”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第24弾の続編です。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
この川柳はイラスト化されていませんが、イラスト化川柳とのセットで効果を発揮すると思いましたので、続編として書いています。
前編となる『口先で 巨大な敵を 振り回す』を先に読まれてから、続きへとお進みください。
※ジャンル:小悪魔の最後?
N版 第24弾の続編です。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
この川柳はイラスト化されていませんが、イラスト化川柳とのセットで効果を発揮すると思いましたので、続編として書いています。
前編となる『口先で 巨大な敵を 振り回す』を先に読まれてから、続きへとお進みください。
※ジャンル:小悪魔の最後?
「恵理!大丈夫!?」
ここは病室です。
タッグパートナーのボンバー来島が救急車で運ばれたと聞いて、マイティ祐希子が飛んできました。
「祐希子・・・」
来島の脳裏には『恵理はだめだよ、使えないから。』という真鍋から聞いた言葉が張り付いています。
「どうしたのよ、恵理。練習中の怪我だって聞いたけど、具合はどうなの?」
「どうして、来たんだ?」
予期せぬ来島の言葉に祐希子はびっくりしました。
「どうしてって、あなたは私の大切なパートナーだし、大切な友達じゃない。心配して駆けつけるのは当然でしょう?」
「本当にそう思っているのか?」
来島はさらに問いかけます。
「もちろんよ!どうしてそんな事言うの?」
「さっき聞いたんだよ。祐希子が、『恵理はだめだよ、使えないから。』と言っていたって!」
来島は声を荒げました。
「ああ、アレかあ。」
祐希子はあっけらかんとした声を出しました。
「確かに言ったわよ。」
「なんだとっ!やっぱり・・・」
来島はショックを受けます。
「でも、私が言ったセリフに間違いはなかったけど、それはこういうセリフだったのよ。
『恵理はだめだよ、“勝たないと気がすまないタイプだから、草野球の助っ人には”使えないからって』」
「はっ?」
「野球やるのにメンバーが足らないから誰か出そうって話になったんだけど、恵理はムキになって、他のメンバーを怒鳴ったりするから、助っ人には向かないなと思って。」
「・・・」
「誰から聞いたのかは知らないけど、一部分だけ抜き出して恵理に教えたのね。」
「・・・真鍋の野郎・・・」
来島は右拳をぎゅっと握り締めました。
「ああ、つかさだったんだ。確かに近くでその話聞いていたはずだけどね。」
「くそっ・・・一杯食わされた。」
「恵理、本気にしたわけ?私のベストパートナーはボンバー来島だよ。」
祐希子は半ば呆れる。
「ところで、怪我はどうなの?」
「普通なら複雑骨折になるところだったけど、運がよかったんだ。たまたま安全靴を履いてトレーニングしていたからさ。」
「・・・足腰の強化のため?」
「ああ。」
「ということは・・・」
「多少の打ち身ですんだよ。」
この言葉に祐希子はほっとした表情を浮かべました。
「よかったあ。でも、真鍋の奴許せないわね。」
「まったくだぜ。一度とっちめてやらないとなあ。」
「そういえば、ちょうど次の大会で都合のいいイベントがあるわ。」
「その話、一枚乗せてもらおうかしら。」
高飛車な声が響き渡ります。
「ゲッ・・・この声は・・・さいたまっ!」
「誰が埼玉よっ、この貧乳娘っ!」
声の主はビューティ市ヶ谷。その横には熊のぬいぐるみを抱えた榎本綾がおり、その後ろには顔に絆創膏を張ったマッキー上戸がたっていました。
「マッキーに綾まで・・・どうしたの一体?」
「実は・・・」
マッキーは真相を話し、市ヶ谷も事の顛末を全て話したのです。
「なるほど。私たち全員、真鍋にしてやられてわけか。」
来島は低い声で呟きました。
「麗華様をはめるなんて許せない!」
榎本も憤慨しているようです。
「さいたまはともかく、マッキーの事情はわかったわ。」
「なんですって?こっちだって貧乳娘の手なんて借りたくありませんわ。」
「よせよ、二人とも。ここは病院だぞ。大声を出しちゃいけないんだ。」
「そ、そうでしたわね。私とした事が・・・」
「ごめん。」
二人は素直に謝ります。
「それはともかく、あいつにはそれ相応の代償を払ってもらわないといけないな。」
「だね。」
「もちろん、体で払ってもらうぜ。」
バキ!ボキ!と指を鳴らすマッキー。
「次回大会で、お仕置きしてあげるわ。でね、それを悟られないように・・・ごにょごにょ・・・」
こうして真鍋の知らないところで、真鍋へのお仕置き計画が発動されたのです。
ボンバー来島は負傷のため欠場と発表され、マッキーと市ヶ谷は顔を合わすたびに舌戦を繰り広げていました。
これも全ては真鍋をはめるためなのです。
「本日のメインイベント、スーパーバトルロイヤルを行います!」
この日のメインイベントはバトルロイヤルです。
正規軍・正義軍(ジャスティス5)・ヒール軍(S・H・U)と市ヶ谷&榎本という大人数がリング上に散らばり、バトルロイヤルがスタート。
フォールされたり、ギブアップしたり、オーバーザトップロープ(トップロープを超えて場外に落とされたら失格)をしたら失格。
最後の一人が勝者となるプロレスらしさ満点の試合形式なのです。
カンッ!
