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もう一度あの日のように~ボクがボクだけの救世主~
 星明りの少女の最新版です。
 時系列としては”もう一度あの日のように~再会~”の後になります。
再会試合を見てスターライト相羽が気づいたこととは…




 憧れの南さんが闘っている…ボクの目の前で。

 南さんはボクにとって憧れのレスラーだった。ボクは南さんの引退試合を観てプロレスラーになる決意をし、プロレスラーになったんだ。

 南さんの引退試合がボクのプロレス初観戦だった。最初で最後と思っていた南さんの試合…もう一度観ることが出来るなんて、この間まで思ってもみなかった。
 あの頃のボクは単なる観客だったけど、今回のボクは憧れた南さんのセコンド。9年という時の流れはボクの立場を変えていた。ボクが所属するNEW WINDは今年で創設18年目を迎える。
 今回、NEW WIND17周年記念興行のラストマッチに組まれたのは、NEW WINDの一期生”偉大なる鳳凰”伊達遙さんと、僕の憧れの人だった、”完璧なる関節の女神”南利美さんの再会マッチでした。
NEW WINDはこのところ観客動員が落ちてきており、その打開策として社長たちが考えた秘策がかつての名レスラーの一夜限りの復帰というサプライズだった。
 このカードを聞いた時、ボクの心には諦めがあった。
「ボクたちじゃ、先輩たちのようなNEW WINDは作れない。」そう思っていた。
 だから、祐希子ちゃんや麗華ちゃんが「なんでそんなカードを組むの!」と反発していたのに、このカードをあっさりと受け入れてしまったのだと思う。
 ボクはセミファイナルで持てる全力を出し切ったし、いい試合ができたと思っていた。だけど、それは甘かった。ボクの目の前で繰り広げられた伊達さんと南さんの再会試合は凄い試合だった。
 9年という長いブランクを経て復帰したお二人は、ボクの予想を…いや、観る者すべての予想を超えた試合を見せてくれた。肉体的にも精神的にもボロボロになって引退していったはずなのに…ボクはそんな思いで試合を観ていた。
 リングに上がったお二人の体は、現役選手と比べても遜色のない体を作ってきた。それだけでもどれほどの覚悟を持っていたかわかるほどだったけど、それ以上に試合内容も凄かった。

 序盤の力比べ…あれだけで観客をひきつけることが出来るなんて思わなかったし、その後のチョップ合戦も凄かった。チョップだけであそこまで沸かせることができるなんて……ボクもチョップにはそれなりに自信を持っていたけど…格が違った。
 南さんと伊達さんのチョップ合戦を見ながら、ボクはスターライトチョップを教えてくれた時先輩のカンナ神威さんが言っていた言葉を思い出していた。
「チョップだけでですか?」と言うボクの質問にカンナさんはこう答えてくださったんだ。
「そうだ。こんな単純な技で会場が沸くとは思わないだろう?だけど、実際にこれが出来るようになれば試合を組み立てるのは楽になるよ。最初にチョップを出しただけで客席が沸くのだから。こんな楽な方法はない。」
 そしてもう一つ思い出したことがある。
「筋力では相羽の方が上かもしれないが、私はそれを気でカバーしているからだろう。胸板へでもノドでも構わんが、今教えた打ち方ができるようになればチョップ一つで会場を沸かせる選手になれるはずだ。」
 これは「どうしてこんなに威力が違うのか?」というボクの疑問に対するカンナさんの言葉だった。カンナさんの言う気と、伊達さんと南さんが込める想いが同一のものかどうかはボクにはわからない。だけど、これだけはハッキリしている。
力任せに打つチョップより、気なり想いを込めたチョップの方が強いって。ボクは…スターライトチョップにどれだけの想いを込めていただろうか。もっと出来るんじゃないか?そう思った。
 スターライトチョップを磨くことをボクはどこかで怠けていたのかもしれない。

