NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は全126話で終了した、長編リプレイNEW WIND編および栄光のスターロード編のアフターストーリーです。
ただし、リプレイではなく創作になりますので、通常のゲーム上ではありえない展開になっております。
その辺りをふまえた上で続きへとお進みください。
単独でも楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WINDに準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は全126話で終了した、長編リプレイNEW WIND編および栄光のスターロード編のアフターストーリーです。
ただし、リプレイではなく創作になりますので、通常のゲーム上ではありえない展開になっております。
その辺りをふまえた上で続きへとお進みください。
単独でも楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WINDに準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします。
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
◇18年目5月◇
17周年記念興行当日・・・新日本ドーム。
会場の外にテントを張り、伊達VS南 再会記念グッズの特別販売ブースには長蛇の列ができていた。
「南の引退試合を思い出すな。」
あの時・・・南の引退試合の時も同じように記念グッズに長蛇の列が出来ていたな。
最後のサイン会も行われていたのだからそれも当然かも知れない。
そのサイン会の最後の一人が、当時中学生だったスターライト相羽こと、相羽和希だったという。(参照:星明りの少女 第2話「憧れの人」)
「あれから・・・もう9年も過ぎたのか・・・」
ついこの間の出来事だった気がするが、時は確実に流れている。
何しろ南が引退した直後に入団した相羽が、そろそろ引退を考える年になっているのだから。
「しかし、今のNEW WINDにこれだけの行列を作れる選手はいない。やっぱり伊達と南は凄いレスラーだったってことだな。」
現役を離れて時は大分経つが、伊達と南の力というものを改めて感じた。
伊達VS南の記念グッズが飛ぶように売れている。
「伊達遙復帰記念シャツはいかがですか~!」
「ありがとうございます!3000円になります~。遙さんの応援お願いしますね~!」
「あははっ。舞は復帰の予定ないです!ないです!でも、覚えていてくれて感謝!カンシャ!です。」
「限定枚数あと2枚で、サイン入りTシャツは終わりですよ~。」
テントから元気のいい声が聞こえる。
伊達遙記念グッズの売り子を担当してくれている4期生永沢舞の声だ。
多分、一番の伊達遙ファンは永沢なんじゃないだろうか。
しばらく様子をみていると永沢がテントを抜けて私のところへ駆けてきた。
「風間社長、混みすぎ混みすぎですよ。」
さすがの元気っ子永沢も声に疲れが出ている。
「すまないな。まさかここまでの騒ぎになるとは思わなくて。」
「でも、嬉しいです。遙さんのこと覚えていてくれるファンの方がこんなにいるなんて。」
永沢は半分涙ぐんでいる。さすがは一番の伊達遙ファンだ。
「私も驚いているよ。でも伊達の功績なら当然なのかもしれない。」
伊達が引退したのは10年目10月、今から7年半ほど前の話になる。
「そうですよ。遙さんは最高の選手だったんですから!」
実績だけで見れば歴代のMAX-WIND女王結城千種、吉田龍子、マイティ祐希子も負けてはいないが、やはり団体への貢献度という点では伊達の方が上だろうな。
もちろん団体への貢献度という面では南も互角だが、実績では伊達が上回っている。
「引退してかなりの時が流れているのに、ここまで人を惹きつけることが出来るのは本当にすごいと思う。」
「へへ。遙さんは凄いんです!」
自分が褒められた時よりも喜ぶ永沢。
「ところで永沢、そろそろ伊達のところへ行かなくていいのか?」
「あっ、そうですね。今日は舞が遙さんのセコンドにつくことになっていますから。そろそろいきますね。」
永沢は売店のエプロンをさっと脱ぐと、会場へと駆け出していった。
伊達のセコンドには永沢が一番ふさわしいだろう。
伊達遙&永沢舞の師弟コンビは、今でも強固な絆で結ばれているし、ファンにも支持されているのだから。
あとは伊達がどこまでやってくれるかだな。
「ご無沙汰しています。」
永沢の背中を見送っている私に、聞き覚えのある声がする。
「おう、ハイブリットじゃないか。久しぶりだね。」
ハイブリット南こと南寿美が私のところへ挨拶にやってきた。
「未だに私をハイブリットと呼ぶのは社長だけですよ。」
ハイブリットは苦笑する。
「そうか?南って呼ぶのも変だし、寿美って呼ぶのも恥ずかしいんでね。」
「私は、寿美でもいいけど。ことみ♪って呼んでみて?」
「こ、ことみ・・」
「はあ・・・堅物ねえ。もう少し柔軟じゃないと完璧な男にはなれないわよ。」
いかんこのままでは完全にハイブリットのペースだ・・・私は話題を変えることにした。
「今日はセコンドにつくのかい?」
「そのつもりよ。姉さんが無理しないようにちゃんと見張っておくから、安心してね。」
「・・・」
「と、『姉さんの旦那』に伝えておいてね、風間社長。」
ハイブリットはそういって笑った。
「わかったよ、ハイブリット。伝えておくよ、会ったらね。」
