伊達 遥 自伝「フェニックス伝説~本当はおしゃべりな私」
および
永沢舞“maigoroku”より。
※このお話はレッスルエンジェルスサバイバーのプレイ結果から管理人Nが創作したものです。
このお話は”伊達遥視点”及び”永沢舞視点”で書かれています。
いつもの風間社長視点ではないのでご注意ください。
なお、伊達遥はメール好きという事(公式設定)なので、この著書ではかなりおしゃべりです。
今回は”スペシャル版”で視点が切り替わりながら進みますのでご注意ください。
この辺りを了承の上”つづき”をご覧になってくださいね。
および
永沢舞“maigoroku”より。
※このお話はレッスルエンジェルスサバイバーのプレイ結果から管理人Nが創作したものです。
このお話は”伊達遥視点”及び”永沢舞視点”で書かれています。
いつもの風間社長視点ではないのでご注意ください。
なお、伊達遥はメール好きという事(公式設定)なので、この著書ではかなりおしゃべりです。
今回は”スペシャル版”で視点が切り替わりながら進みますのでご注意ください。
この辺りを了承の上”つづき”をご覧になってくださいね。
“引退”
この言葉を意識し始めたのはいつだっただろう。
引退する事になった今、思い返してみる。
・・・多分南さんの引退がきっかけだったと思う。
あの頃の私は・・・まだ自分が全盛期だと思っていたけど、南さんの引退を聞いて、自分もそう遠くない時期にその時期が来る事を教えられたと思う。
南さんは私にとって目標であり、ずっとライバルとして張り合っていた相手。
そして、仲のいい大切なお友達だった。
南さんは7年目から衰えを見せたけど、その年もタッグベルトを奪取するなど一線で活躍をし、現役最後の年となった8年目は後輩への実戦指導を主な活躍の場にしていた。
8年目2月、私とのシングル戦を最後に引退していった。
彼女がスカイブルーのリングを去って約2年。
この間に同期の紫月(氷室紫月)が引退し、後輩カンナも引退、ついこの間は残る最後の一人だった蒔絵(マッキー上戸)も引退していった。
スカイブルーのリング上には“1期生”と呼ばれるのは私一人だけ。
でもそんな私も、この間後輩のケイ(ジーニアス武藤)に敗れ、引退を決意した。
今のNEW WINDは世代交代の真っ最中で、1期生は私がリングを降りることで皆リングから去るし、2期のみこともそろそろ蓮(スイレン草薙)に草薙流を任せて引退を考えているようだし、めぐ(武藤めぐみ)とちぐ(結城千種)も選手としてのピークは超えたみたい。
舞(永沢舞)、龍(吉田龍子)、寿(ハイブリット南)の3人もやや物足りない部分はあるけど、メインイベンターとして成長してくれているし、その後に続く、蓮、シャイニング、和希、ケイも伸びている。
”これならもう大丈夫。”
私は後輩の成長を感じ、リングを降りる事にした。
私は引退ロードを順調に消化する。
「後輩達に伊達遥を刻み込んでくれ。」
と社長は簡単に言うけれど、後輩達だってそう甘くはない。
ケイには綺麗に3カウントを取られてしまったし、なぎさだってあんなにほわほわしてるのにパワーは凄い。
あと2年もしたら立派なパワーファイターになれるんじゃないかな。
和希は特訓の効果もあって、驚くほど成長したと思う。
まだ一本気すぎるゆえに能力を発揮できてないけど、上手く配分できるようになれば化けるかもしれない。
コーチをしていたときに教えておいた“キック”が使いこなせるようになるといいけどなあ。
私の引退試合は舞とのシングル。
次期エースと言われ続けた舞も結局ちぐから王座を奪取する事はできないまま。
エースは周りがつくるものではないし、本人の実力が大事。
ベルト奪取=即エースではないけど、ベルトを取って、防衛して、お客さんが納得するようになってはじめてエースと呼ばれるようになる。
それには時間がかかるから、舞がエースになる事はないのかもしれない。
でも、期待はしてる。
だから、最後に伝えたい、エースの覚悟を・・・
遥さんが引退する。
それは遠くない未来のことだと思っていたけど、現実になるに早すぎハヤスギ・・・
そして社長から提案された引退興行のプランには・・・
ファイナルマッチ 伊達遥 VS 永沢舞の文字が。
このカードはもちろん必然であって舞も拒む理由はありません。
でも寂しくって、悲しくって・・・まだまだ遥さんには居てほしいのに。
“次期エース”とずっと言われた舞ですが、いまだ千種さんからベルトを獲っていません。
女王として遥さんを見送りたかったのに・・・でも遥さんの引退はすでに発表済みで、舞にはベルトをとりにいく時間は残されていないのです。
引退ロードがはじまり、第7戦。
舞は遥さんとの最後のタッグを結成しました。
遥さんは最近は若手との試合が中心だったし、舞はメインやセミでの試合が多かったから組むのは1年ぶりくらい。
・・・遥さんの衰えは組んでみてよくわかりました。
全てにおいて軽くなったというのが印象です。
“フェニックススプラッシュ”を封印しているのも納得です。
瞬発力の衰えが一番大きいのでしょうね。
だから今までだったら決められる場面でも決めきれない。
そんな遥さんを見てると、寂しくて悲しくて・・・昔、遥さんに引っ張ってもらっていた頃が懐かしくなりました。
「舞、ごめんね。」
「謝らないでください。舞だってもっと一杯迷惑かけたじゃないですか!」
「そうね。」
遥さんは懐かしそうな顔をしましたが、それも一瞬の事。
「シングル楽しみにしているから・・・覚悟してね。」
と真剣な顔。
これ以上遥さんは語りませんでした。
覚悟ってなんの覚悟なのだろう?
