”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第32弾です。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:可愛いミミさんは好きですか?
※※お題SS 28 よめ でもあるので、追加します。※※
N版 第32弾です。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:可愛いミミさんは好きですか?
※※お題SS 28 よめ でもあるので、追加します。※※
女子プロレスラーミミ吉原(本名:吉原泉)はいい女です。
見た目も美人さんだし、いつでも柔らかな笑みを絶やさないし、人当たりもいい。
気配りもできるし、とても出来た人だと思う。
私は取材を通じて彼女の人柄に触れる機会も多く、いつしか彼女を私のお嫁さんにしたいと思ったものでした。
あ、ファンの皆さん安心してくださいね。私は彼女をお嫁さんにはできませんから。
そして我が社で行った『お嫁さんにしたい女子プロレスラー』アンケートのダントツの一位は、彼女だった。
「あの、柔らかな笑みがたまりません。」
「彼女が家にいてくれたら、どんなにつらい仕事でも頑張れると思う。」
「ミミさんは・・・いや、泉は俺の嫁。」
などなどの多数の意見が寄せられた。
まあ、最後の一つは意見というより『願望』だと思うけど(苦笑)
このメッセージの送り主の名前は出せないけれど、ミミ吉原の熱烈なファンとして有名な某人物のセリフであることは言うまでもない。
ミミ吉原本人にこのアンケート結果を伝えると・・・
「あら。嬉しいけど、ちょっと意外ねえ。」
ミミ吉原は人を魅了する柔らかな笑みを浮かべた。
「意外ですか?」
「うん。私よりもグリちゃんの方がお嫁さんには向いていると思うな。気配りもできるし、掃除・洗濯・料理・・・家事全般が得意だもの。」
ミミ吉原は後輩のヒールレスラーの名前を出した。
グリズリー山本は八島静香率いるヒール軍のエース格で、リング上で大暴れしている。
だが、リングを降りた素顔の彼女は優しい家庭的な女性なのだ。
「グリズリー山本選手はベスト10には入っていませんね。私たちのようなマスコミ関係者までなら彼女の素顔を知っていますが、一般のファンの方まではなかなかその評判は届かないようです。」
「そうなの。勿体ないわねえ。」
ミミ吉原は優しい先輩としての顔をみせた。
彼女は面倒見のいい人であり、ベビー・ヒール、そして先輩・後輩を問わず信頼され、愛されている。
この団体の柱はエースのパンサー理沙子であるが、精神的な柱になっているのはミミ吉原だと私は思っている。
「なんだかちょっと照れるわね。」
ミミ吉原はアンケートのメッセージを見て頬を赤く染めた。
「みんなストレートですからね。私なんかからすれば羨ましいくらいですよ。」
私はこんな熱烈なラブコールをもらった事がない。
まあ、あったとしてもここには書かないけれどね。
「うーん、これはこれで結構困るものなのよ。」
ミミ吉原は苦笑する。
「そうなんですか?」
「うん。たとえば、『ミミさんは・・・いや、泉は俺の嫁。』ってメッセージ送った人いるでしょ?」
「ああ、いましたね。思いっきり願望ですよね。」
「うん。この人はね、『サインしてください。』って言って婚姻届をもってきたり、『血痕を前提としたド突き合いをお願いします。』って言ってきたりする人なのよ。」
・・・私は一瞬言葉に詰まった。
「こ、婚姻届ですか?それでどうしたんです??」
「ふふ。ちゃんとサインしてあげたわよ。裏返して、ミミ吉原って。」
ミミ吉原は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「裏返してですか。」
