このお話は、NEW WIND編のサイドストーリーにあたる、スターライト相羽が主人公のオリジナルストーリーです。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第13話「星の輝き」”
お楽しみくださいませ。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第13話「星の輝き」”
お楽しみくださいませ。
「くっそおおおおおおおっう!!」
控え室へと戻った相羽は悔しさのあまり床に座りこんで泣き出してしまった。
同期ジーニアス武藤を相手にミドル・ウインド初代王座決定戦を戦い、惜しくも敗れてしまったのである。
「惜しくなんかない・・・ボクは全力を出し切って完敗したんだ・・・」
スターライトジャーマンも、ハイパースターライトも返されてしまった。伊達遙から教わった秘密兵器のハイキックもジーニアスはカウント2.8でクリアした。
「全部出し切ったのに・・・ケイちゃんからフォールを取れなかった・・・」
最後は浴びせ蹴りの前にフォール負け。
「どうして、あれが返せなかったんだ・・・いつもあの技でやられてるのに・・・」
「和希さん、入りますよ。」
ドアが開いて入ってきたのはスイレン草薙。相羽の一つ先輩になる。
「やっぱり泣いていたのですね。」
「・・・」
「和希さん、いい試合でしたよ。」
「・・・負けました。負けたらいい試合なんてしても意味はありません。」
相羽は背中を向けたままである。
「いいえ。そんな事はありません。いい試合が出来たと言う事は紙一重の差です。悲観することなんてないと思います。」
「・・・」
「それに気持ちは切り替えてもらわないといけないのですよ。4日後にはタッグ王座への挑戦が控えているのですから。」
そう、第5戦のどさんこドームではタッグ王座への挑戦が決定しているのである。
「・・・」
「そんなにケイさんに負けた事が悔しいですか?」
「はい。悔しいです。」
ライバル視を最近はしなくなったとはいえ、元の関係が元の関係だ。負ければ悔しいに決まっている。
「でも、今日負けたのは“ミドル・ウインド”のベルトですよ。次に挑戦するのは“MAX WIND”のタッグ王座です。価値は・・・ミドルより上です。」
「・・・つまりミドルで負けたけど、MAX WINDタッグをとればケイちゃんより先んじると?」
「そういうことです。言葉は悪いですが、所詮ミドルはミドル。MAXよりは下に見られます。”ミドル・ウインド王者”より、MAX WINDタッグ女王の方が重みがあります。和希さんはケイさんより先にMAX WINDを獲るチャンスです。そして、MAX WINDの実績を楯に、ミドルへの挑戦権を手にすることは容易だと思いますよ。」
スイレンはにこっと笑う。
「・・・わかりました。絶対MAX WINDタッグ獲りましょう、蓮さん。そしてボクはミドルに挑戦します!」
「その意気ですよ、和希さん!」
そして相羽は、前MAX WIND女王永沢舞から渾身のラリアートでフォールを奪い、MAX WINDタッグ王座を獲得するのである。
永沢舞からスターライト相羽がフォールを奪う。
これぞ新たなる時代の幕開けといえるだろう。
この結果、ファンの相羽を見る目が変わることになる。
このあたりはスイレンが言っていたように、MAX WINDの重みだろう。
自らフォールを奪っての戴冠だっただけにインパクトが大きかったのだ。
MAX WINDタッグ女王として、結城の引退試合の相手を立派に務めた相羽は、かつて絶対女王と呼ばれたエース結城千種から初の、そして最後のフォール勝利を収める。
こだわりのスターライトジャーマンで、恩返しに成功。
「和希、安心して引退できる。これからのNEW WINDをよろしくね。」
「そんな、ボクなんかまだまだですよ。」
「龍子や寿美がいるから?」
「はい。」
「私は蓮や和希があの二人を倒す事を望んでいるのよ。私はもうリングに立つことはないけど、あなたたちの成長を見守っている。和希、手を出して。」
「こ、こうですか?」
相羽が差し出した右手を結城はしっかりと両手で握った。
「はい。伝承終わり。」
「へっ?」
「エースになれるかは和希次第。NEW WINDのメインイベンターとしての魂は伝承したからね。」
「・・・どんなときも諦めない。ただ勝つだけじゃなく、魅せるいい試合をして勝利する。」
「そう。それよ。それだけわかっていれば大丈夫。あとはお願いね、和希。」
「はい。」
結城千種が去り、一つの時代が終わった。
そして星明りの少女、相羽和希もいまや立派なメインイベンター、スターライト相羽として確実な成長を遂げたのである。
最初は弱々しい光だったが、今は自ら輝きを放つ、スター選手への階段を確実に上っている。
「かならず架けてみせます。王座への夢の架け橋を。」
相羽はこの時初めてMAX WIND女王のベルトを狙う決意をしたのである。
相羽和希がデビューしてから、すでに丸3年が過ぎ、4年目へと突入した6月の事であった。
星明りの少女 第1部 星明り編 完
☆第2部予告☆
「ボクは、絶対に女王になる!」
「女王はボクなんていわない。あなたにはふさわしくないわ。」
「和希、完璧じゃないわね。もっと精進しなさい。」
「この吉田龍子、簡単にはやられはしない。」
「最大のライバルは・・・ケイちゃんじゃない?」
「そうだ。相羽、お前が倒すべき相手は・・・」
星明りの少女 第2部 スターライト編 不定期連載予定
お楽しみに。
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コメント
さて、ここまで素晴らしい物を読ませて貰ったからには、うちの第二章、ヒロインは別の子にしないと(笑)
ともあれ、楽しませて貰いました。
やっぱりみんなに愛される相羽ちゃん、これからの成長が楽しみです。
ともあれ、楽しませて貰いました。
やっぱりみんなに愛される相羽ちゃん、これからの成長が楽しみです。
もはや、星明りの少女はいない・・・彼女は自らが輝く星の一つなのだから。
誰よりも光り輝けるかは、これからだ!
-O坂記者-