NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
◇5年目2月◇
クリスマスケーキがあったせいか、2月が近づくと『バレンタインイベントは?』と団体内外から聞かれる事が多くなった。
私は「修行不足だから・・・」という理由でイベント開催を断念。
ちょっと怖いからね・・・
さて今月は4大タイトルマッチを開催しようと思っている。
現在うちの団体にあるベルトは以下の通り。
1:AACタッグ
2:EWAタッグ
3:EWAヘビー
4:WWCAJr
5:WWCAタッグ
6:WWCAヘビー
と6本あるので、タイトル戦には不足しない。
だがベルトの価値という面では選手それぞれの思い入れで違うらしい。
団体レベルで言えば WWCA>>EWA>AACだと思うんだが、うちのリングではAACタッグの方が選手の間で価値が高いようだ。
”NEW WIND2月興行 情熱の風” 概要
☆WWCAJrヘビー級選手権試合
吉田龍子 VS ダイナマイト・リン
☆EWAタッグ選手権試合
武藤めぐみ&結城千種(νジェネ)VS伊達遥&カンナ神威(サイレントヴォイス)
☆WWCAタッグ選手権試合
伊達遥&永沢舞(師弟コンビ)VSマッキー上戸&ラッキー内田(ジューシーペア)
☆タイトル戦4 EWA認定世界ヘビー級選手権試合
カンナ神威 VS 結城千種
うん、結構面白いカードを提供できたんではないかな。
私が流したリリースの内容を見て満足していると、電話が鳴った。
もちろん電話を受けるのは井上さんのお仕事。
「社長、ガールズ・ゴングのO坂記者よりお電話です。」
「早速取材か・・・熱心だな。」
◇WWCAJr選手権試合◇
第3戦で組まれたこの試合は白熱の攻防戦となるはずだったのだが・・・それは中盤まで。
終盤は王者吉田龍子のパワーショーの様相を呈してきていた。
正直まだ現在の吉田龍子は未完成で、パワー技以外は碌な技を使えない。
「フンッ!」
吉田のプラズマサンダーボム(サンダー龍子からは名称使用許可済)がカンペキに決まった。
リンの反応を見ている限りでは決まりそうだが・・・
ロープが近すぎた。
懸命に足を伸ばしたリンはカウント3ぎりぎりでロープエスケープ。
「このっ!!」
決まったと思われたプラズマサンダーを返された吉田はカッときたようで、即座にもう一度プラズマサンダー!!
だから・・・ロープ近いってばさ。
またもロープに逃げられた吉田は今度こそ!!
とロープを背にしてリング中央へとプラズマサンダー!!
3発目となるこのプラズマサンダー。
だれもが決まったと思ったのだが・・・
なんとリンはカウント2.9で肩を上げた。
「な・・・っ」
完全に決まったと思っただけに吉田は驚きを隠せない。
動揺しているうちにリンがパイルドライバーを狙って吉田の頭を足に挟もうとしていた。
「させるかああ!!」
これは食らってはならないと判断したのだろう。
吉田はリバーススープレックスで切り返し、そのままカバー。
・・・あらら・・・
これで3カウントが入ってしまい、吉田は呆然。
リンは気を失っているようだ。
どうやら3度目のプラズマサンダーボムは意識がない状態で本能で返したらしい。
私にはわからない感覚なのだが、プロレスラーはカウントを取られると意識がなくても肩を上げてしまうらしい。
担がれて退場していくリンに会場から大きな拍手が送られていた。
「・・・くそっ!」
それをリング上から悔しそうに睨みつけている吉田の姿があった。
◇試合後◇
「吉田あ!しょっぱい試合してんじゃねえよ!」
控え室に戻ってきた吉田をマッキーの怒声が出迎える。
「すいませんでした・・・」
「しょっぱすぎるぞ!必殺技を3回も使うな!落ち着いていれば2度目のロープエスケープはなかったし、あれで決まっていたはずだぞ!」
マッキーは同じパワーファイターとして吉田を高く評価している。
