初挑戦となるDQ2ものです。
今回も主人公(ローレシアの王子)はルーザーです。
今回も主人公(ローレシアの王子)はルーザーです。
「おお!ローレシアの王子ルーザーよ、よくぞ参った。」
サマルトリアの国王はそういってルーザーを出迎えてくれた。
「ありがとうございます。この旅のムーンブルクの一件…」
「わかっておる…わが息子トンヌラもムーンブルクの様子が気になっておってな。」
トンヌラはルーザーより一つ年下、ルーザー程ではないが、腕が立つうえに呪文も使える。
「して、トンヌラは?」
「それがな…ムーンブルクへ向かって旅立つため、出かけたぞ。今頃は勇者の泉に向かっているころであろう。」
「勇者の泉か…」
ルーザーはサマルトリアの王子を追いかけて、サマルトリア城のはるか北東にある勇者の泉へと向かった。
「まったく…遠くて困るぜ。」
モンスターを蹴散らし、薬草を塗りこみながら泉へとたどりついたルーザーだったが、待ち受けていたのは「トンヌラはすでにローレシアへと向かった」という情報だった。
「くそっ…一足違いだったか…」
腹いせにキングコブラを蹴散らしながら洞窟を出るルーザー。急いでローレシアへと向かうが、道のりは長い。
「たあっ!」
一人で複数のモンスターと戦うという孤独を感じながらもルーザーはローレシアへと戻った。
「おお、ルーザーよ。よくぞ戻ってきた。」
久しぶりに息子の姿を見たローレシア王はとても嬉しそうだった。
「…トンヌラ王子は?」
感動もなにもなく、すでに披露困憊となっているルーザー。
「トンヌラ王子なら、ここへ来たぞ。」
王はのんびりと答える。
「今、どこに!」
「…今はもうおらぬ。ルーザーを探しにきたようらしいのだが、すでにサマルトリアへと向かっていると知り、後を追ったぞよ。」
「くそっ…また行き違いか…」
ルーザーは踵を返してサマルトリアへと向かった。
「うりゃっ!」
「ピキイッ!」
「うらあああっ!」
「グアアアッ!」
旅立った頃よりも大分逞しさをましたルーザーはスライムやアイアンアントを余裕で蹴散らして、サマルトリアへと到着した。
「…ぜい、ぜい…トンヌラ王子は?」
「ぬ?ルーザー王子ではないか。息子なら勇者の泉にいくとでかけたきり音沙汰ないが…」
心配をしているのかしていないのか…のんきなサマルトリア王と比べ、ルーザーは随分とあせっていた。
「くそっ…無駄足か。」
ルーザーはすぐに王の間を辞す。
「ねえ、ルーザー。」
サマルトリアの王女が声をかけてきた。
「お兄ちゃんを探しているの?」
「ああ。」
煩わしいとは思っていても、ちゃんと応対するルーザー。
それは彼が女性に甘かったし、それに王女まだまだ子供ではあるが可愛らしい。
「お兄ちゃんは、のんびりしてるから。どこかで道草でもくってるんじゃないかなあ。」
「どこかってどこだい?」
「うーん、それはわかるでしょルーザー。ローレシアを出発して、ここサマルトリアに向かう間に道草するところなんて…」
「リリザの町か!」
「絶対だとはいえないけど、その可能性は高いと思うな。お兄ちゃんの性格がこの数日で変わってなければね。」
えっへん!と胸を張る王女。
「サンキュー、姫。」
ルーザーは元気に走り出していた。
「もう。せっかちなんだからっ!」
そしてリリザの町。
宿屋へと飛び込んだルーザーは見覚えのある顔を見つけた。
「あれ、もしかして、ルーザー王子じゃ!ひでぶっ!!」
挨拶が終わらないうちにルーザーの右拳がトンヌラの左頬にめり込んでいた。
「な…なんでえっ?」
「苦労させやがって!!」
ルーザーはこれまでのことをトンヌラに話した。
「それはごめん。でもだからといって殴ることはないじゃないか。」
「ふん…」
ルーザーは薬草を塗りこんだ。
「あいたっ…しみる~っ。」
「まあこれからよろしくな。」
「ああ、よろしく。道草はしないようにするよ。」
「そうしてくれよな。」
こうしてローレシアの王子ルーザーと、サマルトリアの王子トンヌラは合流することができたのでした。
「待ってろよハーゴン!」
まだ見ぬ敵に対し闘志を滾らせる二人でありました。
PR