NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は全126話で終了した長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の その後のお話 です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
設定などにはゲーム上ではできない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
また、単独でも楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WINDに準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は全126話で終了した長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の その後のお話 です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
設定などにはゲーム上ではできない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
また、単独でも楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WINDに準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
NEW WIND17周年記念興行 新日本ドーム大会がついにはじまった。
入場式では“レジェンド”を除く全参加選手がリングに上がった。
なぜレジェンドを入場式から外したのかといえば、レジェンド目当ての集まったかつてのファンの人達に、現在進行形のNEW WINDを見てもらいたかったからだ。
「では、選手を代表いたしまして、『MAX WIND女王』マイティ祐希子選手より、一言ご挨拶をさせていただきたいと思います。」
吉崎リングアナは祐希子にマイクを渡した。
(うちのメインリングアナだった仲間リングアナが退社した為、若手の営業職員だった吉崎君がリングアナを務めている。)
「本日はお忙しい中、また多くの娯楽がある中で、NEW WIND17周年記念興行新日本ドーム大会へお越しいただき、まことにありがとうございます。」
場内から拍手。
「本日は、NEW WINDの一期生、伊達遥選手・南利美選手の一夜限りの復帰戦ということで、NEW WINDを久しぶりに観戦される方も大勢いらっしゃると思います。…伝説の選手が復帰なさるということで、現役である私たちもドキドキしています。」
ここで祐希子はいったん言葉を切ると、大きく息を吐き出した。
「…でも、今日の主役は私たちです。ここにいる選手一同、もてる力を全て出し切って、120%完全燃焼し、皆様に熱いファイトをお届けすることをここに誓います。最後まで熱く燃えてください!本日はまことにありがとうございました!!」
『伝説には負けられない。』
そんな祐希子の想いが詰まった挨拶に、大きな拍手が巻き起こった。
そして、会場だけでなく、祐希子の熱い想いは他の選手たちにも大きく影響したのだった。
『第1試合 シングルマッチ30分1本勝負 藤島瞳VSフォクシー真帆』
普通なら新人の試合を持ってくるところだけど、今回は過去の経験を踏まえて、キャリアのある藤島を起用した。
藤島は歌手として新日本ドームコンサートも成功させており、大観衆にもまったく動じることはないし、それに藤島には人を惹きつける力がある。
藤島が花道を歩いて入場してくるだけで、会場は盛り上がるのだ。
先に入場した真帆は、獲物を睨みつけるように、藤島の入場を待っている。
「赤コーナーより、『絶対無敵のアイドル』藤島瞳選手の入場です。」
会場の照明が暗くなる。
藤島の入場テーマであり、彼女のヒット曲である『西陣の風』のイントロが流れると、会場にいる藤島瞳ファンたちがペンライトを左右に振る。
ピンスポットがステージを照らすと、マイクを右手に持った藤島が姿を現す。
「ひっとみちゃ~~ん!!」
ファンの声援が一斉に飛ぶ。ここまで一体になれるのはすごいな…
さすが応援団長の螢野光氏に鍛えられているだけの事はある。
藤島は花道を歌いながらゆっくりと歩いていく。
大会場での藤島の入場シーンではお馴染みとなった光景だが…やはりすごいよな。
『アイドルの~ 限界超えて~見せるわよ 西陣の 風が駆け抜け~ 瞳舞う~』
一番が終わるところで藤島はコーナーへと登り、マイクと、西陣の羽織を天高く放り投げた。
「赤コーナー京都府出身『絶対無敵のアイドル』ふじしま~ひと~み~~!!」
藤島は単なるアイドルにしかみえないだろうが、タッグ王座戴冠暦もある立派なプロレスラーだ。
レスラーとしての素質という面では決して恵まれているとはいえなかった藤島だったが、努力に努力を重ね、少しずつだが確実にステップアップしてきていた。
さすがに年齢的にこれ以上の上積みは見込めないが、アイドルとレスラーを立派に両立している。
基本的にはプロレスラーであり、レスラーとしてのアイドルタイム(空き時間)にアイドルとして活動を行っているのだ。
対するフォクシー真帆は、藤島の雅で可憐な印象とはまったく逆で、“野生児”という言葉がぴったりだと思う。
『フォクシー』というリングネームのギミックとして『山で狐に育てられた』ということになっているが、普段の言動から誰もそれを疑っていない(苦笑)
私も、それがギミックだったのか…それとも本当のことだったのか、区別ができないくらいだ。(むしろ本当だと思っているかもしれない。)
とにかく、野生的であり…よくいえばワイルドなのだよね、うん。
「ハラヘッタぞ~!」
真帆はそう叫ぶと、藤島の顔に噛み付いた!
場内から悲鳴と、どよめきがもれる。アイドルの顔面に噛み付くとは…なんという暴挙。
「1・2・3・4!」
4で離した真帆は、満足そうな笑みを浮かべ、「お前の顔、ウマいな。」と一言。
「ブー!ブー!ブー!」
場内から容赦のないブーイングが飛ぶ。
「いったいわね~~!よくも私の大切な顔を!!!」
反撃しようとする藤島のキックをかわし、真帆はさらにヘッドバット…いや、真帆の場合は本能に任せた頭突きだな…で藤島の顔面を破壊しにかかる。
存在自体が完全ベビーフェイスの藤島は、こうやって少々荒い試合をされたほうが引き立つ。
「ひ・と・みっ!ひ・と・みっ!」
「藤島~っ!!」
声援は全て藤島に集中する。
真帆のラフファイト…というか本能のままの攻撃を受け、劣勢に追い込まれた藤島だったが、ローリングソバットからフライングニールキックへのコンビネーションで形成逆転。
シャイニング西陣(閃光式ボディアタック)で真帆をダウンさせて、コーナーへ駆け上がる。
「これで終わり!」
藤島の雅なる舞、ヒトミツイスタープレスが炸裂し真帆はそのまま3カウントを聞いた。
「只今の試合は、15分10秒、15分10秒。ヒトミツイスタープレスからの体固めで、勝者藤島瞳!」
「私はね、絶対無敵のアイドルなんだからね!」
ナチュラルヒール(?)の真帆の暴走もあり、ベビーVSヒールの図式になった第1試合は、会場の声援を一身に受けた藤島が見事な逆転勝利。
これには会場も大盛り上がりであり、つかみとしては十分すぎる試合だったと思う。
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ゆっこさんの現王者としての自負と、抑えきれぬ情念のこもった前口上がいいですねぇ。
そして、第一試合からみっちりと作り上げられて行く会場の空気に、ワクワク感が高まってまいりました。藤島さんの第一試合起用は、ドームということを考慮するとなお非常に良いマッチメイクだなぁ。
マスターシュ黒沢としても今後の展開に大いに期待しておりますっ(斜に構えつつ)