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2017/05/01 07:24 |
新たなる風のはじまり~ファイナルマッチ~5
NEW WIND社長 風間新~手記より~

※なおレッスルエンジェルスサバイバー1版NEW WIND編の大幅改訂版となります。



「あ~っ!」
「いいぞ!」
 南ファンから大きな溜息がもれ、伊達ファンは逆に歓声をあげた。
「ピンチのあとにチャンスあり! あり! いけっ遥さん!」
 セコンドの永沢の声にこたえるように、先に立ち上がったのは技を仕掛けられていた伊達の方だった。一方の南の動きは緩慢で、スタミナを大きく消耗していることがうかがえる。
「伊達のチャンスかな……」
「そうとはかぎりませんよ……」
 私の独り言に対し、仲間君もつぶやくように答えてくれた。
「らあああっ!」
 伊達はチャンスと見て南につかみかかる。
「ヤッ!」
 それを見た南は鋭いスピンキック! そのスピードはいつもの南だった。ということはさっきまでの動きはフェイクだったのだろうな。
「……!」
 が、伊達は予測していたのか、そのキックをかわし、逆に強烈な飛び膝蹴り……”フェニックスJ”を南の顔面に叩き込んだ。
「かはっ……」
 倒れはしなかったものの、南の足元はふらついており、完全に効いている。それを見て、伊達は南のバックに回ると、両腕を大きく広げた状態でフック!
「あああああっ!」
「おおおっ!」
 悲鳴と歓声が入り混じる中、伊達の得意技”フェニックススープレックス”が完璧に決まり、南の後頭部が急角度でスカイブルーのマットに突き刺さった。
「ワンッ! トゥ! ス……」
 だがしかし、これを南はカウント2.8でキックアウト! 
「いいぞ、南っ!」
 場内からは大きな拍手が巻き起こる。
「姉さん! 立ち上がり気を付けて!」
 普段は冷静な寿美がバンバンとエプロンマットをたたきながら大声を出す。
「……わかって……る……うっ…」
 ダメージの大きな南は起き上ろうとして、無防備に片膝をついてしまった。
「勝機……見逃すわけにはいかないっ!」
 このタイミングを逃す伊達ではない。南の足を踏み台にして飛び上がると、両腕を大きく広げ、顔面への膝蹴り……シャイニングフェニックスを叩き込んだ。ゆっくりと後方へと倒れこむ南の姿に、「うああああああああああっ!」と大きな悲鳴が上がった。そして伊達は南の足を抱え、そのまま片エビで抑えこむ。
「終わったか……?」
 私と仲間君は試合終了を告げるゴングを鳴らす準備をしつつ、ダンディさんの動きに注目する。
「ワンッ! トゥ!」
 ダンディさんの右手が二度マットをたたく。まだ南は反応しない。
「みなみっ! 返せっ!」
「南さんっ!」
 この声援には、”まだ終わらないでくれ”という気持ちを込められているのが私でもわかる。この声援に応えない南ではないはずだ。
「ぬうんっ!」
 カウント2.9で南は肩を上げた。
「……まだ終われない……まだ……終わるわけにはいかない……」
 南の魂はまだ燃え尽きてはいない。
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2013/07/18 18:18 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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