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2024/03/29 08:44 |
『もう一度あの日のように~再会~その23「remind(思い起こす)」』
NEW WIND社長 風間 新 手記より。

※このお話は、長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の、『その後のお話』です。
 ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
 お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
 単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。

 ※※ご注意事項※※
 ストーリーの都合上、登場人物の設定にオリジナル要素が加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。


「伊達遙と南利美は選手としても第1線で活躍し続けたが、その一方で後輩の育成にも力を入れていた。伊達遙は、風間社長の要請で兼任コーチに就任。3年後輩になる永沢舞をマンツーマンで鍛え上げた。デビュー当初は元気なだけが売りだった永沢が、後にトップクラスの選手へと成長したのは、伊達遙の指導と本人の頑張りの賜物だろう。自然と二人がタッグを結成する機会が増えると、二人はファンから『師弟タッグ』と呼ばれるようになり、大いに愛された。」
 永沢のピンチに、カットに入り、ヒザで相手を蹴散らす伊達。
「一方の南利美は、コーチには就任しなかったものの、デビュー当初からコーチ的な役割を自然と担っていた。同期、そして後輩をその背中で引っ張り続け、常に後輩の手本になるような姿をリング上で見せ続けた。選手生活終盤は7歳年下の妹である、6期生ハイブリット南の育成にエネルギーを注いだ。」
 よく似た妹へと指示を出す南。
「後輩を育成するという意味でもいいライバル関係だった二人であったが、やがてスカイブルーのマットを去る時が来る。先に引退を決意したのは南利美の方であった。1期生の主力として常に第一線で戦い続けた南利美の体には激戦のダメージが蓄積しており、満足に戦える状態ではなくなっていたのだ。しかし、そのような状態であっても南利美は南利美であり続けた。常に完璧な試合を目指すスタイルを崩さず、衰えを自覚しながらも、妹ハイブリット南との姉妹タッグでタッグ王座につくという夢を果たす。」
 タッグ王座を戴冠し、姉妹でベルトを巻いた時の映像が流れた。あの時は感動したなあ。
「そして…南利美はNEW WIND旗揚げ9年目を目前にした8年目2月、NEW WIND旗揚げの地である福岡県にある九州ドームでの大会で、永遠のライバル伊達遙と最後の死闘を繰り広げ、愛し続けたスカイブルーのリングから去ったのだった。」
ビジョンには南利美VS伊達遙…最後の戦いの映像が流れはじめた。
伊達の必殺技シャイニングフェニックスをくらい万事休すかと思われた南だが、カウント2.99で肩をあげる。古いファンはその場面を見て歓声を上げ、新しいファンは伊達の必殺技の威力に驚き、そして南の粘りに再び驚きの声を上げた。
 私は思わず当時を思い出し、熱いものがこみ上げてくる。あの時は…シャイニングフェニックスが決まった段階で、誰もがもう返せないだろうと思った。それだけにフォールを返した時には凄い歓声が沸きあがったものだ。
 とどめを狙う伊達が再びシャイニングフェニックスを狙うが、南はそれを上手くかわして、バックをとった。そこから、足を引っかけてテイクダウンを奪うと、必殺のネオ・サザンクロスロック!!
「おおおっ!」
 VTRにも関わらず、場内から大きな歓声が上がった。南の華麗なテクニックに驚嘆の声を上げたのだろうか…それにしても、この瞬間の会場の盛り上がりは最高だったよな。『南利美の現役ラストマッチ。勝利で飾って欲しい!』という皆の想いが大歓声に繋がったものだ。だが、結果的にはこの技が南利美の現役最後の技になった。
 ネオ・サザンをなんとか耐え切った伊達が、涙を流しながら放った必殺のシャイニングフェニックス。この技で最後のスリーカウントを聞き、南の現役生活は終わりを告げたのだ。
「伊達遙はその後も2年近く現役を続け、主に弟子永沢舞とのタッグで活躍した。だが伊達遙もやがて引退を決意する。旗揚げから10年目の10月、伊達遙は愛弟子永沢舞と最後のシングルマッチで敗れ、スカイブルーのリングを後にした。」
 永沢とのファイナルマッチの映像が流れる。
伊達は、永沢の強烈なデスバレーボムをカウント2.8で返して、お返しのデスバレー!
 デスバレーは伊達が使っていた技で、それを永沢がタッグを組んでいるうちに、自然とマスターした技だ。これは、ある意味恩返しといえるのかな。永沢がこれをカウント2・8でクリアすると、伊達はすかさず渾身の必殺シャイニングフェニックス!
 もの凄い勢いで永沢がダウンし、大きな歓声が上がったが、なんと永沢はこれをカウント2.9で上げた。シャイニングフェニックスをクリアした永沢は、逆にシャイニングフェニックスを伊達に叩き込み、偉大なる鳳凰の“魂を受け継いでいる”ことを証明した。    そして最後は…伊達から授かった技であり、永沢が若手時代からフィニッシュホールドとして愛用しているテキーラサンライズで伊達がマットに沈んだ。
 なおこの試合は、仲間リングアナが、唯一まともに試合終了コールができなかった試合としてファンの間では有名な試合である。気持ちはわかる。今みても泣けてくるよ。
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2008/04/22 19:00 | Comments(0) | もう一度あの日のように

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