忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/04/27 01:18 |
NEW WIND30万HIT記念特別興行その2

NEW WIND社長 風間新手記より
~NEW WIND30万HIT記念特別興行~

※今回のお話は、リプレイの正史ではないため、全員全盛期の力を持って登場します。
ただし、基本的な設定は主に、リプレイサバイバー1版NEW WIND編の設定に準じています。
 なおハロウインパーティの設定は、泡藻さんの設定を元にしています。





一回戦 第2試合

サキュバス真鍋(ハロウィンパーティ)VS フレイア鏡(S・H・U)


 場内に設置されたビジョンに、S・H・Uのロゴが映し出された。
《S・H・Uとは、スーパー・ヒール・ユニットの略である。各団体で暴れまわるヒールレスラー達が全団体制圧の為に結成した超党派のヒールユニットである。主な所属レスラーは、ガルム小鳥遊・オーガ朝比奈・グリズリー山本・フレイア鏡・村上姉妹、ライラ神威といったメンバーである。
なお、このトーナメントには、ガルム小鳥遊・フレイア鏡が参戦している》
 やれやれ……ナレーション入りとは凝ってくれるね。

 ロゴに続いて、試合前のフレイア鏡の様子が流れる。
「朝比奈さん、今回の私の相手はどなただったかしら?」
 鏡に向かって髪をとかしながら尋ねる。
「おいおい明日香、本気かよ。相手もわからずに当日迎えたってか?」
 朝比奈はびっくりした顔で鏡越しに表情をうかがう。
「うふふ。基本的に直前に考えるタチなのよ。……新鮮な素材をどう料理するかをね」
「まあいいけどよ。今回の相手はウイッチ美沙……じゃねえ、ウイッチ美沙とハロウインパーティを結成しやがった”裏切り者”のサキュバス真鍋だよ」
 朝比奈は鏡に一枚の写真を手渡した。
 サキュバス真鍋は以前S・H・Uのメンバーであったが、戦闘力も低く、また経験も浅かったため。S・H・Uでは単なる雑用係でしかなかった。やがて同じ若手のウイッチ美沙&栗浜亜魅とともに、新ユニットを結成し、S・H・Uを脱退している。
「ああ、あのつかささんですの。……しばらく見てなかったけど、あれから少しは成長したのかしらねえ。まあ、この写真を見る限りはお胸は子供のままのようですけども」
「お前なあ……ほかの注目点はないのかよ」
「あらあら、重要なことですわよ。どういじめてあげるのか、ってことを考える時にはね。で、他になにかトピックスはあるからしら?」
「そうだな。あいつらは今人気あるらしいぜ。”勝たせてくれなきゃ、イタズラするぞ♪”ってフレーズが受けてるらしいけどよ」
 朝比奈は的確に情報を伝える。    
「勝たせてくれなきゃ、イタズラするぞ♪……ねえ。なかなか興味深いフレーズですわね」
「んで、まさか勝たせてやるのかよ?」
「愚問ね。勝利を譲る気はありませんわ。この子だけでなく誰にもね」
「だろうな。……ってことは大将もこのトーナメントに出ているけど、そこもガチでやる気だな」
「当然ですわ。……それにしてもイタズラなんて可愛いこと。ところで朝比奈さん、貴女ご存じかしら? イタズラものの末路がどうなるか?」
 鏡の瞳が冷たく光る。
「ま、オシオキとかされるんじゃなねえのか?」
「その通り。イタズラものだけでもオシオキの対象ですのに、ましてや裏切り者でもあるなんて。オシオキが必要ですわね。さあどんなオシオキをしてあげようかしら。ふふふ……」
 カメラは鏡のアップを写し、その後足元のバックを写し出した。そこには、注射器・鞭・ロウソク・手錠といったアブナイものが並んでいた。
「オシオキしてア・ゲ・ル」
 鏡の声が響くなか、画面はブラックアウトし、再びS・H・Uの文字が浮かぶ。

 
 その後、魔女・淫魔・使い魔の2頭身のアニメキャラの画像にかわり、可愛らしい”ハロパー”という声が流れた。
 ハロパーとはハロウインパーティの略であり、”魔女”ウイッチ美沙、”淫魔”サキュバス真鍋、”使い魔”栗浜亜魅の若手3人で結成されたユニットである。
 先ほど朝比奈も言っていたことではあるが、「勝たせてくれなきゃイタズラするぞ♪」をキャッチフレーズに、2頭身にデフォルメされた3人のキャラクターが評判を呼び、今ではグッズ展開から発展し、CDドラマ、漫画連載、CSアニメの放送、コンピューターゲーム化に、ソーシャルゲームにまで進出。……考えられる限りのマルチメディア展開をしており、プロレスは知らないけどハロパーは知っているという層はどんどん加速度的に増えているという。人気に比例して、実力も上がってきていると言われている。

