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2017/06/23 05:41 |
『もう一度あの日のように~再会~その25「再会の時」』
NEW WIND社長 風間 新 手記より。

※このお話は、長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の、『その後のお話』です。
 ただし、このお話は『創作ストーリー』です。
 お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
 単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。

 ※※ご注意事項※※
 ストーリーの都合上、登場人物の設定にオリジナル要素が加味されています。そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。



「続きまして、赤コーナーより…片ヒザを ついた瞬間 勝機見え…今宵伝説の不死鳥が蘇る。『偉大なる鳳凰』伊達遙入場!」
 伊達のテーマ曲『フェニックス』が流れはじめた。場内からは自然と手拍子がはじまっている。偉大なる鳳凰と呼ばれた伊達遙にふさわしいスケール感にあふれる曲だが、リズムに乗りやすいからだろう。なお伊達は南とは違いセリは使わない。
今回のステージは、左右の扉からそれぞれのコーナーの選手が入場してきていたのだが、実はまだ使われていない第3の扉が中央にある。その扉に照明があたると、鳳凰を象ったマークが浮かび上がった。そして…ゆっくりと観音開きの扉が開き、伊達遙が姿を現した。「伊達~!」場内から歓声が上がった。
 伊達は自信を持った堂々とした歩みでゆっくりとリングへと向かう。その姿は偉大なる鳳凰の名に相応しいものだ。彼女が放つオーラはかつてエースとして君臨していた頃と比べて遜色ない…いやそれ以上かもしれない。長い年月のブランクは伊達に重厚感を付与した。

「ふふ。レスラーはいつまでもレスラーということですな。」
「そのようですね。」
「私もいつでもリングに上がる用意はあります。今度一度勝負しましょう。」
 ダンディさんは本気とも冗談とも取れる口調で誘ってきた。
「あはは…リングは神聖なもので、プロレスラーの為のものですよ。伊達と南はちゃんとプロレスラーとしての体を作ってきましたからね。さすがだと思っています。」
 伊達のセコンドにつくのは永沢舞。伊達の愛弟子であり、大切な一番の友人である永沢が一番ふさわしいだろう。
「だて~~!!」「はるか~~!!」
 声援が飛ぶ中、伊達はゆっくりとゆっくりとリングに近づいた。伊達の肉体も南同様に見事に鍛え上げられている。こちらも決意を持って十分なトレーニングを積んできたことは、その体を見れば誰でもわかるだろう。

 リングで待ち受けていた南が、花道に立つ伊達を睨みつける。伊達もロープには近づかず、花道からロープ越しに南を睨む。この光景に観客は否応なく盛り上がってゆく。
「だて~!」「みなみ~~!!」両者への声援は絶えることがない。   
 しばらくの間、ロープ越しのにらみ合いを続けていた二人だったが、やがて南はクルリと踵を返すと自分のコーナーへと戻っていった。
 これを見てエプロン下で待機していた永沢が、さっとエプロンに駆け上がりトップロープを右肩で押し上げる。伊達は永沢とアイコンタクトを交わすと、ゆっくりと右足からリングインし、リングに入ると緊張を和らげるかのように屈伸運動を2度3度と繰り返した。
 伊達・南・仲間元リングアナと、今日限りの復帰を遂げるメンバーが揃ったリング上は、再会という名の懐かしい空気が流れていた。しかし、この復帰の舞台に欠かせないもう一人の…そして最後の役者がいることを忘れてはいけない。そう、トニー館レフェリーだ。
 トニー館がニュートラルコーナーからリングインすると、「トニー!」と客席から一斉に声が飛んだ。これで役者が出揃った。

「只今より、本日のラストマッチ、~再会~スペシャルシングルマッチ60分一本勝負を開始いたします。」
 待っていましたとばかりに観客席から大きな声援と拍手があがった。 

「青コーナー、高知県出身、132パウンド~『完璧なる関節のヴィーナス』南~とし~み~!!」
 南がすっと右腕をあげてアピールすると、場内からは大きな歓声と拍手。その歓声に感謝の意をこめて、南は四方におじきをした。
「赤コーナー、宮崎県出身145パウンド~『偉大なる鳳凰』だて、はる~か~~!」
 伊達は静に一礼すると、南へと視線を移した。
「レフェリー、トニー館!」
「トニー!!」
 数年ぶりにスカイブルーのリングに響くトニーコール。
 仲間元リングアナはこのコールを背中にさっとリング下へ降りて本部席へと帰ってきた。その顔には仕事をやり遂げた安堵感が浮かんでいる。
「お疲れさま。よかったよ、仲間君。」
 私はそういって右手を差し出した。
「ありがとうございます。」
 仲間元リングアナはそういって私の右手を両手で掴み一礼した。
「緊張していたみたいだね。」
 ダンディさんの意地の悪い質問に仲間リングアナは苦笑する。
「そりゃしますよ。いくら前にやっていたとはいえ、ここまで緊張するシチュエーションではなかったですし…それに今の私は、しがないラーメン屋の親父ですから。」
 リング上ではトニー館レフェリーが、南の腕と足をチェックして凶器を持っていないか確認している。勿論南が凶器などを所持していることなどありえないのだが。
「今度食べにいくよ。」
「待っていますよ、社長。絶対にウマイと言わせてみせますから。」
「楽しみにしているよ。ダンディさんも一緒にいきましょう。」
「それは楽しみだね。」
 のんびりとした本部席の会話の間に、伊達のボディチェックを終えたトニー館レフェリーは、カウントおよび反則の説明を早口で終えると、「シェイクアップ!」と両者に握手を促していた。場内は一瞬盛り上がったあと、シーンとなって二人の動きに注目している。

 さて、二人はどうでるかな?なにしろ、かつてのライバルの数年ぶりの再会だ。素直に握手をする可能性も高いけど、握手を拒否することも十分ありえるし、まさかとは思うが、握手をすると見せかけて、いきなり奇襲をかけることだってありえるだろう。


「よろしく!」
 南は両手を差し出した。場内はほっとした空気になる。
「…よろしくお願いします。」
 伊達も素直にその両手をとった。どうやら私の考えすぎだったようだ。
「わああああっ!」握手をした瞬間、大きな歓声が沸き起こった。
 両者がそれぞれのコーナーに戻ってゆく。トニー館レフェリーが合図をしたら、いよいよ再会マッチがはじまる。場内はなんともいえない緊張感に包まれてゆく。
「南さん!ファイト!」
「姉さん、頑張って!」
 青コーナー側セコンドについている相羽とハイブリットが声をかける。南は無言で二人にコクンと頷くと、対角コーナーの伊達を見つめた。
「遙さん、ファイト!ファイトです!」
 永沢が現役時代と変わらぬ元気な声を張り上げる。
 リング上では伊達と南が対峙していて、その二人を裁くレフェリーはトニー館。セコンドとしてエプロンサイドには永沢舞とハイブリット南が控え、本部席には私と仲間君、ダンディさんがいる。かつてのNEW WINDの景色が、見た目は蘇った。
 あとは、リング上の二人に託すのみ。「頼むぞ、伊達!南!」

 おっと、いけない!触れるのを忘れていたが、本日の放送席にはゲスト解説としてマッキー上戸、ラッキー内田のジューシーペアが招かれている。リングには上がれなかった二人だが、再会の場には駆けつけてくれた。そして関係者席には結城と武藤が仲良く座っているし、吉田龍子も会場に駆けつけてくれている。一期生の氷室がいないのが残念だが、これもまた運命なのかな。
 

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2008/04/24 18:00 | Comments(0) | もう一度あの日のように

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