”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第8弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
※ジャンル:ラブコメ?
N版 第8弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
※ジャンル:ラブコメ?
最近食欲がわかない。
私はプロレスラーにしては食が細いほうですけど、最近は特に食べられません。
「・・・美月ちゃん・・・食べないの?・・・」
と答えを返す前に私のおかずに手を伸ばしているのはノエルさん。
本名は”白石なぎさ”さんなのだけど、リングネームのノエルで呼ばないと機嫌が悪くなる。
「はい、食欲があまりなくて・・・」
「もぐもぐ・・・そうなの・・・誰が?」
「私です。」
「ふーん・・・もぐもぐ・・・美月ちゃんがどうしたの?」
相変わらずの天然具合。
この人だけは分析が難しいと常々思う。
ちなみにノエルさんが食べているのは、私のおかず。
返事をする前にすでに食べていた。
ノエルさんはいつもぼ~~っとしているけど、食欲は旺盛。
もっともそうでなくては、あれだけのパワーは出せないだろう。
「でもさ、本当にどうしたの美月ちゃん?いつもはもっと食べるのに。」
といってきたのは相羽和希さん。“一応”先輩です。
「いえ。なんだかよくわかりませんが、食欲がないんです。」
「ふーん。美月ちゃんがわからないなら、ボクがわかるわけはないけれど、ちゃんと食べなきゃダメだよ。」
最初から期待なんかしていない。だって“和希さんだから”。
「そうですね。」
「本当に食わないとダメだぞ~、美月。お前は体重増やさないとな。パワー不足なんだから。」
「まあ増やしすぎるのもよくないけどね。この子はあなたと違ってパワーレスラーじゃないのだから。」
と対照的意見の二人組が登場しました。
体重を増やせといったのは、炎をイメージさせるコスチュームが特徴のマッキー上戸先輩、もう一人は、氷をイメージするラッキー内田先輩です。
このお二人はジューシーペアというコンビを組んでいることで有名ですが、基本的には意見が合いません。(これも有名な話です。)
暴走しがちなマッキー先輩を内田先輩が上手く制御している印象です。
ちなみに私は内田先輩を尊敬しています。
「いえ、私の分析ですと、今の体重がほぼベストです。増やせるとしたら後1キロでしょう。それ以上増やすとスピードが落ち、私の持ち味が活かせなくなります。」
「・・・」
「それよりも、マッキー先輩は筋肉のバランスが偏っています。もう少し足腰を強化したほうがいいと思います。体脂肪率を2%落として、体重は変えないことですね。」
「いやな後輩だよ、コイツ。あーつまんねえ。」
マッキー先輩は私を睨むと自分のテーブルに戻ってしまいました。
「あはは。さすが美月ちゃん。はっきり言うわね。」
「ごめんなさい。つい・・・」
「いいのよ。それぐらいの方が・・・あら、社長だわ。」
内田先輩が社長と言った瞬間、私の心臓の鼓動がいつもより早くなりました。
「よう。これファンから贈られてきたんだけど、みんなで食べなよ。」
社長は一杯に抱えた箱をどさどさとテーブルの上におきました。
「・・・コレ・・何?」
とノエルさん。
「ファンからの贈り物のお菓子だよ。結構いい品揃っているぞ。」
社長はニコッと笑いました。
あれ・・・まただ。
私の心臓がドキドキして、なんだか脈まで上がっていきます。
「うん?」
社長は私のほうをみて、首を傾げました。
そして何かに気づいたかのようにこちらへと向かってきます。
ドキドキドキドキ・・・
「美月、どうしたんだお前?こんなに食べ残して。どこか悪いのか?」
「いえ・・・別に・・」
「うーん顔が赤いな・・・」
社長は右手を伸ばして、私のオデコにさわります。
「ヒッ!」
「うわっ!なんだよ、その反応・・・」
「社長嫌われているんじゃねえの~?」
とマッキー先輩の声。
私は、社長の事を嫌ってなんかいません。
「・・・そ、そうなのか?」
社長はショックを受けたようです。
「社長・・・嫌われている?」
とノエルさんが空気を読んだような、読まないような発言。
ガックリと肩を落とした社長。
「あの、嫌じゃないです。その・・・驚いただけで・・・」
私は何を言っているんでしょう。
「そうか。」
と社長は改めて私のオデコに右手を当てます。
「うーん・・・ちょっとわからないな・・・」
どきどきどき・・私の心臓は高鳴りっぱなしで、脈が上がって、どんどん体温が上がっていくような気がします。
「やっぱり、こうししないとわからないな。」
社長は私のあごに手をかけて上を向かせると顔を近づけてきます。
まさか、こんなところで・・・きゃ~っ。
ぷしゅ~っ!
