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2024/03/29 14:24 |
NEW WINDの物語 第34話「師弟対決」
NEW WIND社長 風間新 手記より


 改訂版発行にあたり、編集部よりご挨拶。

 この作品は連載126回で終了した長編リプレイ『NEW WIND社長 風間新 手記』に大幅な加筆・修正を加えた作品です。
 以前の作品と比べると印象が変わる部分もあるかもしれませんが、より深みを増した風間新社長率いるNEW WINDの成長物語を楽しんでみてください。
(※今回はNEW WIND編のその43「クリスマスに送る師弟愛」に該当するお話です。)

 ◇ヴィクトリーロード最終戦◇。

 今日はクリスマス。
『こんな日に興行をぶつけて大丈夫なのか?』という心配があったのだが、いざふたを開けてみれば超満員札止め。タイトルマッチも組んでいないのに『国立代々木体育センター』(定員8000人)が埋まるとは思わなかったよ。
 今日のメインイベントは『永沢舞ヴィクトリーロード・ファイナル 永沢舞VSX 60分1本勝負』と発表してある。永沢はまだ対戦相手を知らないのだが、師匠である伊達との一騎打ちだ。これが今回の『本当のクリスマスプレゼント』なんだよね。
 もちろんこんな日に来場してくださったファンの皆様にもクリスマスプレゼントを用意している。
 そのプレゼントとは…スペシャルリングサイド席をご購入の方に、お好きな選手からのクリスマスケーキのプレゼント。もちろん指名した選手の手作りだ。
 この企画は好評でスペシャルリングサイド席は発売当日即日完売。なおケーキの指名人気は、1位氷室で、2位みこと、3位伊達となっている。どうやらファンは和風美人がお好みのようだ。
 興行は開始前から盛り上がり、それにつられるようにリング上では熱いファイトが展開され、そのままの勢いでメインイベントを迎えた。
「青コーナーより永沢舞選手の入場です!」
永沢らしい元気のいいテーマ曲が流れ、永沢が引き締まったいい表情で入場してくる。花道の途中でガウンをセコンドに投げ、ダッシュでリングイン。飾りはいらないという事か。
「赤コーナーより伊達遥選手の入場です!」
 伊達のテーマが流れると場内から大歓声があがった。ここまでの試合で伊達が出場していないことからも、バレバレだと思われたXだったが、観客の盛り上がりは期待以上だった。いつも以上に気合の入った表情の伊達遥が、エースの風格を漂わせながら堂々と入場。その目はリング上の永沢の姿を捉えている。師匠としてではなく、1人のレスラーとしての目だ。
 
 伊達は徹底した容赦のない攻撃を見せる。永沢が投げ技を狙って組み付こうとすれば、『暴れん坊なヒザ』で永沢のボディを貫く。
「がはっ…」見ているこっちまで息が苦しくなる重い一撃だ。
「てえええいっ!」
ならば!と永沢は打撃で状況を打開しようとするが、打撃センスは伊達の方が上だ。難なく永沢の打撃はかわされ、カウンターで伊達の重い打撃をもらってしまう。
「ぐっ…くっ…」
 ふらつきながらも、永沢はどうにか組み付き、得意技の一つであるブリザードスープレックスを何とか決めたが、伊達はこれをカウント1で返す!
そしてそのまま掟破りのドラゴンタイガーを狙うが、さすがに永沢が嫌い、大暴れしてクラッチを切る!だが、伊達はフェニックス・スープレックスに技を即座に切り替え、華麗に投げ飛ばした。
フォールは許さず、永沢はドラゴンタイガー狙いをアピールするが、即座に伊達に潰される。1度目はラリアートで潰され、2度目はドロップキックが永沢の喉を打ち抜いた。
これは『安易なアピールをするな!』という師匠からのメッセージなのだろうな。
それが伝わったのか、永沢はアピールなしでドラゴンタイガーいや『テキーラサンライズ』をようやく決める。
 伊達の指導で会得した永沢舞の最高必殺技。だが伊達は、これをカウント2でクリア。
 この直後に伊達の『シャイニングフェニックス』一閃。
必殺技をカウント2で返された永沢には伊達の必殺技を跳ね返すだけの力は残っていなかった。
「20分4秒、シャイニングフェニックスからの体固めで勝者、伊達遥!」
ダウンしたままの永沢を見下ろしながら、伊達が珍しくマイクを要求した。
知っての通り伊達はあまりマイクが得意ではないのだが…
「…舞……今日の勝負…面白かった。またやろうね。」 
この伊達のアピールに客席から拍手・歓声。
 セコンドの吉田の肩を借りて立ち上がった永沢は「勝ち逃げはさせませんよ!勝つまで追いかけます!追いかけます!。」と力強く宣言した。
伊達は満足そうに頷いてそれに答えると、それ以上言葉を発することなくリングを後にした。

 そして…試合後のバックステージ
「アイタタ…遥さん容赦なさすぎです。」
 あちこちを腫らした永沢がブーブー言っている。
「未熟だから…そうなるの。」
伊達は永沢の腫れた頬を突付く。
「痛っ!遥さん…痛いです。」
「もっと強くなるの。」
「はーい。頑張ります!」
 
 なおケーキの後日談となるが、アンケート集計の結果…クリスマスケーキで一番評判がよかったのは永沢のケーキだった。
「勝った~!!やったあ」と喜ぶ永沢の横で、うつむく伊達。
 その後 調理場で奮闘している伊達の姿を目撃したという情報がいくつか入ってきた。
「バレンタインで…勝ちます…」 と言ったとか言わなかったとか。
 こうして今年の興行は全日程を終了したのだった。


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2008/07/08 18:00 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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