”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第9弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
※ジャンル:ほのぼの
N版 第9弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式内の川柳のイラスト化作品を元に管理人Nが勝手に構築したものです。
設定はほぼ管理人の創作です。
※ジャンル:ほのぼの
シトシトと雪が舞い落ちる、ある冬の日のプロレスリングPAWAPAWAでの出来事です。
「ふわあっ。今日は冷えるなあ。」
外にいく気力もおきないので、朝比奈は雑誌を読みながら寝転んでいます。
そこへ、なぎさちゃんがやってきました。
「お、なぎさじゃねえか。」
なぎさちゃんは返事もせずにずんずんと朝比奈の傍にやってきました。
「なんだ?どうした、なぎさ?」
なぎさちゃんは朝比奈のパーカーの袖を掴むと、じーっと朝比奈の顔を見ます。
「なんだよ、何かついているか?」
朝比奈は悪役レスラーで、リングネームはオーガ朝比奈という怖い怖い名前ですが、本名は朝比奈優香という優しい名前です。
(似合わないけど・・・)
「おい、聞こえているぞ、ナレーション!」
おっと失礼。
「・・・誰と話してるの?・・・」
「なんでもねえよ。で、なんだっけ?」
「・・・豆まきするの・・・」
そう今日は節分なのです。
「今からかよ。」
なぎさちゃんに袖を引っ張られたままの朝比奈は困惑していました。
「・・・するの。」
「豆がないぞ。」
そう、豆まきの事なんてすっかり忘れていた朝比奈はボリボリと頭を掻いてみます。
「・・・豆まき・・・クスン」
なぎさちゃんは目をうるうるとさせます。
「あらあらどうしたんですか、朝比奈さん。なぎさちゃんを泣かせて。」
”寮のお母さん”ことグリズリー山本、通称グリさんがやってきました。
「ば、ばっかやろ!誰も泣かせてなんていねえよっ!」
「では何があったんでしょう?」
「実はな・・・・」
朝比奈はグリさんにここまでの状況を説明しました。
「あら、私としたことがすっかり忘れていました。あらあらどうしましょう。」
「どうしようたって、豆がないんじゃなぁ。」
「・・・コンビニに・・・売っている。」
となぎさちゃんは朝比奈の袖をさらにひっぱります。
「・・・買いに行けと?」
朝比奈は、半分諦めモードで聞いてみます。
「コクコク」
となぎさちゃんは首を縦にふります。
「・・・誰がい行くんだ?この雪の中・・・」
といいかけた朝比奈でしたが、グリさんもなぎさちゃんも自分を見ている事に気づきました。
「チッ・・・しょうがねえな。買ってきてやるよ。」
と朝比奈はしぶしぶ言わざるをえませんでした。
「お願いしますね。朝比奈さん。ついでにお醤油が切れていますから買ってきてくださいね。」
「チッ・・・しっかりしてやがるぜ。」
「・・・ニコニコ・・・」
なぎさちゃんとグリさんの笑顔に見送られ朝比奈は雪の舞い落ちる中、テクテクとコンビニに向かいます。
「うーさぶ。なんで俺がこんなことを。まったく泣く子も黙るヒールレスラー、オーガ朝比奈ともあろうものが、夜中に節分の豆を買いにいくなんていい笑いものだぜ。」
(とぶつぶつ言ってる朝比奈ですが、本当は嫌がってないんですよ。だって優しいですから。)
「うるせ~よ、ナレーション。おとなしく普通にナレーションしとけっ!」
(お~怖。でも本当に優しいんですよ。)
「だからよ~、ヒールが優しくても売りにはならねえんだよっ!」
そんなこんなで、豆と醤油を買った朝比奈はなぎさちゃんとグリさんの待つ寮へと戻りました。
「ただいま~、買ってきたぞ~。」
「お帰りなさい。寒かったでしょう。」
「おう。」
「じゃあこれに着替えてくださいね。」
グリさんは豆と醤油を受け取ると、なにやら大きな袋を朝比奈に手渡します。
「なんだコレ?」
「うふふ。この間富沢さんがくれたんですよ。」
「富沢が?なんだか嫌な予感がするんだけど。」
朝比奈は袋の中身を出します。
中には”赤い上下の服”と、”鬼のお面”、そして凶器にはならなそうな”ダンボール製の棍棒”が入っていました。
「おい、これって・・・」
「そうです。“鬼の役セット”ですよ、朝比奈さん。」
「・・・俺に渡すって事は・・・俺に鬼の役をやれと?」
「・・・ヒナ・・・鬼。ぶつけるの・・・」
「・・・お前がやれよ。」
とグリさんに渡そうとします。
「無理です。できません。」
拒絶するグリさん。
「なんでだよ。」
「サイズ合わないですから・・・」
と恥ずかしそうにするグリさん。
「うっ・・・じゃあ、市ヶ谷に・・・」
「あの方が着る訳がありません。」
とグリさんに言われ納得せざるを得ない朝比奈。
「・・・それもそうか。」
「・・・やるの。」
なぎさちゃんがまた袖を引っ張ります。
「チッ、しょうがねえなぁ。”リングの鬼”このオーガ朝比奈様が、リングの外でも鬼の役を引き受けてやるよ。特別だぞ、特別!ありがたく思えよ。」
吼える朝比奈。
「じゃあよろしくお願いしますね。こちらも準備しておきますから。」
グリさんは台所へといってしまいました。
鬼の衣装に着替えた朝比奈。
(よく似合っています。)
「だからうるさいっての、ナレーション!」
はいはい。
「じゃあいきますよ~鬼は~そと!」
元気よくグリさんが豆を投げます。
ペシ、ペシ、ビュンッツ!