「うん。文字が書いてない方にサインするのは当然でしょう?それにサイン色紙じゃないものにサインすることには慣れているから。」
確かに。Tシャツにサインしたり、ノートの切れ端にサインしたり、インタビュー記事の載っている雑誌にサインしたり、プロレスカードにサインしたりと、色紙じゃないものにサインすることにはなれている。
それにしても『絶妙の切り返し』だ。きっと彼女の事だ。柔らかな笑みを浮かべたまま鮮やかに裏側にサインをしたのだろう。
その時の出した男の表情を想像し、私はちょっと気の毒に思った。
「なるほど。でも、ドツキアイの方は?」
「私はプロだから、素人さんに手を上げるわけにはいかないの。だから、丁重にお断りしたわ。」
「・・・血痕を前提としたド付き合いでしたよね?」
私は何かに気がついた。
「そうですよ。」
「それって『結婚を前提としたお付き合い』では?」
「えっ?」
「きっと緊張してどもったんですよ。」
「そ、そうなのかな。よかったわ、受けなくて。」
「そうですよ。ミミ吉原選手はみんなのお嫁さんなんですから。」
その時、ウイッチ美沙が通りかかった。
「ミミさんは、お嫁さんにしたいナンバー1じゃないのです。ただ単に年を食っているだけなのです。このランキングを見るのです。年寄りばかり上位なのです。」
美沙の指摘は間違いではない・・・いや失礼。
一位はミミ吉原だが、2位はパンサー理沙子、3位は六角葉月、4位にフレイア鏡と上の世代の選手が選ばれている。
「美沙ちゃん、ど、どういう意味かな?それ。」
「わからないのですか?おばさんが選ばれているのです。美沙のようなピチピチの選手は誰もランキングに入っていないのです。」
このウイッチ美沙という選手、分析力に関しては杉浦選手とタメを張る能力を持っているのだけど、口が非常に悪い。
「美沙ちゃん・・・」
「はい、なんなのです?」
美沙はミミ吉原の殺気に気づいていないようだった。
まあ、それに気づくようなら最初からこんなことは言わないだろうけど・・・
「ねえ、写真がいるって言っていたわよね。お嫁さんにしたいアンケートナンバー1獲得記念の。」
そんな事は言った記憶はないが、彼女の目は有無を言わさぬ光を放っている。
「そ、そうだったわね。」
「保科ちゃんにカメラマン頼んでつれてきて。美沙は私と一緒に写真に入りましょうね。」
「え、美沙もですか?いいのですか?」
「もちろん、いいわよ。」
美沙は雑誌に載れると知って喜んでいるようだ。
そして保科選手をカメラマンにして撮影が始まった。
「若手にしたわれるお姉さんの図でお願いしますね。」
ミミ吉原は柔らかな笑みを浮かべた。
「り、了解。保科カメラマンよろしくお願いします。」
「は~い、いきますよ~。」
カメラを構えたところで、それまで美沙の肩に置かれていたミミ吉原の両腕がスッと美沙の首に巻きついた。
一瞬の出来事だったが、美沙は確実に落ちていた。
『柔らかな笑みで絞めます頚動脈』私の頭にこんなフレーズが浮かんだ。
「ミミさん、いい絵ですよ。もう一枚いきましょうか~。」
「ちょっと待ってね。ポーズ変えるわ。」
ミミ吉原は気絶した美沙にドラゴンスリーパーをかけた。
あとで現像した写真を見たのだが、『アンケート一位と聞き、後輩と仲良くはしゃぐ、笑顔のミミ吉原。』という写真になっていた。
この写真が掲載された後、編集部にはこの写真をパネルにして譲ってくれという電話が相次いだ事を最後に記しておこうと思う。
週刊N‘Sプロレス編集部 仲元真美
(終)
“柔らかな 笑みで絞めます 頚動脈” 伝説の垂れ幕さんのイラスト化川柳です。
☆出演☆
ミミ吉原、ウイッチ美沙、保科優希、仲元真美
“血痕を前提としたド突き合い”&“色紙なく 婚姻届が 目の前に”
harutoさんの非イラスト化川柳を使用しています。
さて、このお話はどうでしたでしょうか?
