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2017/10/19 10:57 |
星明りの少女 第3話「初観戦、そして・・・」
このお話は、NEW WIND編のサイドストーリーにあたるスターライト相羽が主人公のオリジナルストーリーです。

 このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。

 単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。

 では”星明りの少女 第3話「初観戦、そして・・・」” 

 お楽しみくださいませ。



NEW WIND2月シリーズ最終戦 九州ドーム大会

 セミファイナルの永沢舞VSジェナ・メガライトの試合が終わりいよいよダブルメインイベントを迎えようとしていた。
「すげえ人だなあ。ほとんどの席埋まっているぜ。」
 村田がきょろきょろと辺りをみまわす。
「どれくらいの人が入ってるんだろうね。」
 と相羽が呟くように言った時、場内からどよめきと拍手が起きる。
「あ、見ろよ電光掲示板!」
 相羽がそこを見ると54883人 (超満員)と表示されていた。
「すごーい。」
 そしてそのざわめきが静まるのを待つように、赤いスーツ姿の男性がリングへと上がった。
「あれ、あのリングアナの人、さっきまでと違う人だよ!」
「ばっかだなあ。アレがNEW WINDの社長の風間新だよ。ほら対戦カードに書いてあるだろ、南さんの引退試合の特別リングアナをやるんだってさ。」
 場内からは“風間~ちゃんとやれよー”とか“ちゃんとやらねえとネオ・サザンだぞ~!!”という野次が飛ぶ。
「人気ないの、あの人?」
「う~ん、社長に人気があるかって?どうだろうね、あの人結構傲慢で強引な印象あるけど、根はいい人だからな。このNEW WINDってヒールユニットが存在しない団体でさ、対他団体に関して、まあ、主に新女が的だったけど“悪ぶって挑戦的な態度”をとったり、今回みたいに強引な会場スケジュールとったりするから、一般的にはよく思われていないみたいだけど、俺は好きだよ。NEW WINDはこの社長あってこそだしね。」
 田村は饒舌に語る。
「で、人気は?」
「よくも悪くも、あるんじゃないの?好きな人は好きだし、キライな人はキライ。でも、風間社長あってのNEW WINDだって事は知っているから、ブーイング飛ばしながら楽しんでいると思うよ。」
 
 やがて風間社長のコールで伊達遥が入場を終え、本日の主役である南利美の入場を待つ事になる。
「続きまして赤コーナーより南利美選手の入場です。」
  そしてテーマ曲とともに南が姿を現すと、客席は総立ちに近くなる。
そして南コールの大合唱。もちろん相羽もミムラんずも南コールを送る。

 そして最後の選手紹介が終わり、南の引退試合が始まった。

「伊達選手って強いの?」
 相羽は目をリングから離さずに尋ねる。
「ああ、強いよ。今日行われるMAX WINDの初代女王戦にエントリーしていてもおかしくなかったと思う。」
 田村もリングから目を離さずに応える。
「そう・・・やっぱり・・・」
 相羽は伊達の動きを見て感じていた。
今までに出てきたどの選手よりも凄い・・・と。
「南~~!!」
 相羽は声を枯らして声援を飛ばし続けた。
伊達の1度目のシャイニングフェニックスが決まったときはもうダメかと思ったのだが、南は声援に後押しされるように肩をあげ、そして必殺のネオ・サザンクロスロックを伊達に極めたのだ。
「決めて~南さ~~ん!!」
 だけど、相羽たちの必死の応援も実らず、伊達のシャイニングフェニックスで南は静かに、3カウントを聞いたのだった。
「儀式みたいに静かだったね・・・」とは相羽の感想。
「伊達選手もさすがだよな、説得力十分のフィニッシュ。南さんが悔いを残さないように完全に決めたよ・・・」
 田村は半ば放心状態で呟いた。山村と村田は言葉すら出ない。
「あれは何を言っているんだろうね?」
 相羽は伊達と南の間に交わされた言葉を知りたかったが、それを知る事はできない。
「南さんと伊達選手はライバルだったから、色んな思いがあるんじゃないかな。」
「そうなんだ。」
 
 そしてダブルメインのMAX WINDヘビーが終わった。
「伊達選手も凄かったけど、結城選手とカンナ選手も凄かったね!!」
 相羽は興奮しきっていた。もはや立派なプロレスファンである。
「だなあ。」

  そして引退式。
 田村は涙を流して南を見送り、相羽は素直に感動していた。
「高知県出身、132パウンドー!! 南~とし~み~~!!!」 
 花道を退場していった南が最後のコールに応えてバックステージへと消えていった。
 こうして相羽の初めてのプロレス観戦は終わりを告げる。

 そして会場の外に出た相羽達の丁度目の前を南がバスへ向かって歩いていくところだった。
「南選手、お疲れさまでした。」
 相羽は駆け寄る。
「応援ありがとう。声聞こえたわよ。」
 南は笑顔を見せる。
 これが本当かどうかは南しかわからないこと。
「精一杯応援したのに、ボクの元気足らなかったのかな。」
 すまなそうに言う相羽に南は優しい声をかける。
「残念だけどあれが今の私の精一杯だったわ。応援ありがとうね。」
「あの、南選手・・・」
「元選手。今はただの南利美よ。南さんでいいわ。」
 この辺りのこだわり方は南らしいところ。
「はい。南さん、私プロレスラーになります!」
「本当に?」
 南はちょっと驚いたようだった。
「はい、感動しました。今度はボクが感動を与える側になりたいです。」
 相羽は瞳を輝かせる。
(この手のタイプはやらせるしかないわね)
「挑戦してみるのね。まだうちは募集しているはずよ。完璧な試合を出来るような立派なレスラーになれる事を期待しているわよ、元気な相羽さん。」
 遠くから南を呼ぶ声がして、南はそちらへと足を進める。
「は、はい!頑張ります。」

 南利美の引退、相羽の決意。 
リング上では交わる事はなかったが、二つの星は出会うことができた。
 
 南十字星の輝きを受け新たなる星を目指す相羽に、運命の時が迫る。 




 
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2007/01/17 02:45 | Comments(0) | 星明りの少女

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