「いけっ!」
ゴングと同時に祐希子の号令がかかりました。
正義軍と正規軍メンバーが一斉にヒール軍に襲いかかります。
「フレイア鏡退場!」
正義軍に押しつぶされ、フレイア鏡がフォールされてしまい退場。
開始からわずか5秒の出来事でした。
「ギブアップ、村上姉妹退場。」
村上姉妹は一斉に関節を極められてしまい、あっさりギブアップ負けを喫します。
「ジャスティス越後、ペガサス藤原退場。」
ギブアップを取った直後に二人まとめてグリズリー山本にフォールされてしまい、退場です。
「グリズリー山本退場。」
そのグリズリーも引っ繰り返されてフォールされてしまい、失格。
「オーバーザトップロープで、八島静香、橘みずき退場。」
二人はもつれるように場外へと転落してしまい、失格。
「ライラ神威、バーニング真田退場。」
二人はエビ固め合戦を繰り広げていましたが、二人まとめて押しつぶされて退場。
「オーバーザトップロープで、オーガ朝比奈、秋山美姫退場。」
これで正義軍が全滅し、ヒール軍はサキュバス真鍋だけになりました。
リング上にはマイティ祐希子・マッキー上戸・ラッキー内田・ビューティ市ヶ谷・榎本綾が残っています。
「市ヶ谷っ!」
「上戸っ!」
二人はリング中央で力比べ、ラッキーと榎本が関節の取り合いをはじめます。
「やばいじゃん。祐希子と1対1じゃない。」
と真鍋があせりだしたとこで、ボンバー来島のテーマが流れました。
「おおっと~ボンバー来島が入ってきた!怪我は大丈夫なのか?」
「松葉杖ついていますね!」
来島はリングに上がると、祐希子に向かって松葉杖を振り下ろします。
それを間一髪交わした祐希子は「なにするのよ、恵理っ!」と叫びました。
「うるせえ!よくも人をコケにしやがって!許さん!」
「いけっやちゃえっつ!」
と真鍋が言った瞬間、来島はクルリと真鍋のほうへ振り向き、振り向きざまに松葉杖を振り下ろしました。
バキッ!松葉杖が折れるほどの衝撃です。
油断していた真鍋は完璧にもらってしまいました。
「ど・・・どうして・・・」
「お前の犯行だってことは、ばれているんだよっ!」
来島は真鍋を無理やり引き起こすと、必殺のナパームラリアットを全力で叩きこみました。
「ぐえっ・・・」
吹っ飛んだ真鍋でしたが、それをガッチリとマッキーがキャッチ。
「あ、ありがとマッキー先輩。」
「礼にはおよばねえぜっ!」
マッキーはそのまま豪快な人間橋で真鍋を投げ捨てます。
「ぎやああっつ。」
投げ捨てただけではなく、投げ捨てた先ではラッキーが待ち受けていました。
両腕をロックし、タップできないようにした上で口元にフェイスロック。
ギブアップの声を発せないように仕上げています。
「もがあっ・・もがっつ・・・」
「よくも麗華様をはめたわねっ!許さない!」
榎本はその可愛らしいヒップを真鍋の目の辺りにこすりつけます。
いわゆるスティンクフェイスという技であり、真鍋自身もよくやる技なのですが、肉体的よりも精神的ダメージが大きいのです。
口を塞がれている上に、前が見えなくなるという苦しみまで与える効果的な技だと思います。
「そろそろいいですわよ。」
市ヶ谷の声で榎本は技を解き、ラッキーも技を解きました。
ぐったりとした真鍋の両足を来島が持ち上げ回転しはじめました。
「オラ!オラ!オラ!」
ジャイアントスイングでグルグルと高速でまわされる真鍋。
「い~ち!」「に~い!」
場内から回転数を数える声が飛び始めました。
「じゅ~しち!」「じゅ~はち!」
真鍋はぐったりとしています。
「にじゅうご!」
25回転で来島は技をとき、真鍋を放り投げます。
「いきますわよっ!自分の罪の深さ、思い知りなさい。」
抵抗できない真鍋を豪快かつ華麗に担ぎあげる市ヶ谷。
「ビュ~ティ!!」
場内から技に合わせてチャント(掛け声)が入ります。
「ボーム!!」
今日もビューティボムが華麗かつ豪快に決まりました。
だけど、今日の市ヶ谷はここでカバーはいきません。
「ま・な・べ~っ!今日の私はお前への怒りで熱く燃えているわっ!」
祐希子はコーナーから叫ぶと、必殺のムーンサルトプレス!