“ただいまファイティングコンピューター再起動中 しばらくお待ちください”
変な想像をしましたが、みんなの前でそれはありえませんね。
社長は自分のオデコと私のオデコをくっつけます。
社長の体温を感じ、私はどきどきが止まらなくなりました。
「大丈夫みたいだな。」
「あっ・・・社長・・・なにやら眩暈が・・・」
といってわざとらしく倒れこんだのはフレイア鏡先輩。
「おい大丈夫か、鏡!」
社長は血相を変えて倒れた(ふり)の鏡さんに駆け寄ります。
甘いですね。私の分析によれば100%の確率でダウトです。
「ああ、社長・・・熱があるのかも・・・」
「よし、どれどれ・・・と顔を近づけたとたん。鏡さんは、色っぽい手つきで社長の首に腕を回すと、ぐいっと引き寄せます。
「ぶわっつ。」
あろうことか社長の顔は鏡先輩の豊満なバスト・・・いえ胸に挟まれ、オデコだけが鏡さんの目の前に・・・
「うふふふふ。社長ったら、大胆ですわね。」
「モガ、モガモガモガ・・・」
どうやらお前がやったんじゃないか!と抗議している様子ですが・・・
「えい。」
鏡先輩は社長のオデコに自分のオデコをくっつけます。
「うふふふふ。社長、体が熱くなってきていますわ。」
「モガモガ・・・」
「ああ、社長と一緒に私まで体が熱く・・・」
「やれやれ・・・」
マッキー先輩と内田先輩が割って入って、ようやく社長は鏡先輩の魔手から解放されました。
「残念ですわ。せっかくでしたのに。社長、今度は二人っきりで楽しみましょう。」
「お前なあ・・・」
私はちょっとだけ鏡先輩がうらやましいと思いました。
なぜ?なぜでしょうか。私は自分の事がわからなくなってきました。
「もう、帰るわ・・・」
社長はどっと疲れた様子で出て行きます。
私はその社長の背中をじっと見ていました。
「ふ~ん、なるほど。」
私の様子を見ていた内田先輩が何かをつぶやきました。
その夜、私の部屋の扉をノックする人がいました。
「はい。」
「私よ。」
「内田先輩!どうされたんですか?」
私は予期せぬ来訪者にちょっとだけ驚きました。ちょっとだけですよ。
「ちょっとね。いいかな?」
「はい。どうぞ。」
私は内田先輩を招き入れました。
「へえ、美月って勉強好きなのねえ。参考書とかばかりじゃない。」
「はい。高校レベルの学力は身につけたいと思っていますし。」
「そっか。ところで、美月・・・最近食欲ないわよね?」
と内田先輩は真面目な顔で聞いてきます。
「はい。なぜかはわかりませんが。」
「うふ、私わかったのよね。美月の食欲がない理由。」
「えっ・・・私が分析できないのにですか?」
私は驚きました。
「うふふ、そうよ。お姉さんからすれば“簡単な事”なのだけど、美月にはエラー連発かもね~。」
「どういう事でしょうか?確かに自分でもどう対処していいかわからなくて、本当にエラー連発です。実際プログラムを組んでいても、エラー連発してしまいますし。」
「重症ね。」
「重症!?ですか?」
私はびっくりしました。ちょっとだけですけど。
「そうよ。あなたは重症のコイワズライなのよ。」
「コ、コイワズライ?」
そんな病気があったというのは聞いたことがありません。
新種の奇病なのでしょうか。
「そうよ。これにかかると、何も手につかなくなり、動機、息切れ・・・不眠症、集中力の欠如・・・食欲不振・・・ほかには・・・えーとえーとエトセトラ♪・・・といった症状がでるのよ。」
「・・・!」
「美月はいくつかその症状に当てはまるわ。」
「治るのでしょうか?」
という私の言葉に内田先輩はちょっと驚いた様子です。
「・・・美月、それだけ勉強しているのに、恋煩いがわからないの?」
「初めて聞きました。確かに医学の本は読みますが、載っていない名前でしたので。」
