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新たなる風のはじまり~ファイナルマッチ~4

NEW WIND社長 風間新~手記より~

※なおレッスルエンジェルスサバイバー1版NEW WIND編の大幅改訂版となります。



「おおっ!」
 場内から歓声があがった。伊達戦において片膝をつくということは、大ピンチであるということはファンも十分理解しているということだろう。
「チャンス、遥さん!」
 永沢の声が飛ぶのとほぼ同時に伊達は一瞬で南との差を詰め、がら空きの顔面めがけて右の膝蹴りを放つ。
「くっ!」
 これを南は両腕でブロックしたが、これも一瞬遅い。ガードを突き破って伊達の膝が南の頬に突き刺ささる。
「がっ……」
 のけぞった南を捕まえた伊達は、そのまま引き起こすと至近距離から腹部へと膝を連打で突き刺す。 
「タアッ! タアッ! トアッ!」
「がっ……ぐあっ……うぐっ……」
 伊達の”暴れん坊なヒザ”が容赦なく南の体力を削っていく。
「みっなっみっ! みっなっみっ! みっなっみっ!」
 場内から南コールがわきあがる。
「とあっ!」
 伊達はその南コールをかき消すように膝を連打連打連打! 伊達の膝が撃ち込まれるたびに、南の体が浮き上がる。
「……なろおっ!」
 10発目の膝を南は左腕で抱え込む。
「おおっ!」
 場内から歓声があがった。ファンはこの状態から出される技をよく知っているのだ。
「くっ!」
 ……当然伊達もこの体勢がどういう状況なのかはよく理解しているが、だがもう遅い。
「いやっっ!」
 南の右手が伊達の足に絡みついた瞬間、伊達の体は時計回りに一回転!
 サザンスクリュー! (南式ドラゴンスクリュー)から南は膝十字固めに移行する。
「あぐううっ……」
 伊達がうめき声を上げ、必死にロープへと手を伸ばす。
「遥さん!」
 永沢の声に反応し、じわりとロープに近づく。
「姉さん! 絞って!」
 セコンドについている妹の南寿美の声にこたえ、南はさらに絞りあげる。
「だ~て! だ~て!」
「みっなっみっ! みっなっみっ!」
 人気者の二人の対決だけに声援は互角。だが引退試合ということもあり、徐々に南コールに会場が支配されていく。
「ぬんっ!」
 南はリング中央に引き戻し、技をネオ・サザンクロスロックに移行した。
「うおおおおおおおおおっ!」
 地鳴りのような歓声がわきあがる。
「みっなっみっ! みっなっみっ! みっなっみっ!」
 これまで幾多の強豪をねじ伏せてきた、南の必殺技、ネオ・サザンクロスロック。この最後のリングでも、その輝きは色あせることはない。
「ぐうううっ……」
 しかし伊達もこの技には何度も何度も何度も煮え湯を飲まされてきたし、逆に耐えて耐えて耐えて、そこから逆転のシャイニングフェニックスを決めてきている。
「……この試合……負けるわけにはいかないっ!」
 伊達は南を背負ったまま一気にロープへとにじり寄る。
「くっ……」
 南が必死に絞りあげるが、伊達はなんとかロープへと辿りついた。


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2013/07/11 18:00 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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