プロレスファンが夢にまで見た、マイティ祐希子とビューティ市ヶ谷、武蔵と小次郎の豪華合体巌流島コンビネーション!炸裂です。
もちろん、真鍋はこれで3カウント。
ほとんどリング上での私刑(リンチ)に近いものでしたが、観客はそれを受け入れました。
「どうせまた、何かしでかしたんだぜ。」
「自業自得でボロ雑巾じゃん!」
サキュバス真鍋、振り回したはずが、振り回され、ボロ雑巾に・・・
「ボロ雑巾ですんだのは綾のおかげですわ。感謝なさい。」
真鍋には聞こえてはいないようではありました。
(終)
『振り回し 振り回されて ボロ雑巾』 yatterzoooさんの川柳です。
主演 サキュバス真鍋(S・H・U)
出演 マイティ祐希子、ボンバー来島(ゴールデンペア)
ビューティ市ヶ谷、榎本綾
マッキー上戸、ラッキー内田(ジューシーペア)
※エキストラ出演※
正義軍(ジャスティス5)=ジャスティス越後、橘みずき、ペガサス藤原、秋山美姫、バーニング真田
ヒール軍(S・H・U)=グリズリー山本、オーガ朝比奈、ライラ神威、村上千春&千秋、八島静香
イラスト化川柳を上の句だとした場合、この川柳が下の句だと思いましたので、後編として使わせていただきました。
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コメント
>アワモさん
こうまとめました。
書きながら話を構築するので、いつもどうまとめるか自分でも想像つきません(笑)
榎本のスティンクは見た目は可愛らしいでしょうが真鍋的に屈辱かと
団体戦はそのうちまた挑みますよ。
こうまとめました。
書きながら話を構築するので、いつもどうまとめるか自分でも想像つきません(笑)
榎本のスティンクは見た目は可愛らしいでしょうが真鍋的に屈辱かと
団体戦はそのうちまた挑みますよ。
posted by Nat 2007/07/05 17:46 [ コメントを修正する ]
『振り回し 振り回されて ボロ雑巾』を楽しく読ませて頂きました
狼少年ならぬ狼少女つかさ見事に撃沈!
報いは本人に返ると言いますか、まさに因果応報でした
追伸‥遅くなりましたがN様、SS小説の感想ありがとうございましたm(__)m
ご指摘頂いた箇所は修正しました
本当にありがとうございました_(._.)_
狼少年ならぬ狼少女つかさ見事に撃沈!
報いは本人に返ると言いますか、まさに因果応報でした
追伸‥遅くなりましたがN様、SS小説の感想ありがとうございましたm(__)m
ご指摘頂いた箇所は修正しました
本当にありがとうございました_(._.)_
posted by ゼロat 2007/07/05 22:15 [ コメントを修正する ]
>ゼロさん
句の通りですね。
オシオキのシーンが書いていて楽しかったですよ。
指摘は出すぎたかなと思ったのですが、やはり知っている者としては、気になりましたので。
続きも楽しみにしております。
句の通りですね。
オシオキのシーンが書いていて楽しかったですよ。
指摘は出すぎたかなと思ったのですが、やはり知っている者としては、気になりましたので。
続きも楽しみにしております。
posted by Nat 2007/07/06 01:01 [ コメントを修正する ]
なんという豪華な自業自得……!
間違いなく病院送りコースです(笑)真鍋の小悪魔っぷりがあはれをもよおすほどハマッてますねぇ。
ここまでケチョンケチョンにされても懲りずにまた上の句に戻るんだろうなぁと思うと、真鍋って実は凄いんじゃないかと思ったりもします。
間違いなく病院送りコースです(笑)真鍋の小悪魔っぷりがあはれをもよおすほどハマッてますねぇ。
ここまでケチョンケチョンにされても懲りずにまた上の句に戻るんだろうなぁと思うと、真鍋って実は凄いんじゃないかと思ったりもします。
>HIGEさん
真鍋ですからねえ。
たぶん懲りずに同じことをやってさらにボッコボコにされそうです。
真鍋は次のシリーズを欠場し、お給料0円だったそうですよ(笑)
真鍋ですからねえ。
たぶん懲りずに同じことをやってさらにボッコボコにされそうです。
真鍋は次のシリーズを欠場し、お給料0円だったそうですよ(笑)
posted by Nat 2007/07/06 17:40 [ コメントを修正する ]
凄いなあ・・・イラストで出てきた皆さんを上手く使って贅沢な話に仕上げる力量には兜を脱ぎっぱなしです。
遅ればせながら、自分の句のSS化ありがとうございます。そして怪我&無給の真鍋に合掌。
遅ればせながら、自分の句のSS化ありがとうございます。そして怪我&無給の真鍋に合掌。
posted by yatterzoooat 2007/07/07 18:53 [ コメントを修正する ]
豪華技のリレー。
こういう形でまとめたのかぁ。
感心しっぱなしです。
愛軍団戦。ありがとうございました。