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2017/09/22 08:07 |
星明りの少女 第6話「新人王へ・・・」
 このお話は、NEW WIND編のサイドストーリーにあたるスターライト相羽が主人公のオリジナルストーリーです。

 このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。

 単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。

 では”星明りの少女 第6話「新人王へ・・・」” 

 お楽しみくださいませ。


 ”スターライト相羽VSジーニアス武藤”
 このカードは前座の名物カードとなりつつあった。

 ”負けたくない”という両者の意地が会場をいい具合に暖めている。

 なお12月までの間に、お互いのフィニッシュホールドは、相羽が強靭な足腰を活かした”スターライトジャーマン”に、ジーニアスは瞬発力を活かした”浴びせ蹴り”へと進化している。

 最近の戦績はほぼ五分で、通算ではジーニアスがわずかにリードしている。
 ”今年の新人王は二人のどちらかで決まり”との評判である。
 
 このことは当然この二人の耳にも入っており・・・

「この私がとるわよ。相羽なんかに取らせてなるものですか。」
「ボクだって負けるわけにはいかない。」
 火花散る二人。
どちらがとったにしてもNEW WINDからは8年連続受賞という快挙になるのだが、この二人には団体の名誉など関係がない様子。
 
 もっとも風間社長に言わせれば「それでいいのさ。」と。
 
 団体のために頑張るのではなく、自分のために頑張ればいい。その結果、団体の為になればOKだと。
 

「強いのに・・・どうしてこれで辞めるんですか?」
 シングルマッチで戦った相羽は氷室の必殺技紫龍にギブアップ負け。
「運命だから。」
「運命って・・・」
「私の運命で決まっていたの。それだけ。」
 氷室の言葉はわかるような、わからないような。
「まだ出来ると思いますけど。」
「無理よ。怪我は“治った”りするけど、衰えは治らないの。」
「は、はあ。」
「それにもう運命は和希達とともにあるもの。」
 氷室はじっと相羽を見る。
「あの、氷室先輩にとってのレスラー生活ってどうでした?」
「そうね。・・・楽しかったかな。」
「そ、そうですか。」
「でも、悔しい思い出も一杯。・・・1期生だけ新人賞を取れなかったり。」
 2年目のカンナ神威以降は毎年NEW WINDの新人が受賞しているが、一年目だけは選ばれていない。
「新人賞のチャンスは一度きりで、和希にはそのチャンスがある。だから、私の事は構わず精進しなさい。」
「は、はいっ!」

 その新人王を狙う相羽とジーニアスは年内最終興行で対戦する事になる。
 
 氷室紫月引退興行、どさんこドーム大会のオープニングマッチ。
 
 ジーニアス武藤 VS スターライト相羽。

「青コーナー 石川県出身 132パウンド スターライトあいば~~!!」
 (またボクが青コーナーか・・・)
「赤コーナー 静岡県出身 141パウンド ジーニアスむと~う!!」
 ジーニアスは余裕たっぷりにスターライトを一瞥する。
(絶対潰してやる!!)

 そして試合開始のゴングが鳴り響いた。

 この試合に勝った方が新人王の可能性が高くなる。
NEW WINDの場合、Jrのベルトは存在しないので判断材料は戦績しかない。
 
 相羽は燃えていた。

「体も心も燃えに燃えているんだ!!」
「恥ずかしいセリフねっ!!」
 突進してくる相羽をひらりとかわし、ジーニアスはジャンピングニーを相羽の後頭部に叩きこむ。
「カバー!」
 カウントは2.5
「この程度でやらせるもんか!」
 相羽の”正面飛び”ドロップキックがジーニアスの顔面にヒット。
相羽は後ろ受身で着地する。
「そんな不細工なドロップキックでっ!!」
 ジーニアスもドロップキックで返す。
こちらは回転しながら放つタイプで、前受身で着地となる。
「カッコばっかつけた、“へなちょこ”ドロップキックなんか効かないさ。」
「あらそう。不細工ドロップはもっと効かないわよっ!」
 ここでジーニアスは必殺の浴びせ蹴りを放つ。
「カバー!」
 (手ごたえアリね。)
相羽を片エビに固めたジーニアスは勝利を確信していた。
(1・・・2・・・・ス・・えっ!)
「だああああああああああああ!!!!」
 ジーニアス必殺の浴びせ蹴りをカウント2.9で相羽はクリア。
しかもブリッジで返して見せた。
「ジーニアスっ!!」
 相羽の“高速”フロントスープレックス。
「えっ!」
 高速で投げ飛ばされたジーニアスは受身をやや失敗。
右肩からマットに突っ込んでしまった。
「この程度で、負けるわけ・・・」
 肩を押さえながら立ち上がったジーニアスの腰に後ろから腕が回される。
「すごいのいきます!」
 相羽必殺のスターライトジャーマン。

