたねマッキー。」
「・・・南、人はね、誰かの太陽になれるもんなんだよ。」
「太陽?」
「そう。南の存在が誰かを支えている事もあるし、逆に別の人間の存在が南を支えているかもしれない。そういうものさ。」
「ふーん。よくわからないけどわかったような気がするぜ。」
「ま、確かに私達はライバル・仲間・後輩・お客様・スタッフに支えられているし、その逆でもあるし。」
「それも運命です。」
「ま、ともかくだ、お前らもまだまだ元気だって事見せてやってくれよな。私としては新世代の成長は嬉しいけど、一期生が寂しそうに試合なんかしてたら悲しいんだからな。」
「あら、私たちも社長の太陽なのね?」
「へっへ悪くないなその響き。」
「太陽の女神、ラッキー内田。」
「氷室・紫月。」
「紫月、お前は月の女神なんじゃねえの?どっちかといえばさ。」
「私も・・・太陽なの?」
こうして一期生5人衆は明るさを取り戻してくれたわけだ。
「ええ~い、うるさいぞ!静かにせんかい!!」
元気がないと鬱陶しいけど、元気ありすぎるのも困る。
”誰でも誰かの太陽になれる。”
私もそうなのかな・・・
↓励みになります。メッセージ、ご感想などお待ちしてます。
太陽がいっぱい=徳永英明さんの1997年発売のアルバム「bless」に収録されています。 今回のイメージソングです。
ハイブリット南はまだまだのレスラーだ。
ジューシーペアの二人にシングルで連敗。
姉・南利美と組んでジューシーペアと対戦したが、これもハイブリットが沈められてしまった。
シングルでもタッグでも、ハイブリット南にとってはジューシーペア超えがまず当面の目標だろう。
ハイブリットがシングルのベルト争いに加わるようになる事を私は期待している。
姉・南利美の方は伊達のWWCA王座に挑戦。
前回の対決で実力差を感じていた南にとって、今回の対決にどれほどの勝算があったのだろうか。
「21分20秒 シャイニングフェニックスからの体固めで勝者、伊達遥!」
伊達3回目の防衛に成功。
正直な話、シャイニングフェニックスを出すまでもなく終わっていた試合だった。
南のパフォーマンスは思った以上に落ちていて、打撃などはかなり軽くなっていた。
あの軽さでは伊達は止められない。
逆に伊達の重い打撃で南は動きを止められてしまっていた。
関節の切れなどは衰えてはいないのだが、防御に反応する速度などがやはり衰えを隠せない。
この先南がメインを張るのは無理だろう・・・
私はマッチメイカーとしては的確な判断、心情的には苦渋の決断をせざるをえなくなった。
これで一期生でメインに起用できるのは伊達一人。
時の流れというものは楽しみでもあり、苦しみでもある。
新世代の旗手ともいえる4期永沢がクリス・モーガンの持つIWWF王座へ挑戦。
だが、惜しいところまで追い詰めながらモーガンのジャンピングネックブリーカで撃沈。
成長は感じたんだがな・・・
◇7年目9月◇
△氷室(30分時間切れ引き分け)ハイブリット△
×氷室(17分24秒 テキーラサンライズ)永沢○
×マッキー(13分41秒 プラズマサンダースライド)吉田○
一期生VS新世代は新世代が一期生を上回りはじめた。
そしてさらに、衝撃的な事件が起きる。
「すっごいのいきまーす!!」
永沢の必殺技テキーラサンライズが南に決まる。
「返せ~~!!南~~!!!」
ファンからの声援が飛ぶが、南はまったく動かない。
そして・・・カウント3が入った。
「21分54秒 テキーラサンライズにより勝者永沢舞!!」
南まで陥落・・・永沢の成長恐るべし。
嬉しいような寂しいような複雑な気分になってしまったが、経営者としては新世代の息吹は絶対必要なので歓迎すべきなんだろうな。
永沢の成長と南の衰え。
これが交わり、永沢の成長が上回る日が来るのはわかっていたけど・・・
なお伊達もみことにシングルで破れ、1期生は今月壊滅状態。
最終戦のメインはEWAヘビー選手権で、王者結城VS挑戦者カンナ。
結城が粘るカンナを下し3度目の防衛に成功している。
今のNEW WINDは節目を迎えているのかもしれない。
◇一期生との懇談会◇
「皆強くなってきちまったな。アタシたちは喜んでいいのか悪いのか複雑だぜ。」