 南さんも伊達さんも、現役時代とはいい意味で違っていた。進化したというか…ボクはまだまだ自分が甘いってことを思い知らされた。(もう祐希子ちゃんには勝てない…)そう思っていたボクがいたけど、それは甘い考えだった。
「和希、あなたは本当に頑張っている?勝つために楽しんでプロレスをしているかしら?」
 南さんは背中でそうボクに語っていたと思う。南さんは負けるためにリングにあがったわけじゃない。勝つために鍛え直してリングに上がったんだ。
 勝つために…考えてプロレスをする。でも、魅せることを忘れない。南さんのプロレスから学ぶものは多かった。勝つための努力は惜しまないでいこうと思う。南さんは鉄柵・ロープを使った反則プレーも盛り込んでいた。
「5カウント以内なら反則じゃない。」カンナさんの言葉を思い出す。
 それだけじゃない。南さんは、セコンドのボクを盾にまでした(苦笑)あれは痛かったな…まさか!と思った。でも、勝つためには必要なことだったんだ。
 伊達さんのヒザは凄かった。様々な思いが乗った凄いヒザだった。ボクはまだまだ甘い。このやりとりだけでもそう思った。

 南さんと伊達さんは、ボクたちへの警告も発していた。「頭から落とすプロレスは考えた方がいい」って。お二人は結局頭から落とす技は一度ずつしかださなかった。頭部への打撃は出してはいたけど、危険な角度で落とす技を乱発したりはしなかった。
体が資本のプロレスラー。怪我はなるべくしない方がいい。お二人はそう考えて頭から落とす技をほとんど使わないプロレスを見せてくれたんだろう。頭から落とす技を使わなくても、観客を魅了することができる。そういうことなんだ。

 そして…立ち止まるな!というメッセージもボクは感じた。ノスタルジックになってもしかたがないのに、お二人は進化した伊達VS南を見せてくれた。
ボクが知っているどの伊達VS南よりも進化した伊達VS南だった。まさかの新技、技の間…どれもが勉強になった。そして…ボクは大事なことを学んだ。
 決意を持って臨めば衰えにも勝てると。ボクは体力的な衰えを感じてきていたけど、お二人の試合を観てまだ出来ると思った。
「ボクが甘かった。」
 そうとしかいえない。今日、南さんと伊達さんが見せてくれたように、もう一度あの日のようにボクも輝く。祐希子ちゃんを破って、もう一度頂点に輝いてみせる。
それがボクに出来る恩返しだと思うから。
「南さん、見ていてください。ボクはもう一度頂点に輝きます!」
 強い気持ちを込めたスターライトジャーマンで、もう一度王座への架け橋をかけてみせます!もう夢の架け橋ではない。ボクがボクらしくあるために。今の中途半端なボクを助け出します。だって、ボクがボクだけの救世主なんだから!

 南さん、見ていてください。ボクは祐希子ちゃんに勝って、再びMAX WIND女王に輝いてみせます。もう一度あの日のように…

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2008/08/19 18:00 | Comments(2) | 星明りの少女

コメント

星明り最新版、そうか、相羽も衰えを見せている時期なですよねぇ・・・。
改訂版共々読み返して改めて作品『NEW WIND』の持つ力強さを感じてます。

最近、何年かぶりに女子プロの動いている所(GAORAなど)を目にするようになりましたが
確かに頭部へのダメージ技を多用するようになりましたね。
規制が厳しくなる一方の諸外国に比べると時代に逆行している日本のマット界が
少々心配にもなります。

あと、Nさんところでドラクエを扱うようになったので、おいらとしては初めてドラクエに手をつけてみました。
ここを参考にちまちま進めているところです。
(ちなみに嫁はデボラにしてみました。なんとなく・・・・w)
posted by 泡藻at 2008/08/19 19:16 [ コメントを修正する ]
>アワモさん
 サバイバーの場合、年数による衰えがあるのでドラマチックになります。少々スパンが短いのがあれですけどね。
 NEW WIND編は出来うる限りプロレスの熱気などを伝えたいという思いがあります。それが力強さになっているのかもしれませんね。
 現在の女子プロレスは正直危ないですね。大きな事故が起こらないことを願うばかりです。

 DQは楽しいですよね。私は10回以上プレイしているのでわかっている人にプレイメモになっています。大まかな流れはおさえてみてもいいかもしれません。

>哲さん

 拍手ありがとうございます。また過分なお言葉感謝します。
いつの間に連載? 続きは少々時間かかるとは思いますけども(苦笑)
 それにしても試合を書くのが大変ですヨ。

 
posted by Nat 2008/08/20 00:50 [ コメントを修正する ]

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