だからこそ、このミスは許せないんだろう。
「すいません・・・」
「リングの広さとロープの位置!ちゃんと把握しておけ!!」
「は、はい、ありがとうございます。マッキー先輩。」
◇EWAタッグ選手権試合◇
第5戦で組まれたこの試合は、王者組からの指名でサイレントヴォイスが挑戦。
しかしあの強かったサイレントヴォイスではなかった。
カンナはみこととの同期タッグ”ホワイトスノー”に気持ちが行っていたし、伊達は伊達で永沢との師弟コンビに楽しみを見出しているようだ。
こんなバラバラの二人では抜群の連携を誇るνジェネには勝てるわけもなく、結城主体の合体パワーボムで伊達が沈んだ。
その時カンナはといえば、カットに入らず、控え室へと向かって歩いていた。
「カンナ~~!!そんなプロレスしか出来ないお前なんかに絶対負けないから~!!」
結城のマイクにも反応せず、カンナは控え室へと消えていった。
「もう!なんなの一体。」
カンナはこの頃から確実に他の選手達との距離を置き始める。
パートナーのみこと以外とはあまり絡まなくなり、試合も温かみを感じるスタイルではなく、凄みを・・・ともすれば冷酷さすら感じるような試合運びへと近づいていた。
「・・・カンナは何を目指しているのだろう?」
この頃の私はカンナの真意を測りかねていた。
◇WWCAタッグ選手権試合◇
第7戦で組まれたこのカードは永沢の成長ぶりが発揮される試合となった。
今までの永沢と違い、マッキー&ラッキーと互角の勝負が出来るようになっていて、12月に対戦したときとはまったく違うチームになっていた。
12月は伊達に引っ張られるというか保護されているという感じだったのが、この試合は永沢がその元気さで伊達を引っ張る感じになっている。
最終的にフィニッシュこそ伊達だったものの、試合の中心は永沢だったのは間違いない。
○伊達&永沢(27分29秒 デスバレーボム→片エビ固め)マッキー&ラッキー×
◇試合後◇
「やりました!やりました!」
「まだ・・・まだ。」
「えーっ!!」
「自分で最後とらないと・・・ね。」
「えー!!譲ってあげたんですよ!」
この調子なら永沢がフィニッシュを決めるのもそう遠くはなさそうだけどね。
◇EWA認定世界ヘビー級選手権試合◇
伊達を下し、新王者となったカンナ。
カンナ最強説を証明した形となったわけだが、ここはいきなりの試練。
先月2度クロスフェイスで勝利したとはいえ、結城は負ければ負けるほど強くなってくるタイプ。
3度連続で負かすのは中々大変だと思うが、地力に勝るカンナの勝ちだろうと私は考えていた。
カンナが総合力で上回っているので、手数の多さはカンナ。
だが結城には団体最強・・・いや”国内最強”と言える投げの巧さ、破壊力がある。
カンナの掌底、裏拳などでダメージを受けるも、強力な投げ技1発で形勢逆転できてしまう。
必殺のバックドロップでカンナを追い込み、カンナのエクスプロイダー狙いを切り返しての裏投げで、カンナを沈めてしまった。
「30分4秒、30分4秒、高角度裏投げからの体固めで勝者、結城千種!!」
カンナまさかの敗退。
伊達からベルトを奪取した直後の初防衛戦で後輩の結城千種に敗れる。
世代交代というテーマよりも・・・もはやこれは個人闘争だな。
カンナ・伊達・結城・武藤・みこと・南の6人での個人闘争。
これにカオスが絡む感じだろうな。
氷室・マッキー・ラッキーは成長の限界が見えてきた感じで、本人達もかなりもどかしい思いをしてると思うし、私もそう思っている。
どうしてもうちでは中堅という見方をされてしまうんだけど、彼女達だって他の団体ならエース級の素材のはずなんだが。
寒さを吹き飛ばすような熱い個人闘争。
これがこれからのNEW WINDを引っ張っていってくれると思う。
この上位の闘争に加わってくる新たな戦力を育てられるかどうか。
これは我々の仕事になる。
永沢か、吉田か・・・それとも・・・南のいうあの子か?