「ううう……やばいよお」   
 サキュバス真鍋こと真鍋つかさが控室の隅っこでぶるぶると震えている。その視線の先にはモニターがあり、そこには先ほどの鏡の映像が流れていた。
「ひええええ。オシオキだって、やっばいなあ。絶対ヤバイよ」
「な~に今更ビビッていやがるのです? もうすぐ試合はじまるのですよ?」
 ウイッチ美沙が呆れた声を出す。
「美沙ちーは気楽でいいよね。だって美沙ちーが試合するわけじゃないしさあ。試合するのはアタシ。つまり怖い目に合うのはアタシなんだよ。きっと鏡さんにボッコボコにされちゃうんだろうなあ。どうせ負けるんだから、でなくてもいいんじゃ……」
 バチイイイッ! つかさの左頬に美沙がビンタを食らわした。
「いった~っ! な~にすんのさ、美沙ちー!」
「バッカヤロー!!……なのです! 試合前から負けることを考える奴がいるのかよ!!……なのです」
「さすが美沙様。素晴らしいお言葉ですわ」
 美沙の言葉にこれまで無言だった栗浜亜魅が拍手と賛辞を送る。
「と、当然のことを言ったまでなのです」
 美沙はちょっとあわてたそぶりを見せた。まあ、私の記憶が確かであれば、以前ある大物レスラーの名ゼリフに酷似しているから、ちょっと褒められるのは気恥ずかしかったのだろうな。
「でもさ~、あの鏡さんなんだよ。勝てるわけないっつ~かさ」
「そりゃ通常ルールだったら、99.99%つかさに勝ち目はないのですよ」
 美沙ははっきり言う。
「ぶー。負けること考えてるんじゃン」
「ちゃんと人の話は最後まで聞きやがれなのです。今回は、NEW WINDの風間社長発案の、特殊ルールでのトーナメントなのですよ。勝ち目は十分あるのです」
「そっかな?」
 ちょっとだけつかさの顔色がよくなった。
「そうなのですよ。それに、このトーナメントはほとんどNEW WINDの選手で占められているのに、どうしてつかさが出場できるのか考えたことはないのですか?」
「オファーがあったからでしょ?」
 つかさの回答に美沙はずっこける。
「ま、間違ってはいないのです。確かに風間社長じきじきにオファーがあったそうですし」
「まあ、人気あるしね~」
「人気ありますものね~」
「二人ともバカなのですか? ほかの団体はともかく、相手は風間社長なのですよ? 人気よりも試合内容が評価されたに決まっているのです。噂によればですが、例の”エンジェルマニア”の大会で私たちのファイトが目に留まったとか」
 まあ、大筋は間違っていないけどな。
「と、いうことは通用するって思われているってことなのです。でも、周りはそう思っていない。どうせ負けるだろうと思っていやがるのですよ」
「ぶーなんかヤダー」
「ですね」
 つかさと亜美が同意する。
「だったら、勝つのです。格下と思われるいるものが格上を倒すのです。つかさ、”お前ん中のジャイアントキリングを起こせ”なのです」
「じゃいあんときりん?」
「大きなキリンさんですか?」
 二人はよくわかっていないらしい。
「ちがうのです。ジャイアント・キリングなのです。上を食えっていってるのです」
「なるほどね~。下剋上よりもかっこいいじゃん。よ~し、今日は私の中のジャイアントキリングを起こしちゃうよ~」
 つかさは元気に宣言した。
「よ~くいったのです。よ~しいくのですよ」
「お~う。ところでさ、美沙ちー」
「なんなのです?」
「具体的には何やればいいの?」
 真顔のつかさの言葉に、美沙と亜魅が派手にずっこけ、転がっていたバケツがガシャンと大きな音を立ててひっくり返った。
「勝てばいいのですよ~~!!」
 美沙の絶叫とともに映像は消えた。

 

PR

2013/11/25 17:05 | Comments(0) | 30万HIT記念特別興行

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<NEW WIND30万HIT記念特別興行その3 | HOME | NEW WIND30万HIT記念特別興行その1>>
忍者ブログ[PR]