NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇リーグ戦6日目◇
カン!カン!カン!
「14分19秒、14分19秒…フライングニールキックからの体固めにより勝者、ソニック・キャット!」
仲間リングアナの決まり手コールが場内に響き渡った。
「やったのさね!」
拍手と歓声が降り注ぐ中、リング上ではソニックがぴょんぴょんと跳ねて勝利の喜びを表現していた。
「くそっ!」
朝比奈は地団駄を踏んで悔しがる。ここ最近、ソニックへの苦手意識を払拭し、ソニックには勝ち続けていた朝比奈だったが、この大事なリーグ戦で久々にフォール負けを喫してしまった。
「まだまだ完璧じゃないわね。」
南は桜崎をあっさりと下し、少々不満げにバックステージへと戻っていった。
「何もできませんでした…利美お嬢様はお強いです。」
桜崎は唇をぐっと噛み締めた。きっと腹の中ではどうにかやり返したいという情念が渦巻いているのだろうな。
「うふふ。これが災厄の女神の実力よ。」
十六夜の高角度裏投げを受け、祐希子はまさかの失神KO。
受身には自信を持っていたはずだが…十六夜の投げのキレも最近増してきているからなあ。
「でも…もう少し遊びたかったのに残念ね。」
十六夜としてはここから災厄降臨につなげたかったのだろうな。
「オーホッホホ。これが私の実力ですわ。」
美しき稲妻…ビューティサンダーで勝利をおさめた市ヶ谷は、ダウンしたままの北条を見下ろして高笑いをする。北条はこれでこのリーグ戦6連敗と、まったくいいところがない。
「この調子では、明日の桜崎戦も危ないですな。」
「まさか…桜崎相手に?」
北条…いったいどうしたんだ。せめて明日は勝ってくれよ。
◇最終日◇
「これで終わりだ!」
小鳥遊が吠え、コーナーから飛ぶ。
「ぐはああああっ!」
越後の腹部にダイビングフットスタンプが突き刺さった。
「9分11秒、ガルム小鳥遊選手の勝ち。」
第2試合に登場した小鳥遊はリーグ戦に参加できなかった越後とのシングルマッチを行い、越後の攻撃を完璧に受けきった上で越後を飢餓地獄に落とした。
「越後!強くなれよ。」
この檄に応えることができず、越後はセコンド陣に背負われて退場していった。
勝てなかったとはいえめったにない現エースとのシングル。きっと得るものは多かったはずだ。
◇リーグ戦 最終日◇
「ようやく勝ちましたな。」
「ええ。結構ヒヤヒヤしましたけどね。」
攻めては“あわや3カウント!”という場面を何度も作り出し、受けてはカウント2.9で北条のフォールを何度も跳ね返して粘った桜崎だったが、北条のこの試合4度目となるパーフェクトキックでついに3カウントを聞いた。
「…か、勝ったのか…」
最終日にようやく勝利を掴んだ北条だったが、その顔には笑顔はなかった。
「…もう出直しですよ。」
コメントは求められた北条は上記の一言だけを言い残すと足早にロッカールームへと姿を消した。
「おおっ!」
「20分27秒ムーンサルトプレスでマイティ祐希子選手の勝ち!」
祐希子の勝利を告げる仲間リングアナのコールに大きな拍手が沸き起こった。
「ソニックに続いて祐希子も鬼を退治しましたか。」
「内容は紙一重でどちらが勝ってもおかしくはありませんでしたがね。祐希子にとってここで勝ったというのは大きいですよ。」
朝比奈のマッスルバスターを封じ、先にムーンサルトを決めた祐希子が勝利。これで4勝3敗と勝ち越しを決め、福岡のファンに成長を見せつけた。
「オーホッホッホ。災厄の女神もたいしたことありませんわね。まあ、わたくしはビューティ市ヶ谷、美と勝利の女神なのですから当然ですけども。オーホッホッホッホ!」
市ヶ谷は勝利の高笑いをして勝ち誇る……だが、場内の反応は冷ややかだ。
まあ、それも当然だろうな。市ヶ谷の成績はこれで4勝3敗。開幕前は優勝候補筆頭とまで言われていたのに、最終日でやっとこさの勝ち越しを決めるのが精いっぱいなのだから。
それにセミWINDで南がソニックを破って全勝優勝を決めている。そのせいで元々メインへの注目度が低くなっていた上にさらにこの市ヶ谷の高笑いだ。冷めて当然だろう。
第85話へ
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ガルさんが参加してないとはいえ、まさか全勝優勝出来るとは!!
うんうん、確実に力を付けて来た証拠ですね
しかし、全勝優勝したのに扱いちっちゃっ(笑)
ある意味、市ヶ谷さんに『美味しい所』をあげちゃった感じですね(爆)