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2024/11/28 01:54 |
”宴すぎあわてて片付け雛飾り 空にして今度は武器に一升瓶 桜散り一人寂しくごみ拾い”
”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ” 
 N版 第13弾です。
気楽にお願いします。

 ※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
 設定はほぼ管理人の創作です。

 かなり性格づけを脚色してありますので、覚悟の上続きへとお進みください。

※ジャンル:N級ホラー



 
 今日は楽しいひな祭りです。
 女の子だけの女子プロレス団体ということもあり、今日は練習・試合ともになし。
 ということで、もちろん大宴会を開いていました。


「あはははっ、ちょっと朝比奈!あなたそこに座りなさい。」
 団体のエースであり、最年長組の一人であるパンサー理沙子が積んだ座布団に朝比奈を座らせる。

「うふふふふ。これぞ本当のお比奈様!・・な~んちゃって、あははははは。」
 理沙子は相当飲んでおり、床を叩いて大笑いしている。
「あっはっは。愉快だねえ。おい、太眉!お前、比奈の隣に座れよ。」
「太眉って言うな!」
「はいはい、わかったよ。ウエハラ。ヒナの隣に座れ。」
「そうそう、座りなさい。」
 理沙子と六角に絡まれては逆らう余地もない。
 太眉はおとなしく、比奈の隣にすわる。

「太眉っていうな!」

ナレ「あ、ごめん。つい。」

「ウーン、眉毛と比奈じゃお内裏様と、不良様だな・・・美しくない。」
 と文句をいいつつ手に持った一升瓶をラッパ飲みする六角。
飲み終えた一升瓶は凶器にするらしく手元にキープされている。

「そうねえ。・・・そうだわ。」
 理沙子はポンと手を打つ。
「ちょっと、瞳こっちにきなさい。」
 理沙子は藤島瞳を呼びつける。
「はーい。なんですか理沙子さん。」
「あなたそこに座りなさいな。」
 と座布団を指差す。藤島は一瞬で呼ばれた意味を理解した。
「・・・オヒナ様するの?」
「そうよ。あでやかさならあなたでしょう。」
 ウエハラをお内裏様に見立てて、藤島をお雛様に見立てる。
「うん、絵になるなる。二人ともいいっていうまでそのままな。」
「な・・・」
「は~い。」
 藤島は素直に従う。
(おい、それでいいのか?)
(もちろん。逆らったら大変ですよ。それに秘策がありますから。)
(なんだよ、秘策って?)
(秘密ですよ~。)

「俺はもういいのか?」
「ああもういいよ。思いつきで飾ってみただけだし。ヒック」

(先月は鬼の役やらされて、ぶつけられたし、今月は飾られるのかよ。だいたいよ、飾るなよな。雛は雛でもオレじゃねえつうの。)
 ふてくされる朝比奈であった。
泣く子もだまる悪役ユニットSHU、その中心メンバーであるオーガ朝比奈も酒の席での理沙子と六角には勝てない。

「ぎゃはははは。」
「うふふふふ。」


「うわ~っ理沙子さんたち出来上がってるなあ・・・」
 カレーをばくばくと食べながら祐希子がつぶやく。
「ほっとくのさね。もしゃもしゃ。」
「もぐもぐ。できあがってるって何が?・・・」
「いいのよ、なぎさには関係ないから。」
「ふーん。何が?・・・もぐもぐ」
 
 祐希子、ソニ、なぎさの3人は黙々とばくばくカレーを食べている。
 そのまわりには、すでにお腹がパンパンでダウンしている、南利美、メイデン桜崎、菊池理宇の姿があった。

「もうだめ、完璧に食べられないわ・・・どうしていつもこうなるの・・・巻き込まないでよ」
「おかわりいらないですわ、カレー様・・・」
「祐希子さんは、カレーの方が好きなんですね・・・」


 大宴会の出し物がはじまった。

「一番村上姉妹、入れ替わりました。」
「ちょっと、どこが入れ替わってるのよ。」
「いや、ちゃんといれかわって・・」
「はい、失格。」
「罰ゲームは、伊達のヒザな。」
「・・・ごめんなさい。逆らえないの。」
「本気でやれよ~じゃないと、コレ(一升瓶)で殴るぞ。」
「・・・ごめん。」

 どごおっつ、どびゃっつ
伊達の殺人ヒザ魚雷(konnnoさん命名)が炸裂。
「うげええ」
「うがああっつ・・」

 のたうちまわる村上姉妹。
「あらあら、バケツはこちらですよ~。」
 グリズリー山本が介抱する。
 さすが名役者、ちゃんと公私は分けている。

「おら、次だれだ~?」


 誰も出てくるものはいない。
そりゃねえ、ヒザもらいたくないものなあ・・・

「チッ、つまらねえなあ。おい伊達、もういいぞ。」
「・・・は、はい・・・」

「やられ損かよ・・・」
「くそっ覚えとけよ・・・」
「お前たちの実力じゃムリムリ。」
「そうよ。」
 六角と理沙子が笑う。

「あはははつ。だらしないなあ。きゃはっ!」
 サキュバス真鍋が指ささして笑う。
「てめえっつ・・う・・・」
「このや・・・う・・」
 文句をつけようとするが、ダメージでダウンする村上姉妹。
「おう、真鍋、お前なんかやれ。」
「そうよ。大体サキュバスとかいってくせに色気が足らないのよね。」
(ぐっ・・・口では負けないはずなのに・・・)
 さすがのサキュバス真鍋もこの二人にはかなわないようだった。
「脱がすか?」
「悪くないわね。」
(・・・やばくない?) 
 サキュバス真鍋のピ~ンチ!


