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2017/09/26 00:07 |
『もう一度あの日のように~再会~最終話「もう一度あの日のように」』

NEW WIND社長 風間 新 手記より。

※このお話は、長編リプレイ『NEW WIND編』および『栄光のスターロード編』の『創作アフターストーリー』です。
 このお話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
 単独作品としても十分楽しんでいただけるように留意しておりますが、登場人物の設定などは『NEW WIND編』に準拠していますので、NEW WIND編を読まれているとより楽しめると思います。



 インタビュアーの永原は、いつの間にか涙を目に一杯ためている。
「こら、永原。最後まで完璧に仕事しなさい。」
「は、はい。」
 永原はキッと顔を引き締める。
「最後になりましたが、ファンのみなさんに一言お願いします。」
「今日は他にも沢山の娯楽がある中、NEW WINDにきてくださってありがとうございます!」

「わあああああっ!」
 新日本ドームに歓声が包み込む。

「今日…私と遙は一夜限りの復帰を遂げました。これもみなさんの温かい応援があったからです。」
「…応援ありがとう…ございます。」
 再び歓声が上がる。
「皆さんに一つお願いがあります。私と遙はこの1試合に全てを賭けて望みました。ハッキリいって、明日は動けそうにありません。」
「…私もです…右腕が痛くてお箸もてないかも…」
 右腕をさする伊達の姿に笑い声が漏れる。
「私のかわいい後輩たち…現役の選手たちは、今日だけでなくツアーを組んで試合をしています。今の私たちにはそれはできません。この1試合に全てのエネルギーを、プロレスを愛する気持ちを込めたから、ここまでできました。ですから、私と遙はもう2度とスカイブルーのリングに上がる事はないでしょう。」
 場内から「え~~!」の声があがる。それは当然の反応かもしれない。あれだけの試合が出来るのなら、また観たいと思うのは自然だ。
「ありがとう。」
「ありがとうございます。」
 二人はお礼を言ってから、話を続けた。
「皆さんのお気持ちは嬉しいです。でも、私たちは当初から一夜限りの復帰予定でした。一夜限りだからこそ、南十字星は再び輝く事ができたし…不死鳥は再び蘇ることが出来ました。」
 場内は静かに南の言葉を聞いている。
「…引退してから今日までの間、私と遙はプロレスを愛する気持ちをずっと持っていました。リングを離れている間に貯めていたプロレスへの愛…それを私たちは、今日…全て注ぎ込んでリングに戻ってきたのです。私たちはこの一瞬の輝きに全てを賭けていました……だからこそ、今日のような試合を御見せできたと思っています。全てを出し尽くした今、私と遙には、もう一度あの日のようにリングに上がり続けることはできない。」
「…できない…」
「でも、私たち以上に可能性を秘めた素晴らしい後輩たちがいます。きっと私たちよりも素晴らしい試合を見せてくれると私は信じています。」
「…信じています。」
「みんな、上がって来てもらえるかしら。」
 南はリングサイドに集まってきていた現役選手たちにリングに上がるように促すと、伊達と二人でロープを開けた。
 先輩の意外な行動に戸惑いながらも、相羽をはじめとした現役世代が続々とリングに上がってゆく。

