”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第30弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:プロレスファンのつぶやき
N版 第30弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:プロレスファンのつぶやき
「対戦相手がダウン!あ~っとミシェール滝、華麗にコーナーへと駆け上がった!」
「出るわよ!」
「きゃ~っ、滝様~!」
黄色い歓声が飛び交う。
2000人収容の後楽園プラザは大勢の女性ファンでにぎわっている。
そんな中でこの会場の雰囲気にまったく馴染めない男性ファンが二人いた。
名はNとKと言う。
「一昔前(80年代)の女子プロレス会場だな。」
「だね、Nさん。僕はあんまり好きじゃないな。」
「私もだよ、K。少なくてもペンライトを振り回したり、『L・O・V・E T・A・K・I・S・A・M・A!』なんてのは、ありえない光景だよな。」
盛り上がる会場と反比例してテンションが下がる二人。
二人は熱いプロレスを観るのが好きで、男女問わずに熱い団体を生観戦するのが趣味だった。
「ここは熱いって聞いたんだけどな。」
「熱いのは応援だったね・・・」
昔の女子プロレスは女性が観る物であり、ある種宝塚的な雰囲気があった。
古くは『美麗タッグ』、『破壊少女達』などが女性ファンの圧倒的な支持を受け、スターになったものだ。
それも今は昔であり、今は男性ファンの方が多くなっている。
男性ファンが多いという空間を経験しているNとKの二人が、今回の団体のような女性ファンだらけという環境に馴染めるわけはなかった。
「でもさ、この滝って選手、動きは華麗だよね。」
「まあな。それにあの格好だろう?人気が出るのはわかるけど・・・正直、求める熱い試合ではないな。」
Nはペットボトルの水を飲んだ。
「行くよ、愛しのバンビーノたち!」
コーナーで大見得を切る滝。
「きゃ~っ!」
黄色い歓声が一段と大きくなる。
「頭痛くなってきたよ・・・」
「大丈夫?Nさん・・・」
そんな二人にお構いなしに、滝は必殺技である『天空の羽衣』を繰り出した。
大歓声が巻き起こる。
「ただのダイビングボディプレスだよな。」
「うん、フォームはキレイだけどね。それよりみんな目がハートマークだよ。」
確かに華麗なるフォームではあるが、二人の目にはただのダイビングボディプレスにしか見えない。
「おいおい、レフェリーカウントしないぜ。」
どうやらレフェリーも技に見とれていたらしい。
「ついでに相手の選手まで目がハートじゃん・・・」
「セコンドもだよ。これじゃみんな虜だな。」
「どうするんだろうね、コレ。」
「・・・わかった、荷物まとめておけよ。」
「うん。」
二人は皆が硬直するなかで荷物をまとめる。
「いいか?」
「OK。」
「レフェリーカウント~!!」
二人は同時に声を出し、さっと席から移動した。
「はっ!」
レフェリーがあわててカウントを取る。
「はっ!滝様!」
みな魔法がとかれたかのように動きはじめる。
「勝者、ミシェール滝!」
「きゃ~っ、滝様!」
この大騒ぎを二人は通路で聞いた。
「これ以上はいられないな。」
「そうだね。どうせメインだし、これでよかったんだよね。」
「そうだな。それにしても、『天空を 舞った瞬間 みな虜か』。」
「だね。僕らが声を出さなかったらどうなったのかなあ?」
「さあな。」
(終)
『天空を 舞った瞬間 みな虜』(マルガリータさんの句です。)
出演
N (プロレスファン・好きな選手は三沢・蝶野・加藤園・マグナム)
K (プロレスファン・好きな選手は小橋・健介・里村・CIMA)
ミシェール滝
思いつかなかったので、NとKの語りです。
これは実際に、私と友人が、GAEAのクラッシュ復活時の応援を見て思った事ですよ。
私たちからみれば、『変な盛り上がり』ですけど、かつてのファンで、復活に合わせて女子プロレスファン復帰した彼女たちから見れば当然のことだったのでしょう。
現在はセンダイガールズが女性に応援される、かつての宝塚的空間を目指して奮闘しているようです。