あの子はもうすぐ入団してくる予定だけど・・・まだ期待するのは早いかな・・・
まもなく6度目の春がやってくる。
今年もいい春になりそうな気がしているよ。
こちらから管理人に拍手及びメッセージを送ることができます。
クリスマスケーキがあったせいか、2月が近づくと『バレンタインイベントは?』と団体内外から聞かれる事が多くなった。
私は「修行不足だから・・・」という理由でイベント開催を断念。
ちょっと怖いからね・・・
さて今月は4大タイトルマッチを開催しようと思っている。
現在うちの団体にあるベルトは以下の通り。
1:AACタッグ
2:EWAタッグ
3:EWAヘビー
4:WWCAJr
5:WWCAタッグ
6:WWCAヘビー
と6本あるので、タイトル戦には不足しない。
だがベルトの価値という面では選手それぞれの思い入れで違うらしい。
団体レベルで言えば WWCA>>EWA>AACだと思うんだが、うちのリングではAACタッグの方が選手の間で価値が高いようだ。
”NEW WIND2月興行 情熱の風” 概要
☆WWCAJrヘビー級選手権試合
吉田龍子 VS ダイナマイト・リン
☆EWAタッグ選手権試合
武藤めぐみ&結城千種(νジェネ)VS伊達遥&カンナ神威(サイレントヴォイス)
☆WWCAタッグ選手権試合
伊達遥&永沢舞(師弟コンビ)VSマッキー上戸&ラッキー内田(ジューシーペア)
☆タイトル戦4 EWA認定世界ヘビー級選手権試合
カンナ神威 VS 結城千種
うん、結構面白いカードを提供できたんではないかな。
私が流したリリースの内容を見て満足していると、電話が鳴った。
もちろん電話を受けるのは井上さんのお仕事。
「社長、ガールズ・ゴングのO坂記者よりお電話です。」
「早速取材か・・・熱心だな。」
◇WWCAJr選手権試合◇
第3戦で組まれたこの試合は白熱の攻防戦となるはずだったのだが・・・それは中盤まで。
終盤は王者吉田龍子のパワーショーの様相を呈してきていた。
正直まだ現在の吉田龍子は未完成で、パワー技以外は碌な技を使えない。
「フンッ!」
吉田のプラズマサンダーボム(サンダー龍子からは名称使用許可済)がカンペキに決まった。
リンの反応を見ている限りでは決まりそうだが・・・
ロープが近すぎた。
懸命に足を伸ばしたリンはカウント3ぎりぎりでロープエスケープ。
「このっ!!」
決まったと思われたプラズマサンダーを返された吉田はカッときたようで、即座にもう一度プラズマサンダー!!
だから・・・ロープ近いってばさ。
またもロープに逃げられた吉田は今度こそ!!
とロープを背にしてリング中央へとプラズマサンダー!!
3発目となるこのプラズマサンダー。
だれもが決まったと思ったのだが・・・
なんとリンはカウント2.9で肩を上げた。
「な・・・っ」
完全に決まったと思っただけに吉田は驚きを隠せない。
動揺しているうちにリンがパイルドライバーを狙って吉田の頭を足に挟もうとしていた。
「させるかああ!!」
これは食らってはならないと判断したのだろう。
吉田はリバーススープレックスで切り返し、そのままカバー。
・・・あらら・・・
これで3カウントが入ってしまい、吉田は呆然。
リンは気を失っているようだ。
どうやら3度目のプラズマサンダーボムは意識がない状態で本能で返したらしい。
私にはわからない感覚なのだが、プロレスラーはカウントを取られると意識がなくても肩を上げてしまうらしい。
担がれて退場していくリンに会場から大きな拍手が送られていた。
「・・・くそっ!」
それをリング上から悔しそうに睨みつけている吉田の姿があった。
◇試合後◇
「吉田あ!しょっぱい試合してんじゃねえよ!」
控え室に戻ってきた吉田をマッキーの怒声が出迎える。
「すいませんでした・・・」
「しょっぱすぎるぞ!必殺技を3回も使うな!落ち着いていれば2度目のロープエスケープはなかったし、あれで決まっていたはずだぞ!」
マッキーは同じパワーファイターとして吉田を高く評価している。
だからこそ、このミスは許せないんだろう。
「すいません・・・」
「リングの広さとロープの位置!ちゃんと把握しておけ!!」
「は、はい、ありがとうございます。マッキー先輩。」