「ここにいる全員が、私たちの大事な後輩であり、これからのNEW WINDを作っていく世代です。」
 南の言葉に拍手が起きる。
「…NEW WINDは…これからも新たなる風を巻き起こしていきます…」
 ふっ…まさか伊達に私の決め台詞を奪われるとはね。
 南と伊達はマイクを一旦永原に預けると、17期生の松本真美&石井理沙と握手を交わし、何事か耳元で囁く。松本と石井は緊張でガチガチになりながらも、真剣な眼差しで言葉に聞き入っている。続いて、15期生加藤美園、16期生佐藤寿李と握手を交わし、同じように声をかけた。佐藤は笑顔を見せ、加藤は感激し大粒の涙を流した。
 続いて14期生の二人…サンダー龍子とフォクシー真帆、13期生のビューティ市ヶ谷、八島静香、12期生のマイティ祐希子・ブレード上原・ミミ吉原の順で握手を交わし、声をかける。
 さらに11期生藤島瞳&南智世、10期生の白石なぎさ…そして現役最古参のジーニアス武藤…最後にスターライト相羽。相羽との握手を終えると、永原がマイクを二人に手渡す。 
「NEW WINDにはスターライト相羽を始め、その最高のライバルのジーニアス武藤がいます。」
「…潜在パワーは団体ナンバー1…白石なぎさがいて、アイドルとしても大活躍の藤島瞳がいる。」
「次世代の関節の女神…南智世が…エース“炎の女帝”マイティ祐希子がいる。」
「…その女帝を狙うライバルたち…ブレード上原…ミミ吉原…八島静香…ビューティ市ヶ谷…サンダー龍子」
 名前が挙がるたびに、それぞれの顔が引き締まる。
「若い世代も魅力がある選手がいます。フォクシー真帆、加藤美園、佐藤寿李、松本真美、石井理沙…みんな私の愛する可愛い後輩たちです。」
「スカイブルーのリングを愛する…可愛い後輩たち…」
「私たちはもうリングに上がることはありませんが…これから成長していく私のかわいい後輩を、現役の選手たちを…これからも応援してあげてください。」

「応援するぞー!」「応援します~~!!」と観客の声が飛び、大きな拍手がそれに応えた。  

「私は、プロレスを愛しています。そして、私を育ててくれた、スカイブルーのリングを…NEW WINDを愛しています。」
 南のこの言葉に場内から大きな拍手が巻き起こった。
「…私も、同じ気持ちです……」

「私たちの愛したリングを…私たちと同じように愛してくれている可愛い後輩たちに、私たちは全てを託します。」
「…託します。」
「…私たちが今日お見せした試合よりも、もっともっと素晴らしい試合をこれから皆様に見せてくれるはずだと私は信じています。これからも、NEW WINDをよろしくお願いします。本日は、応援ありがとうございました!」
 南と伊達は最後にお礼を言うとマイクを永原に手渡した。
「南利美選手と伊達遙選手にもう一度大きな拍手をお願い致します。」
 大歓声とともに大きな拍手が巻き起こった。
 伊達と南は東側の観客席に向かってお辞儀し、続いて南側、西側、北側の順で挨拶をしてゆく。
 この間に後輩たちは花道に移動し、17期生から順番に両側に整列して二人を待っていた。
 伊達と南は、愛する後輩たちに見送られ、大歓声に包まれて花道を退場してゆく。
 その背中を後輩たちがじっと見つめる。彼女たちはこの二人から何を学んだのだろうか。

「だ~て!だ~て!」
「み・な・み!み・な・み!」

 ステージまで並んで退場していった二人は、もう一度スカイブルーのリングの方へ向き直ると、手をとりあって高々と掲げそして丁寧なお辞儀をした。
「青コーナー、完璧なる関節の女神、みなみ~とし~み~~!」
「赤コーナー、偉大なる鳳凰、だて、はる~か~~!!」

 仲間元リングアナの最後のコールに送られて、二人はバックステージへと姿を消した。
 一夜限りの夢舞台…伊達遙と南利美の再会試合はこうして幕を閉じた。

 
「本日は、NEW WIND17周年記念興行にお越しいただきまして、まことにありがとうございました!これにて17周年記念興行は全試合を終了いたします。皆様のまたのご来場…選手・スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。NEW WINDは18年目も、そしてその先もプロレスに新たなる風を吹かせます!これからもよろしくお願い致します!」
 私は深々と頭を下げると、バックステージへと向かって歩きだした。途中、マスターシュ黒沢記者とすれ違い、言葉を交わすことができた。
 うん?彼がどういっていたかって?それは彼の書く原稿を見てもらうしかないだろうな。
 私から彼に言えることは「見たままを、思ったように書いてください」であり、「また会おう。」だ。
 ガールズ・ゴングO坂次長&相川知佳カメラマンのコンビと、週刊女子プロレスの猪熊小夜副編集長から取材を受けたが、その内容はそれぞれの雑誌の記事で確認して欲しい。
 