女性ファンが増えることにより、女子プロレスラー志望の人が増え、また業界が盛り上がる事を期待しています。
なおファンの人ならわかることですが、文中に出てくる美麗タッグはビューティペア、破壊少女達はクラッシュギャルズのことですヨ。
「出るわよ!」
「きゃ~っ、滝様~!」
黄色い歓声が飛び交う。
2000人収容の後楽園プラザは大勢の女性ファンでにぎわっている。
そんな中でこの会場の雰囲気にまったく馴染めない男性ファンが二人いた。
名はNとKと言う。
「一昔前(80年代)の女子プロレス会場だな。」
「だね、Nさん。僕はあんまり好きじゃないな。」
「私もだよ、K。少なくてもペンライトを振り回したり、『L・O・V・E T・A・K・I・S・A・M・A!』なんてのは、ありえない光景だよな。」
盛り上がる会場と反比例してテンションが下がる二人。
二人は熱いプロレスを観るのが好きで、男女問わずに熱い団体を生観戦するのが趣味だった。
「ここは熱いって聞いたんだけどな。」
「熱いのは応援だったね・・・」
昔の女子プロレスは女性が観る物であり、ある種宝塚的な雰囲気があった。
古くは『美麗タッグ』、『破壊少女達』などが女性ファンの圧倒的な支持を受け、スターになったものだ。
それも今は昔であり、今は男性ファンの方が多くなっている。
男性ファンが多いという空間を経験しているNとKの二人が、今回の団体のような女性ファンだらけという環境に馴染めるわけはなかった。
「でもさ、この滝って選手、動きは華麗だよね。」
「まあな。それにあの格好だろう?人気が出るのはわかるけど・・・正直、求める熱い試合ではないな。」
Nはペットボトルの水を飲んだ。
「行くよ、愛しのバンビーノたち!」
コーナーで大見得を切る滝。
「きゃ~っ!」
黄色い歓声が一段と大きくなる。
「頭痛くなってきたよ・・・」
「大丈夫?Nさん・・・」
そんな二人にお構いなしに、滝は必殺技である『天空の羽衣』を繰り出した。
大歓声が巻き起こる。
「ただのダイビングボディプレスだよな。」
「うん、フォームはキレイだけどね。それよりみんな目がハートマークだよ。」
確かに華麗なるフォームではあるが、二人の目にはただのダイビングボディプレスにしか見えない。
「おいおい、レフェリーカウントしないぜ。」
どうやらレフェリーも技に見とれていたらしい。
「ついでに相手の選手まで目がハートじゃん・・・」
「セコンドもだよ。これじゃみんな虜だな。」
「どうするんだろうね、コレ。」
「・・・わかった、荷物まとめておけよ。」
「うん。」
二人は皆が硬直するなかで荷物をまとめる。
「いいか?」
「OK。」
「レフェリーカウント~!!」
二人は同時に声を出し、さっと席から移動した。
「はっ!」
レフェリーがあわててカウントを取る。
「はっ!滝様!」
みな魔法がとかれたかのように動きはじめる。
「勝者、ミシェール滝!」
「きゃ~っ、滝様!」
この大騒ぎを二人は通路で聞いた。
「これ以上はいられないな。」
「そうだね。どうせメインだし、これでよかったんだよね。」
「そうだな。それにしても、『天空を 舞った瞬間 みな虜か』。」
「だね。僕らが声を出さなかったらどうなったのかなあ?」
「さあな。」
(終)
『天空を 舞った瞬間 みな虜』(マルガリータさんの句です。)
出演
N (プロレスファン・好きな選手は三沢・蝶野・加藤園・マグナム)
K (プロレスファン・好きな選手は小橋・健介・里村・CIMA)
ミシェール滝
思いつかなかったので、NとKの語りです。
これは実際に、私と友人が、GAEAのクラッシュ復活時の応援を見て思った事ですよ。
私たちからみれば、『変な盛り上がり』ですけど、かつてのファンで、復活に合わせて女子プロレスファン復帰した彼女たちから見れば当然のことだったのでしょう。
現在はセンダイガールズが女性に応援される、かつての宝塚的空間を目指して奮闘しているようです。
女性ファンが増えることにより、女子プロレスラー志望の人が増え、また業界が盛り上がる事を期待しています。
なおファンの人ならわかることですが、文中に出てくる美麗タッグはビューティペア、破壊少女達はクラッシュギャルズのことですヨ。
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