NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
☆第1回スカイブルーカップ 1回戦
「ぐはああっ…」
リリィの顔が歪む。
「リリィがここまで圧倒されるのか…」
「…まさに別格ですな。」
うちの所属選手にとって高い壁であり続けるリリィ。そのリリィがまるで歯が立たないとは…
「9分57秒 パワーボムで勝者ダークスターカオス」
「ギ、ギブアップです、お嬢様!」
コーディにアルゼンチンバックブリーカーをがっちり決められ、桜崎はたまらずギブアップを宣言した。
「思い知ったか!」
デビュー一年に満たない桜崎相手に、仮にもWWCAのナンバー2が大人げない…とは思うけれど、先月のシリーズでタッグとはいえ直接フォールを奪われた相手だ。その気持ちはわからなくはない。
「11分11秒 アルゼンチンバックブリーカーで勝者ジュディ・コーディ!」
「あああああっ!」
悲鳴が起きる中、トニー館は首を左右に振り3度目のマットを叩いた。
「ああ…北条が負けた…」
勝つと信じていた北条が、ホリー・シエラのパイルドライバーで沈んでしまったのだ。
「くそっ…」
北条はマットを叩いて悔しがるが、結果は変わらない。
勝ったホリーは微笑みながらリングを降りていった。さすがは微笑みのファイターと呼ばれているだけあって自然な笑みだな。私は不覚にも美しいとまで思ってしまった。
「…あの微笑みは別名“戦慄の微笑み”と呼ばれているんだよね。」
海外事情に詳しい岩城がチャンスとばかりに解説する。
「ウォーズマンスマイルみたいなものか?」
「ただいまの試合は14分40秒 パイルドライバーからの体固めで勝者ホリー・シエラ。」
私の質問は仲間アナのコールにかき消された。
「WOOOOOO!」
粘る十六夜をメガライトはフィッシャーマンバスターでマットに叩きつけた。
「タノシカッタヨ!」
メガライトは十六夜の胸を踏みつけてそのまま3カウントを奪った。
「14分4秒 フィッシャーマンバスターからの体固めで勝者、ジェナ・メガライト!」
「だっしゃあああああっ!」
小鳥遊が勝利の雄叫びをあげた。
「くそっ…また勝てねえのかっ!!」
朝比奈は天井を見上げ。大の字になったまま叫んだ。
「だから言ったろ朝比奈。そう簡単には超えさせねえってよ。」
小鳥遊は背中に風格を漂わせながらリングを降りていった。
「ぜってえ勝ってやるかんな!」
朝比奈はその背中に向かって声を飛ばした。
「ただいまの試合は12分58秒、ガルムズボンバーからの体固めでガルム小鳥遊選手の勝ち!」
「いっくよおおお!」
素早くエプロンサイドに立った祐希子は華麗にトップロープに飛び乗ると高々とジャンプし、エミリーの顔面に容赦なくミサイルキックをぶちこんだ。
「ギャフン!」
エミリーは妙な悲鳴を上げリングに倒れこんだ。
「16分34秒、スワンダイブ式ミサイルキックからの体固めにより、勝者マイティ祐希子!」
「コレで終わりアル!アチョ~~~~~!」
このキャシーのアニメ的な中国人しゃべりはもちろんギミックだが、妙に似合っているのも確かだ。
ともかくキャシーのカカト落しが炸裂し、ソニックの頭飾りがスカイブルーのリングに散った。
「…ヒロインは…負けられ…ない…の…さ……ね………」
ソニックはそのまま気を失い倒れこんだ。
「13分5秒、ノックアウトで勝者キャシー・ウォン!」
「これで、終わりですわっ!」
新技狙って突っ込んできた南にニーリフトをぶち込み前かがみにさせると、市ヶ谷はビューティボムの体勢に高々と担ぎあげた。
「くっ…」
南がコルバタで返す!
「させませんわ!」
市ヶ谷は自慢の腕力でそれを堪えると、南の回転しようとした勢いを利用してもう一度頂点に持ち上げそのままビューティボムでスカイブルーのリングに叩きつけた。
「がはっ…」
「OK!フォール!!」
レインボー岩城レフェリーが3つマットを叩いて試合は終了した。
「オーホッホッホ。なかなか楽しませてもらいましたわ。」
「くっ………さすがね、麗華。」
南は市ヶ谷に握手を求めた。
「貴女の分も暴れてきますわよ。」
「ただいまの試合は14分9秒ビューティボムでビューティ市ヶ谷選手の勝ち!」
2回戦進出した8名がどのような戦いを見せてくれるか楽しみだな。
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