NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「がはっ…」
第2戦メインWINDの6人タッグマッチ。カオスの強烈な裏拳を食らって小鳥遊がマットに沈んだ。
小鳥遊はフォールされてもピクリともせず、試合終了のゴングが打ち鳴らされたあともまったく動かなかった。
「タカナシ、しっかりしろ。」
メガラライトが駆け寄り抱き起こす。
「…効いたぜ。まったく動けなくなっちまった。」
第2戦で小鳥遊を気絶させたカオスは、続く第3戦でメガライトに必殺のダークスターハンマーを叩きこみ見事3カウントを奪ってみせた。
「メガライトがあっさりと…」
「…さすがというほかありませんな。」
小鳥遊&メガライトは雪辱を誓って第4戦でWWCAタッグ王座に挑戦したが、44分37秒ダブルインパクトで小鳥遊がKOされてしまった。
「くそっ…負けた。」
「…クヤシイナ。」
44分という勝負タイムまで持っていけるのだから、十分王座奪取も可能だろう。負けはしたが可能性を見せることはできたのではないだろうか。
「これならベルト奪取も夢ではないですね。」
「社長…気付きませんでしたかな?」
ダンディさんは険しい顔をしている。
「何にですか?」
「やはりお気づきではなかったようですな。風間社長なら気づいていらっしゃるかと思ったのですがね。カオスはこれだけのロングマッチだというのに一人だけまったく汗を書いていません。」
私はあわててリング上を見た。敗れた小鳥遊やメガライトはもちろん、勝ったコーディも汗をかき大きく肩で息をしている。だが…カオスは汗一つかいておらず呼吸もまったく乱れていない。平然と両腕を組んで他の選手を見下ろしていた。
「ダークスターカオスは化け物か……」
「化け物といえるかはわかりませんが、少なくても他の選手とは明らかにレベルが違いますな。ケタ外れです。」
微かに見えた光明があっというまに消えてなくなった…そんな気がした。
その後の大会でも、北条・メガライトがダークスターハンマーに沈み、小鳥遊はパワーボムで意識を飛ばされた。
「強い…」
強いのはカオスだけじゃなく、パートナーのコーディも相当な猛者だ。うちの選手たちはカオスどころかコーディにすら勝てないままだった。
「このままではまずいですな。」
このシリーズの間にせめてコーディにだけでも土をつけたいところだ。
「わああああああああああああっ!」
7月シリーズ最終戦青森大会のオープニングマッチ、第1WINDで起きたまさかの出来事に場内が沸きに沸いた。
「19分43秒、19分43秒ダイビングニードロップからの体固めにより勝者、メイデン桜崎!!」
「うおおおおおおおおおっ!」
仲間リングアナのコールに再度沸く場内。
「そんなバカな…」
呆然とするコーディ。
「まさか…でしたな。」
さすがのダンディさんも口アングリである。
「ええ…いくらコーディのパートナーがデビュー間もない越後だったとはいえ、桜崎がコーディから取るとは…」
祐希子のニールキックでダウンさせ、コーナー上で待機していた桜崎にタッチ、そのまま桜崎がコーナーから膝爆弾を落とすというコンビネーションで見事コーディから3カウントを奪ったのだ。
「キサマのせいだ!」
コーディは腹いせにダウンしたままの越後を蹴り飛ばし、リングを飛び降りるとリングを囲う鉄柵をなぎ倒し、さらにカメラマンに蹴りを入れて控え室へと戻っていった。
「この勝利は大きいですな。桜崎にとっても自信になりますし、他の選手のコーディへの見方が変わります。“十分勝てる相手だ!”とね。」
確かにそうかもしれないな。この勝利が次なる勝利を呼び込むことを期待したい。
第71話へ
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そうでもないです?
桜崎、活躍してますね。
早くも上位にくい込んでくるのが、さすがNEW WINDな感じです。