NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「さあ、終わりですわっ!」
北条を高々と担ぎあげ、市ヶ谷はナイアガラの滝を見て閃いたという究極の必殺技…ビューティボムでマットに強烈かつ華麗に叩きつけた。
「ぐはあっ…」
北条は受身をとったが、ダメージが大きくまったく動けない。
「これは…」
「決まりますな。」
市ヶ谷はデビューした時からパワーボムを使っていたのだが、この2年間の間にその威力は倍増している。通常のパワーボム(現在はクイックビューティボムと呼称。ファンからはLV2パワーボムと呼ばれている。)も強力になったが、海外遠征で身につけた市ヶ谷の超必殺技ビューティボムは、一撃で相手をKOできるだけに威力を秘めている。
もちろん市ヶ谷の使う技だから、威力だけでなく華麗さも高貴さも格段にパワーアップしているのはいうまでもない。このビューティボムは説得力十分な技だし、きっと市ヶ谷はいずれこの技でベルトを奪うこともできるようになるだろう。
バンッ!!
「スリー!!」
結局北条はこれを返せず、無念の3カウントを聞いた。
「オーホッホッホ。無様ですわね。」
ダウンしている北条を見下ろし、高笑いする市ヶ谷。この勝ち誇り方はビューティ市ヶ谷というレスラーにぴったりだと思う。
市ヶ谷が勝ち名乗りを受けている間、セコンドの治療を受けていた北条だが、結局自力で立ち上がることができず、担架で運ばれていった。
「大丈夫ですかね。南のように大事ないといいのですが。」
「……たぶん大丈夫だと思いますぞ。確かに大きなダメージは受けておりますが、北条はしっかりと受身をとっていましたからな。なにしろ市ヶ谷ほどではありませんが北条もパワーがあるレスラーですし、ああいう技の受身には長けています。」
なるほど、確かにそうだな。さすがはダンディさんだ。そういうところをきっちりとみているんだな。
NEW WINDのファンに強豪外国人は誰?と問えば、ほとんどのファンはリリィ・スナイパーかコリィ・スナイパーの名前を上げるだろう。特にリリイは妹コリィと組んでスナイパーシスターズとして保持していたWWCAタッグ王座こそ失ったものの、未だシングル戦線・タッグ戦線で上位の力を保持し続けている。
そのリリィに挑む祐希子は空中殺法に磨きをかけており、リリィの妹コリィと激しい試合を繰り広げている。コリィとはいい勝負ができるようになった祐希子はこの2年間で確実に成長している。しかし、シングルでもタッグでもリリィには勝ったことがない。
「この2周年記念興行でリリィに勝つ!これって燃える展開じゃない?」
祐希子はそう意気込んでいたが、リリィの壁は厚かった。
「10分12秒ドラゴンスープレックスにより、勝者リリィ・スナイパー!」
祐希子の熱い思いをこめたエルボーは弾き返され、得意のダイビングボディアタックはカウント2で軽々と跳ね返された。この10分12秒という短い試合タイムがリリィと祐希子との差を示している。
私の手元にある試合メモの最後に記されたDの文字。このDはリリィの場合はドラゴンスープレックスを指す。この2年間で何度Dの文字を試合メモの最後に書いたことか。
「差は確実に縮まっていますが、まだ歴然とした差がありますな。」
「ええ。リリィ・スナイパーはさすがですね。だけど、きっと祐希子が勝てる日が来ます。私はそう信じています。」
頼むぞ、祐希子。この3年目は結果を出してくれよ。
第66話へ
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中々、結果が出ませんねぇ
でも、凄い力を秘めてますから、そのうち結果が出るかな?
南さんと一緒に団体を引っ張って行く日が来る事を楽しみに応援したいと思います