NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は、長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の、『その後のお話』です。
ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物の設定にオリジナル要素が加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は、長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の、『その後のお話』です。
ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物の設定にオリジナル要素が加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
本日2度目、そして最後の休憩時間を迎えた会場内は、人が激しく移動していた。先ほど終わったメインが、60分時間切れ引き分けと長丁場だったこともあり、お手洗いに立つ人が多かったからだろう。スタンドにある売店にも列ができているようだし、先ほどからビールを背負った女の子達があちこちから呼ばれている。そんな場内の様子を見た私は、急遽休憩時間を延長することを決定し、それを全スタッフに伝達した。TV中継の時間はまだ十分に残っているし、特に問題はないだろう。
「いや~楽しみですな。ハッハッハ」
ガールズ・ゴングのO坂次長が、私のところにやってきた。
「それはなによりです。私も楽しみにしている試合ですからね。」
「黒沢君も楽しみにしているようですな。」
「そうですか。それはなによりです。」
O坂次長は会釈をすると、席へと戻っていった。
黒沢君か…ここまでの大会を見て、彼が何を感じたかは知るすべもないし、これから行なわれる試合を観て何を感じるかもわからない。
だが…これだけは言える。うちの選手たちの試合は、彼の燻っていたハートを再び燃やすだけの力はあったはずだ。彼が本当に変わってしまったとは私は思っていない。プロレスに対して愛を持っているからこそ、あのような記事を書いたのだと思っている。ただ、ちょっと愛が歪んだだけ、もしくは愛が信じられなくなっただけだろう。伊達と南に対する不安があるのはわかるが、二人をもっと信じてほしいな。そして、もっと広い視野で見て欲しい。私達NEW WINDは、もっと大きなものと戦っているのだから。
世間に対し正統な女子プロレスを届けるのが我々の役目だ。今日はそれを意識してカードを組んできたし、その意図は十分選手たちにも伝わっているはずだ。現に今日の彼女達は現役の意地をOG、そして多数の観客に見せるとともに、世間に対し女子プロレスの面白さ・凄さを伝える役目を立派に果たしてくれていたのだからね。
「見たままを書いてくれれば、それでいいのさ…マスターシュ黒沢君。」
私はそう呟くとスカイブルーのリングを見つめた。
「間もなく試合を開始いたします。お席をお立ちのお客様はお席にお戻りください。」
このコールに場内は再び活気づいた。メインの熱い空気とはまた違う空気が場内を支配している。第1試合の藤島VS真帆がいい感じに暖めてくれた空気は、試合ごとに上昇カーブを描き、セミファイナルで大きく上昇、そしてメインイベントの攻防で沸点を迎えた。
マイティ祐希子とビューティ市ヶ谷という、現役トップの二人が見せた激闘に観客は熱く燃え、メインイベントに相応しい盛り上がりを見せてくれた。最後が時間切れ引き分けということを除けば最高の試合だったといえるだろう。まだまだ荒い部分はあるが、見栄えのする技の攻防は観客の心を熱く燃やしてくれた。
そして…今ドームを支配している空気は熱いには熱いのだが、一度沸点を迎えたことで、ちょっと冷めたような感じを受ける。上手く表現しにくいのだが、“伊達と南という伝説のレスラー二人が、これからどのような試合をしてくれるのだろうか…”という冷静な気持ちと、久しぶりに彼女たちの勇姿をみられるというわくわく感が入り混じった空気というところだろうか。
「それにしても黒沢君は驚いていましたよ。まさか、私が声をかけてくるとは思わなかったようでね。」
ダンディさんは唐突に思い出し、愉快そうに笑った。
「ダンディさんも人が悪いですね。」
「風間社長が行けといったのではないですか。」
「それはどうですかね?」
「ま、私が行きたかったのが本音ですがね。」
「…で、どうでした彼は?」
「そうですな……基本的にはプロレスを愛していた昔の彼のままですな。」
「ほう…やはりそうですか。」
「ええ…まあ少々ひねくれてはいますがね(苦笑)今もプロレスへの愛情はきちんと残っています。」
ダンディさんはにこやかに笑った。あのような記事を書かれていても気にはしていないようだな。さすがはダンディさん。私とは器が違うよ。
「なるほど。」
「そういえば、もう一人の仕掛け人が黒沢君の元に行くはずですよ。」
ダンディさんは楽しそうだ。
「ですね。HIGE君…いや、マスターシュ黒沢記者がどのような反応を示すか、楽しみですね。」
「ふふ…彼は隣席が親NEW WIND派のO坂次長だったことに戸惑ったようですが、隣は一つだけじゃありませんからな。」
私とダンディさんは、O坂次長とマスターシュ黒沢記者が仲良く並んでいる座席を見た。
O坂記者はにこにこと再会試合が始まるのを待っているが、黒沢記者は目を瞑り、腕組みをしている。時々O坂次長が話しかけているが、黒沢記者はそれを面倒そうに適当にあしらっているようだ。
その二人の下へ、NWマークの野球帽を被った背の高い女性が近づいてゆく。彼女が第2の仕掛け人だ。さあ、黒沢記者はどうでるかな。
「ふふっ…まさか黒沢君も隣にかつてのNEW WINDエース…『最強の龍』吉田龍子君が座るとは思っていなかったでしょうな。」
ダンディさんは実に楽しそうだ。こういう無邪気なところは全然変わらない。
「吉田は本来なら本部席・解説席・関係者席…この3箇所のどこかに座るべきなのですが、本人の希望であの席になりましたからね。」
「O坂次長は普通に挨拶を返しましたな。おやおや、さすがの黒沢君も慌てて挨拶したようですね。」
私とダンディさんはここで視線をスカイブルーのリングに移す。今日のスカイブルーのリングはなんだかわくわくしているような気がする。
『伊達遙と南利美が試合をするのか。久しぶりで嬉しいよ。』そんな気持ちなのかもしれないな。
スカイブルーのリングは、二人の復帰を待ち侘びている。
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コメント
メインイベンと終了までの黒沢の動きを追って――(左隣にスゴイ殺気)
よ、よりによって“最強の龍”を刺客に放つとは……(「りょ、呂布だー!」と叫び逃げ惑う兵士の顔で)
風間社長……おそろしい子……ッ!(白目)
期待度MAXの空気がもうスゴイ。煽り映像の描写を見てるだけで目頭が熱くなって来ました。豆腐屋の哲さんとは逆のコーナーから伊達コールで声を嗄らしたいと思います!
よ、よりによって“最強の龍”を刺客に放つとは……(「りょ、呂布だー!」と叫び逃げ惑う兵士の顔で)
風間社長……おそろしい子……ッ!(白目)
期待度MAXの空気がもうスゴイ。煽り映像の描写を見てるだけで目頭が熱くなって来ました。豆腐屋の哲さんとは逆のコーナーから伊達コールで声を嗄らしたいと思います!
読んでるこちらも期待と不安でドキドキです
南さんが勝てるように精一杯応援したいと思います