「いってえええ。」
(最後の一発だけ思いッ切り投げたな・・・)
「・・・鬼は・・・~そと!・・・」
なぎさちゃんは、遠慮なしに投げ込みます。
ビシッ!ビシッ!!ビシッ!!
「いたたたた。」
なぎさちゃんはそうは見えませんが、パワーでは実は”PAWAPAWAトップの筋力”を誇りますからね。
痛いんですよォ・・・
「鬼は~外!ですわ!」
ドガガガガ・・・
「いっててってって!って、なんで市ヶ谷までいるんだっ!」
「なんでって、みんなでやるものではなくて?」
「いや・・・まあ、そうだけどさ、お前さっきまでいなかったじゃんかよ。」
「うるさい鬼ですわね。外へおいきなさい。」
ドガガガガガ・・・
マシンガンのように豆を投げつける市ヶ谷。
「いってって。」
「鬼は~そと。」
「・・・鬼は~そと・・・?」
「外ですわ。」
容赦なく豆を浴びせられてしまった朝比奈でした。
「くっそ・・・引き受けるんじゃなかったぜ・・・いってて・・・」
「来年もやりましょうね。」
「誰がやるかっ!!」
という朝比奈の言葉もむなしく、この行事は朝比奈の引退まで毎年恒例にそして毎回強化されていくのであった。
「てめえ、ナレーション!嫌な事言うなっ!」
「・・・怒鳴る鬼は そ~と!」
ビシッ!ビシッ!ビシッ!!
「いってええ・・・!!」
(終)
”楽屋”
「あの、このお話の設定は明らかに水瀬さんの“ぱわぱわがーるず”だと思うのですが。」
「違う、これはPAWAPAWAだよ。」
「・・・いつもと文体まで変えて・・・”別のブログと間違えたか?”と思う人続出しますよ。」
「いや、確かに意識して書いた事は認めるが、これは」
「オマージュですか。」
「人のセリフをとるなよ。だってこの川柳は水瀬さんの句だよ。それに朝比奈といえばやっぱり水瀬さんだよ。こうするしかないじゃないか。あっはっは。」
「・・・ついでにですが、文中でなぎささんが豆を投げるシーンの擬音が、“ビシッ!ビシッ!ビシッ!”になっています。これは・・・中の人(仮)さんの売りでは?」
「まあ楽屋受け狙いさ。知らない人はわからないけど、クスリと笑えるネタを仕込んでいる。」
「・・・ナレーションとケンカする朝比奈さんだけはオリジナルのようですが。」
「ネタとしてはありがちだが、このメンバーでは朝比奈が適任だろう。」
(終)
“引き受けた リングの外でも 鬼の役”
“主演” オーガ朝比奈(朝比奈優香)
“出演” グリズリー山本、白石なぎさ
“超特別出演” ビューティ市ヶ谷様
“設定元ネタ” 窓の向こうのものがたり様、来島さんでも勝てるレッスルエンジェルス様
“基本設定”ぱわぱわがーるず準拠?
勝手にオマージュシリーズです。
水瀬さんにささげます。
問題ありならしまいますので言ってください。
(先に許可をとれという気もしますが・・・)
なれない文体に挑戦しつつ、N風味をふりかけてみました。
というよりもですね、朝比奈といえば水瀬さんのとこしかイメージできないのですね。
雰囲気が出ていればいいのですが。
で、わかったこと。
1:水瀬さんの文章(SS)は優しい文体である。
2:管理人Nには優しさが足らない(苦笑)
3:よってやわらかい文章は書けない。
かなり意識して文体を真似たのですが、私の中にはない要素なんで難しかったですねえ。
ぱわぱわワールドの空気を少しは再現できたかなぁ。
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個人的に、さりげなくお醤油の買い出しも頼むちゃっかりしたグリさんが、うちのグリさんっぽくて、思わずにやり……です(笑)。ナレーションと喧嘩する朝比奈もナイスですね。ナレーションが若本御大の声で聞こえてきちゃった。
ほんとに、うちの川柳を素敵なSSに仕立てていただき、幸せです。ありがとうございました(__)。