「あ、またハイブリットって言ったわね。ことみ♪よ。」
「いや、お前はハイブリットだ!」
「もう。完璧じゃないわね。」
「もちろん、完璧じゃないさ。」
私とハイブリットはそういって笑いあった。
南のセコンドには妹であるハイブリット南こと、南寿美がつく。
思えば南が最後に巻いたベルトは、姉妹で組んで獲ったタッグベルトだったなあ。
リング上で直接戦うわけではないが、伊達&永沢の師弟タッグと、南&ハイブリットの姉妹タッグが一夜限りの揃い踏みって図式になる。
私は、『もう一度あの日のように』なった気持ちがした。
でも・・・確実に時は流れている。
17周年記念興行当日・・・新日本ドーム。
会場の外にテントを張り、伊達VS南 再会記念グッズの特別販売ブースには長蛇の列ができていた。
「南の引退試合を思い出すな。」
あの時・・・南の引退試合の時も同じように記念グッズに長蛇の列が出来ていたな。
最後のサイン会も行われていたのだからそれも当然かも知れない。
そのサイン会の最後の一人が、当時中学生だったスターライト相羽こと、相羽和希だったという。(参照:星明りの少女 第2話「憧れの人」)
「あれから・・・もう9年も過ぎたのか・・・」
ついこの間の出来事だった気がするが、時は確実に流れている。
何しろ南が引退した直後に入団した相羽が、そろそろ引退を考える年になっているのだから。
「しかし、今のNEW WINDにこれだけの行列を作れる選手はいない。やっぱり伊達と南は凄いレスラーだったってことだな。」
現役を離れて時は大分経つが、伊達と南の力というものを改めて感じた。
伊達VS南の記念グッズが飛ぶように売れている。
「伊達遙復帰記念シャツはいかがですか~!」
「ありがとうございます!3000円になります~。遙さんの応援お願いしますね~!」
「あははっ。舞は復帰の予定ないです!ないです!でも、覚えていてくれて感謝!カンシャ!です。」
「限定枚数あと2枚で、サイン入りTシャツは終わりですよ~。」
テントから元気のいい声が聞こえる。
伊達遙記念グッズの売り子を担当してくれている4期生永沢舞の声だ。
多分、一番の伊達遙ファンは永沢なんじゃないだろうか。
しばらく様子をみていると永沢がテントを抜けて私のところへ駆けてきた。
「風間社長、混みすぎ混みすぎですよ。」
さすがの元気っ子永沢も声に疲れが出ている。
「すまないな。まさかここまでの騒ぎになるとは思わなくて。」
「でも、嬉しいです。遙さんのこと覚えていてくれるファンの方がこんなにいるなんて。」
永沢は半分涙ぐんでいる。さすがは一番の伊達遙ファンだ。
「私も驚いているよ。でも伊達の功績なら当然なのかもしれない。」
伊達が引退したのは10年目10月、今から7年半ほど前の話になる。
「そうですよ。遙さんは最高の選手だったんですから!」
実績だけで見れば歴代のMAX-WIND女王結城千種、吉田龍子、マイティ祐希子も負けてはいないが、やはり団体への貢献度という点では伊達の方が上だろうな。
もちろん団体への貢献度という面では南も互角だが、実績では伊達が上回っている。
「引退してかなりの時が流れているのに、ここまで人を惹きつけることが出来るのは本当にすごいと思う。」
「へへ。遙さんは凄いんです!」
自分が褒められた時よりも喜ぶ永沢。
「ところで永沢、そろそろ伊達のところへ行かなくていいのか?」
「あっ、そうですね。今日は舞が遙さんのセコンドにつくことになっていますから。そろそろいきますね。」
永沢は売店のエプロンをさっと脱ぐと、会場へと駆け出していった。
伊達のセコンドには永沢が一番ふさわしいだろう。
伊達遙&永沢舞の師弟コンビは、今でも強固な絆で結ばれているし、ファンにも支持されているのだから。
あとは伊達がどこまでやってくれるかだな。
「ご無沙汰しています。」
永沢の背中を見送っている私に、聞き覚えのある声がする。
「おう、ハイブリットじゃないか。久しぶりだね。」
ハイブリット南こと南寿美が私のところへ挨拶にやってきた。
「未だに私をハイブリットと呼ぶのは社長だけですよ。」
ハイブリットは苦笑する。
「そうか?南って呼ぶのも変だし、寿美って呼ぶのも恥ずかしいんでね。」
「私は、寿美でもいいけど。ことみ♪って呼んでみて?」
「こ、ことみ・・」
「はあ・・・堅物ねえ。もう少し柔軟じゃないと完璧な男にはなれないわよ。」
いかんこのままでは完全にハイブリットのペースだ・・・私は話題を変えることにした。
「今日はセコンドにつくのかい?」
「そのつもりよ。姉さんが無理しないようにちゃんと見張っておくから、安心してね。」
「・・・」
「と、『姉さんの旦那』に伝えておいてね、風間社長。」
ハイブリットはそういって笑った。
「わかったよ、ハイブリット。伝えておくよ、会ったらね。」
「あ、またハイブリットって言ったわね。ことみ♪よ。」
「いや、お前はハイブリットだ!」
「もう。完璧じゃないわね。」
「もちろん、完璧じゃないさ。」
私とハイブリットはそういって笑いあった。
南のセコンドには妹であるハイブリット南こと、南寿美がつく。
思えば南が最後に巻いたベルトは、姉妹で組んで獲ったタッグベルトだったなあ。
リング上で直接戦うわけではないが、伊達&永沢の師弟タッグと、南&ハイブリットの姉妹タッグが一夜限りの揃い踏みって図式になる。
私は、『もう一度あの日のように』なった気持ちがした。
でも・・・確実に時は流れている。
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