珍しく記者視点という形をとってみました。
途中出てくる謎のファンの言動がどこかの誰かに似ていると思ったアナタ!・・・それは正解ですヨ。
そのあたりは狙って書いていますからね。
見た目も美人さんだし、いつでも柔らかな笑みを絶やさないし、人当たりもいい。
気配りもできるし、とても出来た人だと思う。
私は取材を通じて彼女の人柄に触れる機会も多く、いつしか彼女を私のお嫁さんにしたいと思ったものでした。
あ、ファンの皆さん安心してくださいね。私は彼女をお嫁さんにはできませんから。
そして我が社で行った『お嫁さんにしたい女子プロレスラー』アンケートのダントツの一位は、彼女だった。
「あの、柔らかな笑みがたまりません。」
「彼女が家にいてくれたら、どんなにつらい仕事でも頑張れると思う。」
「ミミさんは・・・いや、泉は俺の嫁。」
などなどの多数の意見が寄せられた。
まあ、最後の一つは意見というより『願望』だと思うけど(苦笑)
このメッセージの送り主の名前は出せないけれど、ミミ吉原の熱烈なファンとして有名な某人物のセリフであることは言うまでもない。
ミミ吉原本人にこのアンケート結果を伝えると・・・
「あら。嬉しいけど、ちょっと意外ねえ。」
ミミ吉原は人を魅了する柔らかな笑みを浮かべた。
「意外ですか?」
「うん。私よりもグリちゃんの方がお嫁さんには向いていると思うな。気配りもできるし、掃除・洗濯・料理・・・家事全般が得意だもの。」
ミミ吉原は後輩のヒールレスラーの名前を出した。
グリズリー山本は八島静香率いるヒール軍のエース格で、リング上で大暴れしている。
だが、リングを降りた素顔の彼女は優しい家庭的な女性なのだ。
「グリズリー山本選手はベスト10には入っていませんね。私たちのようなマスコミ関係者までなら彼女の素顔を知っていますが、一般のファンの方まではなかなかその評判は届かないようです。」
「そうなの。勿体ないわねえ。」
ミミ吉原は優しい先輩としての顔をみせた。
彼女は面倒見のいい人であり、ベビー・ヒール、そして先輩・後輩を問わず信頼され、愛されている。
この団体の柱はエースのパンサー理沙子であるが、精神的な柱になっているのはミミ吉原だと私は思っている。
「なんだかちょっと照れるわね。」
ミミ吉原はアンケートのメッセージを見て頬を赤く染めた。
「みんなストレートですからね。私なんかからすれば羨ましいくらいですよ。」
私はこんな熱烈なラブコールをもらった事がない。
まあ、あったとしてもここには書かないけれどね。
「うーん、これはこれで結構困るものなのよ。」
ミミ吉原は苦笑する。
「そうなんですか?」
「うん。たとえば、『ミミさんは・・・いや、泉は俺の嫁。』ってメッセージ送った人いるでしょ?」
「ああ、いましたね。思いっきり願望ですよね。」
「うん。この人はね、『サインしてください。』って言って婚姻届をもってきたり、『血痕を前提としたド突き合いをお願いします。』って言ってきたりする人なのよ。」
・・・私は一瞬言葉に詰まった。
「こ、婚姻届ですか?それでどうしたんです??」
「ふふ。ちゃんとサインしてあげたわよ。裏返して、ミミ吉原って。」
ミミ吉原は悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「裏返してですか。」
「うん。文字が書いてない方にサインするのは当然でしょう?それにサイン色紙じゃないものにサインすることには慣れているから。」
確かに。Tシャツにサインしたり、ノートの切れ端にサインしたり、インタビュー記事の載っている雑誌にサインしたり、プロレスカードにサインしたりと、色紙じゃないものにサインすることにはなれている。
それにしても『絶妙の切り返し』だ。きっと彼女の事だ。柔らかな笑みを浮かべたまま鮮やかに裏側にサインをしたのだろう。