「あの、理沙子さん、しっていますか?雛飾りは早く片付けないといけないって。」
「あら、そうだったわね。瞳、もういいわよ。今日子ももういいわ。」
「おう。」
「さ、あっちの雛飾りも片付けましょう。ね、今日子。」
「そうだな。」

 雛飾りの片付けがはじまり、宴は終焉となった。

「早く片付けないと嫁にいけなくなるもんね~。」
 とサキュバス真鍋が余計な一言。
(あ~あ。せっかく助けてあげたのに・・・)
 藤島に救ってもらったピンチだったが、それ以上のピンチを招いてしまったようだ。
「真鍋、覚悟はいいかしら?」
 禁断のセリフに理沙子面“般若”が発動。

「あ・・・ああ・・・・」
 恐怖にひきつるサキュバス真鍋。
じわじわと迫る般若理沙子、一升瓶装備の六角、こいつは許さないと信念を刃と化して突き進むブレード上原。

 恐怖に打ち震えるサキュバス真鍋。

触らぬ神に祟り無しと、遠ざかるほかの選手たち。

 助けは入らない。

 サキュバス真鍋の命運はつきた。


「ぎゃあああああああああああああああ!!!」


 あとにはサキュバス真鍋の絶叫のみが響いたという。





「あ~あ、雛飾り片付けるのはいいけど、どうするのよ、コレ。また私が一人で片付けるわけ?」
 秋山美姫の頭に昨年の花見の光景が浮かんだ。
「大体食べるだけ食べて、飲むだけ飲んで片付けやしないのだから。もう。」
 文句いいながらもテキパキとごみを集める秋山。
 

『説明しよう! 秋山美姫は正義戦隊ジャスティス5のメンバーであり、ボランティアファイターの異名をとっている。
 試合が無いときなど、秋山美姫は海岸の清掃などのボランティア活動をしているのだ。
リングの上でも、リングの外でも平和を守っているのである。』 


「ちょっと、そこで寝ているのなら手伝ってよ。ボランティアだけど。」
 伊達の殺人ヒザ魚雷の影響でダウンしたままの村上姉妹に声をかける。
「なんでそんなことやらなければならないんだ?」
「そうだぜ、ふざけんな。」
「あらあら、二人ともそんな事を言っているとご飯抜きにしますよ。1週間ほど。」
 グリズリー山本が会場に戻ってきた。
「山本さん。」
「去年の花見のときはごめんなさいね。私怪我で入院していて一人でさびしく片付けさせてしまって。」
「山本さん。ありがとう。」

 グリズリー山本と、渋々手伝うはめになった村上姉妹の協力を得て、無事片付けは終わるのでした。

 楽しい楽しい大宴会はこうして終わったのです。



(終)
 





「おい、このボロキレはどうすんだ?」
「きったねえボロキレだな。」
「ずいぶん大きいボロキレね。」

 隅っこに転がっていた大きいボロキレを千秋が蹴っ飛ばす。

「うげええ・・・」
 と人の声。
「な、ボロキレじゃねえのか?」
「あ・・・ううう・・・」
 3人がよく見るとそれは・・・ボロボロになったサキュバス真鍋の残骸でした。

「あちゃ~。」
「なあ、秋山。理沙子たちの方がよっぽどワルだよなあ・・・」
「そ、そうね。」
「まあ悪を滅ぼすのはジャスティス5の仕事だ。任せたぜ。」
「ケケッ。」


「いや・・・ムリだから・・・あはは・・・」

「きゅ~っ・・・婆どもおぼえとけ・・・」

「懲りない奴ね。」


(終)




“宴すぎあわてて片付け雛飾り 空にして今度は武器に一升瓶 桜散り一人寂しくごみ拾い”

 それぞれ螢野光さん、動力さん、炎のすとれっちぷらむさんのイラスト化川柳です。
 今回は初の試みとして、3作分まとめて挑戦しました。

出演
“ベテラン組”
 パンサー理沙子、六角葉月、ブレード上原
“SHU”
 オーガ朝比奈、グリズリー山本、村上千春、村上千秋、サキュバス真鍋
“チーム食欲”
 マイティ祐希子、ソニックキャット、白石なぎさ