みことさんに相談してみましたが、みことさんは・・・
「それは舞さんがご自身で見つけるものだと思います。遥さんのお考えはある程度わかりますが、それを教える事はできません。」
紫月さんにも電話をしてみましたが・・・
「舞の運命だから。」 と一言。
結局自分で考えろって事ですね。
遥さんのいう覚悟ってなんだろう・・・
舞は答えが見つからないままリングへと上がる事になりました。
「赤コーナーより伊達遥選手の入場です。」
もうお馴染み、お馴染み!の引退試合限定リングアナ、風間社長のコールで遥さんがステージに姿を現します。
場内は伊達コール一色です。
遥さんはカッコいいです。
背が高いし、同じレスラーの舞から見ても、立ち姿が映えます。
遥さんはいつも以上に気合が入っていました。
いつもとは違う入場、声援の浴び方・・・さすがエース・・・偉大なる鳳凰。
「レフェリー、トニー館。」
トニーさんがボディチェックをし、私達の最後のシングルがいよいよ始まります。
私達は両手で握手をします。
「よろしく、舞。」
遥さんの両手は重かった。
「全力でいきますよ、遥さん。」
「望むところ・・・手抜きは許さない。」
「はい。」
遥さんはコーナーに戻る際に一言つぶやきました。
「舞、見せてもらう。」
成長した。
前にもそう思ったけど、舞は本当に成長した。
一つ一つの技が重いし、見せ場をよくわかっている。
がむしゃらなだけでなく、試合を創れるようになった。
だけどっ!
何かが足らない。
実力的にはエースになりうるし、人気だってあるのに。
私は舞に足りないなにかを引き出すべく、手加減ぬきで膝を舞に叩きこむ。
「まだ諦めるなっ!」「トップは取れるっ!」
というメッセージを込めて。
昔の舞ならこれで決まっていたけど、今の舞はNEW WINDの上位の一角。
この程度で倒せやしない。
「さすがにやるやる。でも舞は負けられません!」
私の膝に屈することなく舞は私の体を掴む。
この入り方はブリザードスープレックス。
私がはじめて舞に教えた技・・・
あの頃とは衝撃が違う・・・さすがに成長した・・・けどっ!
「この程度!」
私はカウント2で跳ね上げたつもりだったが、実際にはカウント2.5だったようだ。
(ビデオで確認)
想いを込めたブリザードスープレックスは遥さんに2.5でクリアされました。
これで勝てるなんて思っていなかったけど、これは決めたかった技。
まだ遥さんと上手く喋れないころにお互いに苦労しながら教えてもらった技だから。
「今度はこっち!」
遥さんはすばやく後ろに回りこむと、私両腕を掴み大きく広げます。
抵抗する間もないほど素早くそのまま頭から後ろに叩きつけられました。
“フェニックススープレックス”です。
あの頃の遥さんがたまにフィニッシュに使っていた技。
最近はあまり使っていなかったので、まさかここで出されるとは。
“歴史の重み”を感じる一撃でした。
舞はブリッジでこれを返し遥さんを担ぎ上げます。
狙う技はデスバレーボム。
タッグを組んでいる時に遥さんとダブルで決めたりした技。
もちろん威力は私の方が劣りましたけどね、当時は。
この技を使うのは”鳳凰伝承”・・・って大げさだけど、エース伊達遥の後を継ぐのは舞です!というアピールもありました。
完璧!カンペキ!!な手ごたえだったけど、遥さんはこれをクリアし、逆に私の体を持ち上げます。
デスバレーっ!!
と思った時にはたたきつけられていました。
「っつ!」
なんとかクリアした舞はこの時失念していました。
遥さんと試合をする時に片膝を立ててはいけない事を。
むぎゅっ! と膝を踏まれたかと思ったらすぐに頭部に激しい衝撃が。
ぐわ~~ん。
と頭が揺れて舞はひっくり返りました。
舞に叩きこんだシャイニングフェニックスは手ごたえあり。
私は自信を持ってカバーしました。
1・・・2・・・
(勝てる・・・でも舞、これで終わり?)
