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2024/04/24 02:26 |
新たなる風の物語 第6話「旗揚げ~第1WIND」

NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より 

 ※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。


◇1年目5月 
 NEW WINDはついに旗揚げの時を迎えた。
「本日はNEW WINDの旗揚げ興行にお越しいただきありがとうございます。我々はまだまだ小さな団体ですが、必ずあの九州ドームで興行を打てるような団体になってみせますので、新たなる風の物語を応援お願いいたします。」
 私の旗揚げ挨拶に場内の観客からは拍手が巻き起こった。旗揚げに選んだ舞台は、東の後楽園プラザに並び称される西の聖地博多ギャラクシーレーンである。
「…正直動員面では失敗ですな。」
 と現場監督兼総合コーチのダンディさんが苦い顔をする。
「…期待したんですけどねえ。」
 私も落胆の色は隠せない。2500人収容の会場に集まった観客は1434人。正直厳しい客入りといえるだろう。
「小鳥遊とスナイパーシスターズの人気に賭けたんですが…世の中うまくはいかないものですね。」
 このあとNEW WINDは九州全域を周るツアーを組んでいるが、情報によると前売りは芳しくない。
「気にすんな社長。私らの仕事は今日来たお客を熱くさせることなんだからよ。きっちり熱いプロレスを見せてやんぜ。」
 小鳥遊は頼もしいな。
「頼むぞ、小鳥遊!」
「ああ。任せときな!」

 第1WIND NEW WINDネオ・ソウル・バトル15分1本勝負

 ”音速ヒロイン”ソニック・キャット VS 南利美 

 NEW WINDの記念すべきオープニングマッチは新人のソニックと南のシングルマッチ。
「音速ヒロイン登場だお!」
 特撮の主題歌にのって登場してきたソニックに大きな歓声が送られる。
「ソニック~~~!」
「がんばれ~~そにっく~~~~!!
 チビッ子たちの声援が飛びまくる。
なるほど…どおりで子供の姿が多かったわけだ。みな”音速ヒロイン”ソニック・キャットを応援しにきたわけか。
「…派手なだけで勝てると思って?」
 南は対照的に静かに入場してきた。
「南っ!頑張れよっ!」
 南には男性ファンの声援が飛んだ。   
「OK、GO!!」
 レフェリートニー館の合図で試合開始の、そして新たなる風の物語の始まりをつげるゴングが打ち鳴らされた。

「てえいっ!」
 さきに仕掛けたのはソニック。
手四つの勝負を挑もうとした南の腕をかいくぐると、すばやくローリングソバットを南のボディに打ち込んだ。
「ぐっ…」
 たまらず南の頭が下がったところで、ソニックは両足で南の頭を挟みこみヘッドシザースホイップで投げ飛ばす。
「おおおっ!」
 新人離れしたスピードと綺麗な技のフォームに歓声が上がる。
「音速ヒロイン参上!さねっ!」
 ソニックは素早くロープへと走り、南の起き上がりを狙ってランニングエルボーを打ち込んだ。
「がはっ…」
 南はこの一撃で口の中を切ったようだ。南は血を吐きだすと、キッとソニックを睨みつけた。
「私を甘くみないでね!」
 次の瞬間南の姿が消え、ソニックは転倒していた。
「あぐうああああああああっ!」
 ソニックが悲鳴を上げている。南がアンクルホールドを極めていたのだ。
「高速タックルからのアンクルホールドですな。南の今の最高の技です。」
 なるほど。消えたと思ったのはタックルに行ったからなのか。私の位置からだとちょうどソニックの影になってしまっていたので消えたように見えたわけか。
「ブレイクっ!」
 完璧に決まったように見えたアンクルホールドだったが、ソニックはなんとかロープへと逃げることに成功する。
「トシミちゃんさすがだお。でもヒロインは負けないお!」
 場内からのソニックコールを受けソニックの瞳の輝きが強くなる。
「いっくおおおおおっ!」
 ソニックの強烈なランニングエルボーが決まり、南の体がはじきとばされる。
「ぐはっ…」
「フォールだおっ!」
 ソニックはそのまま体固めで南を抑え込む。
「このおおおっ!」
 カウント2.5で返す南。
「てえええいっ!」
 起き上がったところにエルボーを再度打ち込むソニック。
「これでおわりだお!」
 ソニックはもう一度ヘッドシザースホイップで南を投げ飛ばす。
「フォールだお!」
 バンッ!
 バンッ!!
 トニー館レフェリーが右手を振りおろす。
「くっ!」
 南はかろうじて…かろうじて右肩を上げた。
「結構しつこいお!」
 ソニックはとどめをさすべく突っ込んでいくが、南がエルボーで迎撃。
「まだまだああっ!」
 南は反撃をすべく間合いを詰める。
「甘いお!」
 カウンター気味に放たれたソニックのローリングソバットで顎先を打ち抜かれた南はガクンと崩れ落ち、そのまま3カウントを聞いた。

「くっ…」
 勝ち名乗りを受けるソニックの影で、リングに拳を打ちつけ悔しがる南。
才能の片鱗はみせてくれたとは思うが、入場も試合もソニックに完全にペースを持っていかれた感はぬぐえないな。
「この敗戦をバネにできるかどうかですな。」
 ダンディさんのこの一言がすべてだと思う。敗北を肥やしにして欲しい。

第7話へ
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2008/11/18 18:00 | Comments(0) | サバイバー2リプレイ NEW WIND編

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