その時の出した男の表情を想像し、私はちょっと気の毒に思った。
「なるほど。でも、ドツキアイの方は?」
「私はプロだから、素人さんに手を上げるわけにはいかないの。だから、丁重にお断りしたわ。」
「・・・血痕を前提としたド付き合いでしたよね?」
私は何かに気がついた。
「そうですよ。」
「それって『結婚を前提としたお付き合い』では?」
「えっ?」
「きっと緊張してどもったんですよ。」
「そ、そうなのかな。よかったわ、受けなくて。」
「そうですよ。ミミ吉原選手はみんなのお嫁さんなんですから。」
その時、ウイッチ美沙が通りかかった。
「ミミさんは、お嫁さんにしたいナンバー1じゃないのです。ただ単に年を食っているだけなのです。このランキングを見るのです。年寄りばかり上位なのです。」
美沙の指摘は間違いではない・・・いや失礼。
一位はミミ吉原だが、2位はパンサー理沙子、3位は六角葉月、4位にフレイア鏡と上の世代の選手が選ばれている。
「美沙ちゃん、ど、どういう意味かな?それ。」
「わからないのですか?おばさんが選ばれているのです。美沙のようなピチピチの選手は誰もランキングに入っていないのです。」
このウイッチ美沙という選手、分析力に関しては杉浦選手とタメを張る能力を持っているのだけど、口が非常に悪い。
「美沙ちゃん・・・」
「はい、なんなのです?」
美沙はミミ吉原の殺気に気づいていないようだった。
まあ、それに気づくようなら最初からこんなことは言わないだろうけど・・・
「ねえ、写真がいるって言っていたわよね。お嫁さんにしたいアンケートナンバー1獲得記念の。」
そんな事は言った記憶はないが、彼女の目は有無を言わさぬ光を放っている。
「そ、そうだったわね。」
「保科ちゃんにカメラマン頼んでつれてきて。美沙は私と一緒に写真に入りましょうね。」
「え、美沙もですか?いいのですか?」
「もちろん、いいわよ。」
美沙は雑誌に載れると知って喜んでいるようだ。
そして保科選手をカメラマンにして撮影が始まった。
「若手にしたわれるお姉さんの図でお願いしますね。」
ミミ吉原は柔らかな笑みを浮かべた。
「り、了解。保科カメラマンよろしくお願いします。」
「は~い、いきますよ~。」
カメラを構えたところで、それまで美沙の肩に置かれていたミミ吉原の両腕がスッと美沙の首に巻きついた。
一瞬の出来事だったが、美沙は確実に落ちていた。
『柔らかな笑みで絞めます頚動脈』私の頭にこんなフレーズが浮かんだ。
「ミミさん、いい絵ですよ。もう一枚いきましょうか~。」
「ちょっと待ってね。ポーズ変えるわ。」
ミミ吉原は気絶した美沙にドラゴンスリーパーをかけた。
あとで現像した写真を見たのだが、『アンケート一位と聞き、後輩と仲良くはしゃぐ、笑顔のミミ吉原。』という写真になっていた。
この写真が掲載された後、編集部にはこの写真をパネルにして譲ってくれという電話が相次いだ事を最後に記しておこうと思う。
週刊N‘Sプロレス編集部 仲元真美
(終)
“柔らかな 笑みで絞めます 頚動脈” 伝説の垂れ幕さんのイラスト化川柳です。
☆出演☆
ミミ吉原、ウイッチ美沙、保科優希、仲元真美
“血痕を前提としたド突き合い”&“色紙なく 婚姻届が 目の前に”
harutoさんの非イラスト化川柳を使用しています。
さて、このお話はどうでしたでしょうか?
珍しく記者視点という形をとってみました。
途中出てくる謎のファンの言動がどこかの誰かに似ていると思ったアナタ!・・・それは正解ですヨ。
そのあたりは狙って書いていますからね。
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お互い原稿を読んだわけじゃないのになあ。