「先輩としてみるなら、成長は喜ばしいですよね。でも・・・1レスラーとしては悔しいかな。」
多分この言葉が全てを表現しているだろう。
1期生ではもっとも落ちこぼれたラッキー内田。
彼女の素質からすれば伸ばしきれなかった気がする。
「でも、これも運命。」
「かーっ!またそれかよ紫月は。」
マッキーは右手で頭をボリボと掻く。
「でも・・・紫月がいうのも間違ってないわ。」
「南さん・・・」
「私達は先に生まれて、先にデビューした。これがそもそもの運命だと思うしね。」
「そう・・・なのかな?」
伊達が口を挟む。
「遥はまだトップスターレスラーだし、わかんないんじゃないの?」
「そんなこと・・・ない。私・・・だって後輩に負けてるから・・・」
「負けてるっていってもカンナ・みこと・武藤・結城だろ?」
「あの子たちは素質が抜けているからね。」
「ちょっと、それは関係ないと思うわ。それは負け惜しみというのよ、佐知子。それに蒔絵もだけど。」
南がジューシーペアをたしなめる。
ラッキー内田は本名”内田佐知子”、マッキー上戸の本名は”上戸蒔絵”だ。
「でもよーあいつらおかしいって。」
「そうよね。成長のスピードが異常なんだもん。」
「彼女たちの才能も運命です。」
氷室は場の空気に関係ないマイペース発言。
あるいみ貴重な存在だと思う。
「あの子たちはみことを除いて天才だと思う。だけどそれが何?才能で劣るなら努力で補いなさい。それを妬むなんて情けないわ。」
「みことは努力の人。」
さりげなくフォローする氷室。
「まだ貴方たちには能力をキープする時間はある。工夫する時間もあるわ。そんなことを言うのなら、私にその1年を頂戴!!」
「南・・・さん・・・」
ジューシーペアは呆然として南を見る。
「私は・・・努力をしてももうキープすることすら出来ない・・・んだからね。」
「ごめん・・・南さん。」
「そうよね・・・諦めたら終わりだもんね。」
「南さん、まだ出来るから・・・大丈夫。」
伊達が寂しそうにいう。
「遥、貴方慰めがヘタね。そんな顔して言われたら悲しいだけじゃない。もっと笑っていってよね。」
「ご、ごめんなさい・・・」
「はっは、南さん、まだトップじゃん。」
マッキーは笑う。
「?」
「これだけアタシたちに。そして後輩たちにいえる人はいないよ。南さんは存在感でトップだと思う。」
「そうよ、南さんはまだ必要な人。かってに辞めないでよ。」
「南さんの存在も運命ですね。」
「・・・何いってんの、レスラーが存在感だけあっても仕方ないじゃない。」
「いいやそんな事はないぞ。」
ようやく口を挟むことができた。
「お、社長いたんだっけな。」
「忘れてたねマッキー。」
「・・・南、人はね、誰かの太陽になれるもんなんだよ。」
「太陽?」
「そう。南の存在が誰かを支えている事もあるし、逆に別の人間の存在が南を支えているかもしれない。そういうものさ。」
「ふーん。よくわからないけどわかったような気がするぜ。」
「ま、確かに私達はライバル・仲間・後輩・お客様・スタッフに支えられているし、その逆でもあるし。」
「それも運命です。」
「ま、ともかくだ、お前らもまだまだ元気だって事見せてやってくれよな。私としては新世代の成長は嬉しいけど、一期生が寂しそうに試合なんかしてたら悲しいんだからな。」
「あら、私たちも社長の太陽なのね?」
「へっへ悪くないなその響き。」
「太陽の女神、ラッキー内田。」
「氷室・紫月。」
「紫月、お前は月の女神なんじゃねえの?どっちかといえばさ。」
「私も・・・太陽なの?」
こうして一期生5人衆は明るさを取り戻してくれたわけだ。
「ええ~い、うるさいぞ!静かにせんかい!!」
元気がないと鬱陶しいけど、元気ありすぎるのも困る。
”誰でも誰かの太陽になれる。”
私もそうなのかな・・・
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太陽がいっぱい=徳永英明さんの1997年発売のアルバム「bless」に収録されています。 今回のイメージソングです。
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