NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』および続編『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などのオリジナル要素が設定として加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』および続編『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などのオリジナル要素が設定として加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
そして大会は、メインイベントのMAX WIND女王戦を迎えた。
「本日のメインイベント、MAX WIND女王戦60分1本勝負を行ないます!」
当初はダブルメインイベントとして発表したが、NEW WINDのメインイベントはMAX WINDこそが相応しいと私達は判断した。なお、本日の対戦カードにはこのように記載されている
☆セミファイナル ミドル・ウインド選手権試合60分1本勝負
(王者)スターライト相羽 VS ジーニアス武藤(挑戦者)
☆メインイベント MAX WIND女王戦60分1本勝負
(女王)マイティ祐希子 VS ビューティ市ヶ谷(挑戦者)
休 憩
☆特別試合 スペシャルシングルマッチ~再会~60分一本勝負
伊達 遥 VS 南 利美
あくまでも通常の興行のメインはこのMAX WIND女王戦だ。伊達と南の特別試合は、全試合終了後に行なう形をとる。こうすることで、現役選手たちは最後に控える特別試合を意識した試合を出来るし、特別試合に出る二人は、現在の流れを損なうことなく思う存分試合をすることが出来る。観客は比較をするだろうが、これは仕方がない。選手達はお互いに負けないような試合を魅せるしかないのだから。
すでにここまでの試合に出場した全員が、『現役の意地』を見せてくれた。『最後に登場するOGに負けることはできない!』と持てる全ての力を出し切って、みんなレベルの高い試合をしてくれた。今日の質の高さなら、スカイブルーのリングが一番輝いていた頃と比べても遜色ないだろう。あとは、現役選手の代表同士が激突するメインイベントが、最高の輝きを放つことができれば興行は成功といえる。
逆にメインがこけるようだと、大会の印象がガラッと変わってしまう。このメインイベントは責任重大だった。だが、その責任にメインに出場した二人は、期待にきっちりと応えてくれたのだった。
二人は過去に何度も何度も対戦しているが、今日の試合が今まで一番熱い試合だった。
すでに絶対女王と化したマイティ祐希子はここまで揺るぎない強さで女王の座を守ってきたが、今日のビューティ市ヶ谷は、今までの挑戦者の中でも最強の強さを発揮した。
「オーホッホッホ!これでも喰らいなさい!」
市ヶ谷はビューティフルかつパワフルな得意のビューティボムを試合序盤から惜しげもなく連発し、試合のペースを確実に握った。時には高速で、時にはハイアングルで、時にはクイックモーションで…次々とビューティボムを放つ市ヶ谷。
その度に場内からは女王移動を期待した大きな歓声が上がったのだが、絶対女王マイティ祐希子はタフだった。
「やらせないっ!」
何度も何度もボムを決められたが、ことごとくそれを跳ね除ける。しかも必ずカウント2.5以内にキックアウトしているのだから凄い。
そして、試合時間が55分を過ぎても両者は白熱の死闘を繰り広げていたのだった。
「私の前にひれ伏しなさい!」
華麗かつ力強い必殺のビューティボム!
「誰がっ!」
祐希子は、なんとカウント1で肩をあげてみせた。
「このおっ!」
なおも掴みかかる市ヶ谷に対し、祐希子はカウンターの膝蹴りを打ち込む。
「でえいっ!」
スクラップバスターで叩きつけると素早くコーナーへと駆け上がる。
試合開始から60分近いというのに凄いスタミナだ。
「心も体も全部熱くってたまらないの!」
ビューティボムへのお返しとばかりに、必殺のムーンサルトを放つ祐希子。
「残り試合時間10秒!9…」
「させませんわっ!」
市ヶ谷足を伸ばして祐希子のムーンサルトを剣山で迎え撃った。
「ぐうっっ!」
さすがにこれは聞いたか。腹部をおさえ、のたうちまわる祐希子。
残り時間も少ないが、市ヶ谷の勝機だ!
「残り試合時間、5秒」
「オホホホホ、あさはかですわね!では、とどめといきましょう!」
カン!カン!カン!
「なんですの?」
「ただいまの試合は60分時間切れ引き分けとなります。」
市ヶ谷が高笑いをしているうちに時間切れになってしまった…
市ヶ谷らしいといえばらしいのだが、あのまま攻めていれば王座も奪えたかもしれないものを…
「私としたことが…なんてことですの!」
「…ゴングに救われたわね。」
「それはこっちのセリフですわ!」
MAX WINDが祐希子政権になってから3年。これが初のドロー防衛となる。
「決着戦ですわっ!」
「望むところよ!」
セコンドに引き離された二人は、口で勝負を続けていたがそのままセコンド陣に無理やり控え室へと退場させられた。
最後がちょっと締まらなかったが、二人の熱い勝負に観客は熱狂していたのは確かだ。
市ヶ谷の大奮闘により、絶対女王マイティ祐希子の政権に揺らぎが見えたのは大きいな。今日の試合で確実に市ヶ谷が化けた!これからのスカイブルーのリングの勢力図が今後大きく変わるかもしれない。
この大会での所属選手たちの成長を感じ、これからは祐希子と市ヶ谷を中心として、もう一度あの日のように輝くスカイブルーのリングをきっと作っていけると私は思った。
「ただいまより10分間の休憩になります。」
再会の時まであと少しだな。
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