NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇4年目12月
「EXタッグリーグ?そんなものに興味も価値もありませんよ。そもそもあのEXタッグって何のためにあるか知っています?」
私は傲慢な態度で取り囲む記者へ話題を振った。
「…女子プロタッグのナンバー1を決める大会ですよね?」
とある記者が、当たり障りのない答えを返してきた。
「フハハハハハ!これはお笑いだ。記者さん、あなた何年女子プロレスの取材しているんですか?」
私のこの切り返しに戸惑いを見せる記者さん。
「………」
悪いな。今日は風間新社長ではなく、“ブラックウインド”ヒール社長な風間新なのだ。
「ほう…10年。まあぶっちゃけ何年でもいいんだけどね。とにかくあのEXタッグリーグというのはね『やっぱ新女が一番だ!』という事を見せ付ける為だけに行われる大会なんですよ。女子プロレスでアレだけの観客とメンバーを集める事が出来るのは新女だけだ!という事をマスコミ&ファン…そして関係者に無意識のうちに意識させる。そういう大会なんですよ」
記者は誰も言葉を発しない。
「今の一番は新女じゃない。このNEW WINDですよ。我々の参加しないEXタッグなんて、牛肉のない牛丼みたいなもんですよ。」
「…つまり新女なんて前座にすぎないと?」
「そうとってもらって結構。我々のいないEXタッグなど価値はない。本当に価値があるのは我々が主催する”Ex-S(イクスエス)タッグリーグ”だ。」
「…思いっきり意識していますね…」
「名前は似ているけどなあ。レベルが違うんだよ。ま、正直名前なんてどうでもいいんだよ!どちらがより輝くタッグリーグになるかはやる前から分かっているしな。いいか、名前で輝くんじゃねえ レスラーが輝いているから、リーグ戦が輝くんだよ!!」
「…というような夢をみたよ。」
「はは…社長らしい夢ですな。まあ私の意見としてはEx-Sを開催するのもいいとは思いますがね。」
ダンディさんは悪戯っぽく笑う。
「よしてくださいよ、ダンディさん。今のNEW WINDではそこまでは言えませんよ。」
「…ということは?」
「今年のEXに選手を派遣するということです。」
私はついに決断した。旗揚げした年から常に誘われてはいたものの、時期尚早と判断して辞退していた。
「ついに来ましたか。全女の祭典へ殴り込む日が。」
「ええ。出すタッグは南&市ヶ谷の“クール&ビューティ”です。アジアタッグ、新女認定タッグに挑戦しどちらもドローでしたからね。今度こそ!ですよ。」
新女の真冬の祭典EXタッグリーグに、NEW WINDが参戦!
このニュースはあっと言う間に広まり、チケットの売れ行きが一気に跳ね上がったという。
「16分52秒…シャイニングフェニックスからの体固めにより勝者南利美!」
六角からフォールを奪った南がリング上で大歓声を受けている。
ついにアジアタッグ&新女認定タッグの2冠タッグ王者に南&市ヶ谷のクール&ビューティが勝利したのだ。
「オーホッホッホ…これが私たちの実力ですわ!」
「少々物足りなかったわね。」
これまでの2試合に比べるとずいぶんと短い試合時間になったのだが、この短期間で二人が成長したということだろうか。
これで優勝争いでも俄然有利になったかに見えたクール&ビューティだったが、最終的には2位という結果になってしまった。
勝てない相手ではなかったはずなのだが、楽しみは次回に持ち越しとしておこう。
そして…その後発表された女子プロレス大賞では新風が吹き荒れた。
☆ジュニアベストバウト コリィ・スナイパーVSソニック・キャット
☆タッグベストバウト ガルム小鳥遊&十六夜美響VSコーディ&メガライト
☆ベストバウト ガルム小鳥遊VS南利美(両国コロシアム大会メインWIND MAX WIND初代女王決定戦)
☆最優秀新人 零
☆最優秀外国人 ダークスター・カオス
☆女子プロレス大賞(MVP) 南利美
なんと全ての部門を制覇したのだ。これにはさすがに驚いた。
「まさか…でしたな。」
「ええ…」
「さすがに…私も驚いたわね。」
MVPは小鳥遊かも?と思ってはいたのだが、南とは。
やはりここまで3年連続でMVPをとってきた女帝パンサー理沙子を3タテしたのが効いているのだろうか。
「こうなったら、来年はMAX WIND女王としてMVPをとるしかないわね。」
「させるかよ。」
女王小鳥遊とMVP南。二人が並び立つという面白い図式になりそうだな。
第2部飛翔編-11へ
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思えば、前作では、伊達ちゃんに阻まれ獲得出来なかったMVP
その栄誉を団体で最初に獲得するなんて・・・本当におめでとう!!
これで、後はMAX WINDを奪取するだけですね
前作でなれなかった、『真の団体のエース』を目指してこれからも頑張って下さい