そう、私の読んだ医学の本には載っていない。
「・・・そう。じゃあもっと簡単に言うわね。”あなたは、恋をしている!”」
「恋?恋って異性を好きになるっていうアレですか?」
「そうよ。」
「そんな。私は今まで男の人に興味はありませんでした。それに今も興味はありません。」
「嘘ね。」
内田先輩は確信を持っているようです。
「嘘じゃありません!」
「いいえ、あなたは社長に恋をしているのよ!」
内田先輩は私を右手の人差し指でビシッと指差して断言しました。
「そ、そんな・・・」
でも、そうなのかもしれません・・・社長の顔が思い浮かびます。
「あなたは明らかに社長に恋をしているわ。でも、社長は鈍いからねえ大変よ、攻略するのは。」
「・・・」
「あれだけ鏡さんがモーションかけているのにいまだに陥落しないのだから。」
「・・・」
「それに鏡さんだけじゃないのよ。“あの無愛想な子”もどうやら社長の事が好きみたいだし、あと私の同期のあの子も“人見知りな癖に”社長とだけは嬉しそうにしゃべるのだから。ライバルは多いわよ。」
「・・・」
「お姉さんとしては、可愛い美月ちゃんに頑張ってほしいかな~なんて思ってるけど。」
「・・・」
「ま、そういうことだから。応援しているわよ。」
内田先輩は言いたい放題言うと出て行ってしまいました。
鏡先輩だけでなく、伊達先輩、武藤先輩も社長のことが好きなのですね。
うーん、社長ってそんな美形ではないと分析できるけど、でもでも・・・
わからないです・・・
ひとまず寝ます・・・
(終)
“出演者控え室”
「出番はないの。そうわかったわ。」
「武藤先輩は11番での主役ですから。」
「本当にそうかしら。なんとなく私ではなくあなたの話の続きになりそうだけど。」
「わかりませんよ。他の川柳を流用して南さんかもしれませんし。」
「それにしてもこの設定の社長はモテモテね。」
「天地○用!とか・・・ですかね。分析すると」
「それを意識したわけじゃないみたいだけど、結果的には、少年誌にありがちなラブコメになっているわね。」
「マ○ジ○でいうところでは、無意味に主人公がモテル、涼○とか某ネギのような感じでしょうね。」
「ということで、このお話は視点を変えて、11番に続くかもしれないみたいよ。」
(終)
“恋心エラー連発処理困難”
主演 杉浦美月(CBT)
出演 ラッキー内田(ジューシーペア)、フレイア鏡、マッキー上戸(ジューシーペア)、ノエル白石(CBT)、相羽和希(CBT)、社長
“出演者控え室”
出演 杉浦美月、武藤めぐみ
harutoさんの川柳をもとに構築しています。
また、川柳SSチャレンジャーseizannさんの影響を受けて鏡さんを絡ませています。
さて、11番のむとめ心にseizannさんと、どう違いを出すか悩みますね。
Yatterzoooさんの9番とは違うタイプの9番に仕上げてみました。
キャラの恋愛話には抵抗アリナシあると思いますが、あえて王道的なコースを選択しています。
とはいえ、私はこういう話は上手くかけませんねえ。
正直恋愛小説はかけませんね(苦笑)
この設定は11番にも使いますヨ。
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読みに参りました。
あの句がここまで物語としての広がりを持ったことに感嘆しております。
これだけの質と内容なら、自分がこの後書く必要はないと思いました。自分があの句を作るに当たって、色々と考えたことが出ていましたので(笑)
鏡さんを対比的な存在として登場させたのが、より話を読みやすくしていたと感じました。
あの鏡さんをもってしても陥落しないんだから、美月さんも大変な人を好きになったものです(苦笑)