◇EWAタッグ選手権試合◇
第5戦で組まれたこの試合は、王者組からの指名でサイレントヴォイスが挑戦。
しかしあの強かったサイレントヴォイスではなかった。
カンナはみこととの同期タッグ”ホワイトスノー”に気持ちが行っていたし、伊達は伊達で永沢との師弟コンビに楽しみを見出しているようだ。
こんなバラバラの二人では抜群の連携を誇るνジェネには勝てるわけもなく、結城主体の合体パワーボムで伊達が沈んだ。
その時カンナはといえば、カットに入らず、控え室へと向かって歩いていた。
「カンナ~~!!そんなプロレスしか出来ないお前なんかに絶対負けないから~!!」
結城のマイクにも反応せず、カンナは控え室へと消えていった。
「もう!なんなの一体。」
カンナはこの頃から確実に他の選手達との距離を置き始める。
パートナーのみこと以外とはあまり絡まなくなり、試合も温かみを感じるスタイルではなく、凄みを・・・ともすれば冷酷さすら感じるような試合運びへと近づいていた。
「・・・カンナは何を目指しているのだろう?」
この頃の私はカンナの真意を測りかねていた。
◇WWCAタッグ選手権試合◇
第7戦で組まれたこのカードは永沢の成長ぶりが発揮される試合となった。
今までの永沢と違い、マッキー&ラッキーと互角の勝負が出来るようになっていて、12月に対戦したときとはまったく違うチームになっていた。
12月は伊達に引っ張られるというか保護されているという感じだったのが、この試合は永沢がその元気さで伊達を引っ張る感じになっている。
最終的にフィニッシュこそ伊達だったものの、試合の中心は永沢だったのは間違いない。
○伊達&永沢(27分29秒 デスバレーボム→片エビ固め)マッキー&ラッキー×
◇試合後◇
「やりました!やりました!」
「まだ・・・まだ。」
「えーっ!!」
「自分で最後とらないと・・・ね。」
「えー!!譲ってあげたんですよ!」
この調子なら永沢がフィニッシュを決めるのもそう遠くはなさそうだけどね。
◇EWA認定世界ヘビー級選手権試合◇
伊達を下し、新王者となったカンナ。
カンナ最強説を証明した形となったわけだが、ここはいきなりの試練。
先月2度クロスフェイスで勝利したとはいえ、結城は負ければ負けるほど強くなってくるタイプ。
3度連続で負かすのは中々大変だと思うが、地力に勝るカンナの勝ちだろうと私は考えていた。
カンナが総合力で上回っているので、手数の多さはカンナ。
だが結城には団体最強・・・いや”国内最強”と言える投げの巧さ、破壊力がある。
カンナの掌底、裏拳などでダメージを受けるも、強力な投げ技1発で形勢逆転できてしまう。
必殺のバックドロップでカンナを追い込み、カンナのエクスプロイダー狙いを切り返しての裏投げで、カンナを沈めてしまった。
「30分4秒、30分4秒、高角度裏投げからの体固めで勝者、結城千種!!」
カンナまさかの敗退。
伊達からベルトを奪取した直後の初防衛戦で後輩の結城千種に敗れる。
世代交代というテーマよりも・・・もはやこれは個人闘争だな。
カンナ・伊達・結城・武藤・みこと・南の6人での個人闘争。
これにカオスが絡む感じだろうな。
氷室・マッキー・ラッキーは成長の限界が見えてきた感じで、本人達もかなりもどかしい思いをしてると思うし、私もそう思っている。
どうしてもうちでは中堅という見方をされてしまうんだけど、彼女達だって他の団体ならエース級の素材のはずなんだが。
寒さを吹き飛ばすような熱い個人闘争。
これがこれからのNEW WINDを引っ張っていってくれると思う。
この上位の闘争に加わってくる新たな戦力を育てられるかどうか。
これは我々の仕事になる。
永沢か、吉田か・・・それとも・・・南のいうあの子か?
あの子はもうすぐ入団してくる予定だけど・・・まだ期待するのは早いかな・・・
まもなく6度目の春がやってくる。
今年もいい春になりそうな気がしているよ。
こちらから管理人に拍手及びメッセージを送ることができます。
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ホントに熱いし、難しそうな展開ですねw