NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
メインWIND WWCA世界タッグ選手権試合 60分一本勝負
『王者』コリィ・スナイパー&リリィ・スナイパー(スナイパーシスターズ)VSガルム小鳥遊&ロイヤル北条『挑戦者』
新団体の旗揚げに際し、看板タッグチームを送ってくれたWWCAに敬意を表すために、最高のカードで迎え討つ。
新団体の旗揚げ戦のメインに世界タッグ戦を組むなど通常はありえないし、さらに出すタッグチームもありえない組み合わせだ。
ベビーフェイスのエースとして期待しているロイヤル北条と、ヒールエースのガルム小鳥遊の越境コンビ。これから抗争を繰り広げていくであろう二人が手を組んで、世界のスナイパーシスターズの王座に挑む。
「今日はよろしくな。」
「…今日だけは味方です。信用していますからね。」
タッグワークという点では不安は残るが、個々の実力ならスナイパーシスターズにもひけはとらないはずだ。
ドオオオオオオオオオオッ!と場内が大きくわいた。
日本人最重量を誇る小鳥遊をリリィが完璧なドラゴンスープレックスで放り投げたのだ。
「完璧です…がっ!」
完璧に入ってはいたが、これはタッグマッチだ。素早く北条がカットに飛び込みカウントを阻止する。
「小鳥遊っ!」
喝を入れる北条。
「うるせええっ!見てろオラアアッ!」
小鳥遊はリリィをスリーパーにとらえた。
「フンッ!」
そのままスイングスリーパーでリリィを5回転まわし、小鳥遊は北条にスイッチ。
「北条っ!完璧を見せてもらうぞ。」
「言われるまでもない。」
しかしまっていたのは、リリィの必殺の気合を込めたスナイパーカッター!
「ガッ…」
さすがに動きが止まった北条を、リリィは素早くドラゴンスープレックスで放り投げた。
「返せっ!」
小鳥遊はあえてカットに入らず声だけを飛ばす。
「おおおおおおっ!」
カウント2.9でクリアする北条。
「おらっ!どうした北条!」
「そこで見ていろっ!」
北条は立ち上がりざまに必殺のパーフェクトキック(完璧なフォームと威力のトラースキック)を放ち、リリィからダウンを奪う。
「タッチだ。」
「おうよ。」
素早く小鳥遊が飛びこみダウンしているリリィを強引に引き起こすと、ガルムズボンバー(体重を乗せた喉輪落とし)でマットに叩きつける。
「フォールだ。」
だがフォールにいこうと近づいた小鳥遊にリリィは絡みついてコブラツイストに決めた。
「なっ…」
驚異のスタミナに驚く小鳥遊。そのまま赤コーナーまで引きずり、リリィはコリィにタッチ。
「いくよっ!」
リリィが小鳥遊をマットに引き倒し、そこへコリィがコーナーからムーンサルトで舞う。
「フォールよっ!」
カウント2.5でクリアする小鳥遊。
「その程度でフォールを奪おうなんざ甘いぜっ!!」
小鳥遊はぶっとい腕でコリィののどを掴む。
「しねえええええええっ!!」
ガルムズボンバーがコリィの体を粉砕!!
「うぐああああああっ…」
だが悲鳴を上げたのは小鳥遊の方だった。
叩きつけられる寸前にコリィが身体能力の高さをいかし、脇固めに切り返したのだ。 まさかの切り返しに小鳥遊は悲鳴をあげるしかない。
「小鳥遊っ!」
北条の檄に応え技を振りほどこうとした瞬間、コリィは技を解いた。
「!?」
そして技から解放され何気なく立ちあがった小鳥遊をコリィは高速のフランケンシシュタイナーでマットへとたたきつけた。
「これで終わりだね。」
確信に満ちた表情でフォールするコリィ。
「おおおおおおおおっ!」
カウント2.99でキックアウトする小鳥遊。
「頑張るわねえ。でもこれで終わりだよっ!」
自分よりもはるかに重い小鳥遊を軽々と持ち上げ、パイルドライバーでマットへと突き刺す。
そのままもう一度フォールにいくが、小鳥遊はカウント2.99でクリアしてみせた。
「もうっ信じらんない~。」
コリィは仕留めきれず、仕方なく姉にスイッチ。
「狙い撃ちだっ!」
リリィはふらふらと立ちあがった小鳥遊をまたもドラゴンスープレックスで放り投げる。
「うおおおおっ!」
小鳥遊はカウント許さず素早くクラッチを切ると場外へと転がり落ちた。
しばらくの間場外でやりあったが、小鳥遊のガルムズボンバーが決まったのをきっかけに戦場はリング内へと移行。
ダメージの大きい小鳥遊に変わった北条が飛び出す。
お互いさらに大技を繰り出し勝利への執念を見せたが、戦場は再び場外へ。そしてそのまま試合終了のゴングを聞くことになってしまった。
「ただいまの試合は60分時間切れ引き分けで、王者組の防衛となります。」
消化不良といえる試合結果になってしまったが、これはこれでよかったのかもしれない。なぜなら、これから先の目標が残ったままになるからだ。
NEW WINDの旗揚げ戦は観客動員こそ失敗したが、内容としては誇れる試合だったと思う。
第11話へ
PR
サバイバー2でのレッスル復帰なんですね。
うちはかれこれ2年ほどレッスル関連の書きものをしているので、数だけはあります。
今から読むのは大変かもしれませんが、後追いならではの楽しみ方ですよね。
新作も書いていきますので連載も楽しんでくださいね。