 大会前は賛否両論渦巻いた再会試合だったが、このカードを組んで大正解だったと私は思っている。
 場内には、私のセレクトした徳永英明氏の名曲「もう一度あの日のように」が流れ、6万人の大観衆を送りだす。
 懐かしさに浸るために組んだ再会試合ではない。もう一度あの日のように輝くために私はこの大会をプロデュースしたのだ。あの頃のように輝くNEW WINDに…あの頃のように熱く燃えるような試合を見せるために私たちは歩みをとめるわけにはいかない。
 NEW WINDは今日が終わりではない、これから再び飛翔の時期に入る。新たなる風を起こし続けるNEW WINDであるために…もう一度あの日のように、私も頑張ろう。

 NEW WINDは、これから第2の黄金期を迎えるのだから…





 もう一度あの日のように~再会~  ー終ー

  

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2008/05/26 18:00 | Comments(6) | もう一度あの日のように

コメント

42話に上る連載お疲れ様でした
とても読み応えがあり、感動するお話でした

今は、上手い言葉が出てきませんが本当に素晴らしい物語でした

この後の相羽ちゃんの物語と新時代のNEW WINDの物語を心から楽しみにしています

今はただ、Nさんとすべての登場人物に「お疲れ様」そして「素晴らしい物語をありがとう」
posted by 豆腐屋の哲URLat 2008/05/26 18:38 [ コメントを修正する ]
長編、お疲れ様でした。

少し時間を置いたら、また初めから全部読み直さなければいけませんね(笑)
読み応えがありすぎです(笑)

この終わり方なら、新たなスカイブルーのリングの上の物語も始まりそうですね。
今度はオリキャラストーリーになるのでしょうか?

私も時間が出来たら、またSS(この場合はLS?(ロングS)に挑戦したくなりました。

色々挑戦したいのに時間が無い(^^;)

ともかくも、再び南十字と不死鳥の話をありがとうございました&お疲れ様でした。
posted by seizannat 2008/05/26 23:49 [ コメントを修正する ]
『もう一度あの日のように~再会~』完結、お疲れ様でした。

とても面白く楽しませてもらいました。
とくに伊達と南さんの試合は次はどうなるんだろうと
毎日楽しみにしていました。
これだけの物語を作るのは大変苦労したかと思います。
本当にお疲れ様でした。

この後始まる新しい作品についても楽しみにしています。
posted by こげぱんだat 2008/05/27 08:02 [ コメントを修正する ]
>哲さん

 どうもです。
いやーこんなになるとは(苦笑)文章を書くのがすきっていうのも困りものですよ(笑)
 この後のお話はボチボチ書いていますし、新世代のお話は構想はできてきています。
 4日ほど、更新作業をする予定がないので、その間に進めておこうと思います。
(更新は毎日の予定ですが、すでに投稿済みなので)
 では次のお話をお楽しみに。

>seizannさん
 いやー書き応えもありました(笑)
これでもNEW WIND編の3分の1くらいなんですけど、試合に関してはそれ以上のエネルギーを費やした感じです。
 新世代は、NEW WINDらしさを残しつつ、新時代の幕開けという話にしたいなと思っています。
 ま、サバイバーからは離れていきそうですけどね。
あくまでも、創作ストーリーになっていきますので。

>こげぱんださん

 再会試合は、先が読めないように…1話約2分半の間に盛り上げる部分と、次回へとつなげる部分を考えて書いたので、次が気になるはずです(笑)
 毎日更新にしたのも、より効果を狙っていました。
またやってみたいですが、準備に時間がかかるので、ちょっと厳しいかもです(笑)
 苦労というか、楽しかったですよ。
 
posted by Nat 2008/05/29 01:21 [ コメントを修正する ]
はじめまして~レッスル愛検索でぶらぶらしてたらここにたどり着き・・・
一気に読ませていただきました。(#^.^#)
本当に楽しくて時間がたつのも忘れてしまうほど。。。
最後は感動で涙が・・・。・゜・(ノД`)・゜・。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました<m(__)m>
posted by レッスル愛おやぢat 2008/06/02 03:02 [ コメントを修正する ]
>レッスル愛おやぢさん

 はじめまして、管理人のNです。ようこそです。

 そしてありがとうございます。そういっていただけるとうれしいです。

 色々と書いていますので、またお越しくださいね。
またいいものをかければいいなと思っております。
posted by Nat 2008/06/02 21:13 [ コメントを修正する ]

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