しかし舞はぎりぎりであげてきます。
「やるじゃない。」
と満足した私は膝を突いて立ち上がろうとしました。
そこへ影が動きます。
「あっ!」
私の膝を舞が踏み台に、“シャイニングフェニックス”を舞が繰り出してきたのです。
これで決められるわけにはいかない。
私は必死にロープへ足を伸ばし、カウント3を回避しました。
舞のシャイニングフェニックスの威力に驚く私を舞が引き起こします。
「遥さん!今までありがとうございました!」
私はもうさっきのシャイニングフェニックスで力尽きていました。
だから、この技を外す余裕なんてなかった。
舞がこの技でチャンピオンになると言っていたテキーラサンライズ。
私の体は完璧に投げきられました。
そして私は最後の3カウントを聞いた・・・
舞が泣いているせいなのか、アナウンスまでぐじゃぐじゃに聞こえます。
遥さんとの試合をとうして感じた事は、“舞、上を目指せ諦めるな。エースを狙え!”です。
“エースの自覚を持て”
これが遥さんの伝えたかったことなのでしょう。
実績があってもエースの自覚を持たない人はエースにはなれない。
エースになれないからってエースの自覚をもてない人はもっとなれない。
エースの自覚を持っていて、実績を上げ、お客さんに認められるのが真のエース。
舞は先輩達に頼りっきりで、エースの自覚を持っていなかった。
エースの自覚を持って、これからの試合に望みます。
“鳳凰伝承”エースの魂を引き継ぐ者として・・・
「別に鳳凰は伝承しなくてもいい。あれは風間社長が大げさなんだから。」
と遥さんは笑っていました。
遥さん今までありがとうございました。
出来の悪い弟子でしたけど、エースへの挑戦はまだ諦めません。
舞
舞、ありがとう。
最後の相手が舞でよかったと思っている。
エースの自覚を持っていて。
遥
10年目10月 伊達遥 引退 フェニックス伝説は終わりを告げた。
そして、伊達遥と永沢舞の師弟のお話もこれで最後になるだろう。
永沢舞よ 偉大なる鳳凰を超え、天高く舞え。
↓ご感想などはこちらからどうぞ。
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コメント
伊達さんも引退してしまいましたか。初期から活躍(ウチでも例外ではありません)していただけに、印象深い選手でした。NEW WINDの次の担い手が誰になるのか、楽しみにしてます。
P.S.当方も「愛」に参戦しました。『ELYSION』という団体で、本来、サバイバーでやりたかった事を、これでやりたいと思ってます。
P.S.当方も「愛」に参戦しました。『ELYSION』という団体で、本来、サバイバーでやりたかった事を、これでやりたいと思ってます。
posted by KEIat 2007/02/05 22:22 [ コメントを修正する ]
あ~、うちの団体もちょうどここでとまってる・・・
うちは早くに伊達一人になっちゃたからな~
今後の展開を楽しみにしております~
うちは早くに伊達一人になっちゃたからな~
今後の展開を楽しみにしております~
>yatterzoooさん
そうですね、感情移入度としてはやはり3・4期くらいまでが思い入れが強くなりますね。
引退もドラマ・・・と思っていますので、引退イベントはちゃんと見届けてあげたいと思っています。
(所属全員は厳しいでしょうけど。)
結城を倒すのは誰か・・・注目です。
体調管理はちゃんとしないとなあと思います。
お気遣いありがとうございます。
>KEIさん
コメントありがとうございます。
NEW WINDの次代は混沌としています。
伊達(1470)、カンナ(1580)、結城(カンナ以上)、武藤(伊達以上カンナ未満)のレベル(評価値)には誰も届いていないのが現状ですので・・・
ELISYONさんには殴りこませていただきました。
後ほどご報告致します。
>オーサカさん
毎度っ!
GEARの時はこの辺りで辞める決意をしましたが、NEW WINDはスペシャルエンド狙いなんで、まだ続きます。
だからといってファイナルシリーズで終わるわけではないのがこのリプレイだったりしますが(笑)
今後ですが、私も誰を軸に書いていいのやら・・・悩み中です。
そうですね、感情移入度としてはやはり3・4期くらいまでが思い入れが強くなりますね。
引退もドラマ・・・と思っていますので、引退イベントはちゃんと見届けてあげたいと思っています。
(所属全員は厳しいでしょうけど。)
結城を倒すのは誰か・・・注目です。
体調管理はちゃんとしないとなあと思います。
お気遣いありがとうございます。
>KEIさん
コメントありがとうございます。
NEW WINDの次代は混沌としています。
伊達(1470)、カンナ(1580)、結城(カンナ以上)、武藤(伊達以上カンナ未満)のレベル(評価値)には誰も届いていないのが現状ですので・・・
ELISYONさんには殴りこませていただきました。
後ほどご報告致します。
>オーサカさん
毎度っ!
GEARの時はこの辺りで辞める決意をしましたが、NEW WINDはスペシャルエンド狙いなんで、まだ続きます。
だからといってファイナルシリーズで終わるわけではないのがこのリプレイだったりしますが(笑)
今後ですが、私も誰を軸に書いていいのやら・・・悩み中です。
posted by N at 2007/02/06 13:19 [ コメントを修正する ]
お久しぶりです。今日からASという団体名で愛に参戦しました。まだ2人ですが、よろしくお願いいたします。
posted by ぷいにゅat 2007/02/06 15:28 [ コメントを修正する ]
実は自分は引退イベントが辛いので10年続けたことがありません。
永沢さんには頑張って欲しいものです。
お体、ご自愛ください