出演 南利美、メイデン桜崎、菊池理宇、秋山美姫、伊達遙、藤島瞳

 また、以下の句をイメージで使っています。

〇「ライバルは?」 涙目でポツリ 「…カレーです…」(しのぶと二人で忍ぶ恋さん)

〇なんでまた いつも私を 巻き込むな (RXさん)

〇惜しいなあ 口なら誰にも 負けないのに(リンドリも大好き♪さん)

〇サキュバスと 言うには色気が やや不足(palladionさん)

〇先月は 当てられ今は 飾られる (yatterzoooさん)

〇気付いてよ...せっかく 入れ替わったのに(seizannさん) 

〇グリズリー 最強の技 「ご飯抜き」(パンダさん)

〇二人とも あたしとしない? ボランティア(taiseiさん)

〇この信念 刃と化して 突き進む(鍛えていればできるもんさん)

 
 ところで朝比奈のセリフに使っている、“飾るなよ 雛は雛でもオレじゃねえ”ってどこかで見覚えがあるのですがどこで見たのだろう。借用しました。

 メイン川柳も3句だし、それ以外の句も多数、設定も混在している今回のお話。
 まとまったのかどうか・・・

 ともかくなんだか知らないうちに超豪華メンバーになってしまいました。

 ご感想お待ちしてます。



↓ご意見・ご感想などはこちらからどうぞ。




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2007/05/09 20:15 | Comments(6) | レッスルSS

コメント

こんばんわ、コメントは久しぶりですね
楽しく読ませてもらいましたぁ~本来うちがSS化しないといけないんですけどね(^-^;
多くの句を使っているのが、聞き覚えがあってくすっとしたり、テンポの良さや情景が思い浮かんだりと、良い効果を生んでいると思います
藤島ちゃんは要領良いなぁ~なかなか貧乏くじは引きそうにない辺りが、藤島ちゃんの本領発揮ですよね
逆に引くのは村上姉妹や真鍋の役目(笑)
真鍋はこの後部屋でもボロぞうきんで、みことに心配されちゃいますねぇ
うちも実はチャレンジSS書いてますが、なかなか終わらない…出来上がったら、かなり卑怯臭いけど、FCクライマックス劇場のと合わせてチャレンジ応募しますね
posted by 螢野光URLat 2007/05/09 22:33 [ コメントを修正する ]
藤島ちゃんならこうかなと。
村上姉妹と真鍋はこういう役回りです!(キッパリ)

 3句同時という荒業で一気に残数を減らしました。
 7番、21番にも取り掛かっているので、追いつけそうな感じではあります。

 夢の架け橋にFCがくるんですね。
私が書きたい内容もああいう奴だったので、考えなおします(笑)
 チャレンジお待ちしてますヨ。
posted by Nat 2007/05/10 01:16 [ コメントを修正する ]
三つも名句が並んだ豪華さに負けない、なんとも豪華絢爛なひな祭りですね~
ジャンルの「N級ホラー」の名に違わぬ、14周回ってA級な恐怖に苛まれたS・H・Uの面々の、酷い目に遭いっぷりは涙なくして読めません……彼女らが一体どんな悪いことをしたと言うのですか!(数え切れない自業自得)
善悪云々より、ラストの日常的な状況で秋山とグリさんがいい人なのを再確認しました(笑)
posted by HIGEURLat 2007/05/10 08:52 [ コメントを修正する ]
 S・H・Uの面々は、3バカトリオを主にいたぶっています。
 正規軍にはあまり絡んでませんが、正義軍には色々と悪さをしていますよ。
 それに真鍋は色々とやってますからね。

 秋山とグリさんは団体の良心ですよ。あとミミさんなんかもそうでしょう。
 どっかで”俺の嫁だから当然だ”という声も聞こえる気が(笑)
posted by N@管理人 外出先at 2007/05/10 17:26 [ コメントを修正する ]
“飾るなよ 雛は雛でもオレじゃねえ”
あ、それ、うちがブログのタイトルに使ったやつです。
(http://sasami.txt-nifty.com/wrestle/2007/03/post_b623.html)
覚えてていただいたとは……ありがとうございました。

豪華メンバーの宴会、楽しかったです♪ 朝比奈も、理沙子さんや六角さんの言うことはおとなしく聞いてるんですね(笑)。根っこは体育会系なんだろうなぁ。
posted by 水瀬URLat 2007/05/10 22:48 [ コメントを修正する ]
 なるほど!
それで見覚えがあったのですね。
 返句かなと思って探したのですが見当たりませんでした。(そりゃそうだ)

 でも返句ではあるのですね。

 朝比奈は基本いい人で、不器用だから体格を活かしたヒールになったと思ってますから。
 それに一升瓶片手の六角さんに素手では逆らえないでしょうし、経験上酒の席では逆らわない方がよいと思ってるのでしょうね。
posted by N@管理人 外出先at 2007/05/11 12:39 [ コメントを修正する ]

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