 後にブリッジの高さ及び美しさは芸術品といわれるようになる相羽の代名詞的な技で、リング上のライトを浴びるのが“満天の星明り”を浴びているように見えることから名づけられた“スターライトジャーマン”が完璧に決まった。

「14分21秒、スターライトジャーマンスープレックスホールドにより、勝者スターライト相羽!」
 
「やった!勝った!!」
 相羽は両腕を天高く突き上げる。
まだ第一試合だけど、会場はなかなかの盛り上がりである。

 この段階で評価は相羽とジーニアスは同評価。
どちらが受賞するかはまったくわからない状況に。



 そして・・・氷室の引退試合が終わり、引退セレモニーが始まる。
まずジーニアスがクールに花束を贈呈。継いで相羽が大粒の涙を流しながら花束を渡す。
「紫月先輩~~っ。」
「ありがとう和希。泣かないの。」
 氷室はこの一直線な後輩を優しく抱きしめる。
「どんな結果になっても努力するの。」
「は、はひ。・・・ぐすん」
 
 そして相羽の憧れの人である南利美もセレモニーに登場。
南の姿を見るのはあの時以来である。

(南さんだあ・・・綺麗だなあ・・・)
 
 そしてテンカウントゴングが鳴り響き、氷室紫月の運命の歯車がとまった。
「紫月先輩・・・ぐすん。」
 また涙が止らない相羽。
 そして・・・突然バラード調の曲がかかる。
(あれ・・・この曲なんだろう・・・)
 テーマ曲ではない。
「歌えっ!」
 風間社長がリング下からマイクを投げこんだのが相羽には見えた。
(歌?)
 大歓声の中、お嬢様アイドル神楽坂ユイナが登場し、氷室とのデュエットがはじまる。
(紫月先輩・・・歌なんて歌ってたんだ。そういえば映画に出たって聞いた。今度見てみよう。にしても・・・歌かあ・・・カッコいいなあ・・・)



 数日後・・・

 道場に全員が集合している。
「先ほど女子プロレス大賞の受賞者が決定したという連絡があった。」
 と風間社長。
(うわー緊張・・・)
「まず、ベストバウトタッグ部門・・・、ベストバウト部門・・・」
 風間社長の発表に道場がざわめき、拍手が起きたりやっかみが出たり。

「最後は新人王だな。今年は2名の候補者がかなりの僅差だったそうだが、その2名がともに我々NEW WINDだった事はとても嬉しい。さて、発表に移る。」

 ここで道場がシーンとする。

 相羽か、ジーニアスか。

 二人の日頃の関係を知っているだけに先輩達としても結果がきになるようだ。
「今年の女子プロレス大賞、最優秀新人選手は・・・・」
 
 さすがヒール社長風間である。
間の取り方が上手い。当の本人にしてみればこの間は相当長く感じただろう。
   
「ジーニアス武藤!」
 この声を聞きガックリうなだれる相羽。
そしていつもはクールなジーニアスだが、さすがに小さくガッツポーズを見せた。
「わずか1票差だったそうだ。おめでとうジーニアス。」
「ありがとうございます。」

「1票差はこれまでの新人賞の差としてはもっとも少ないそうだ。今はジーニアスの方が上かもしれないけど、相羽も全然差はない。これから先も二人で競いあって上を目指してくれ。NEW WINDの歴史はライバルとの凌ぎあいで作られていく。どっちが先輩から取るか、それともベルトを巻くか・・・競いあって欲しい。そして、先輩たちはこの二人に負けぬよう、修行・精進・努力・練習して欲しい。よりよいNEW WINDの未来のために!!」
 風間熱弁。
明らかにどこかの総帥を意識したしゃべりになっているようだが。

「よっしゃ、負けねえぞ!」
 こういう時はマッキーが口火を切るのがNEW WINDの伝統。
「すでに負けてますけどね。」
 と即座に突っ込むのが武藤(3期のめぐみの方)。

 これはお約束。

「これからも修行を重ねて強くなってくださいね、ケイさん、和希さん。」
「私たちも負けないからな。」
 と、みこととカンナの2期生。

「今日は私のおごりだ!飯行くぞ!」
「おー社長話せるじゃねえか。」
「いいんですか?すっごい食べますよ。」
「ちょうどおなかすいてたんだあ。」
「・・・社長・・・太っ腹。」

 この後NEW WIND一行は食べ放題の店へ殴りこみ。
そして大量に消費し、大勝利を収めたが、レフェリー(店)から反則裁定が下り、入店禁止処分になってしまった。

「相羽、これは私からのご褒美だ。」
 風間が相羽に手渡したのは現金の入った封筒。
「これは?」
「新人賞の賞金。私としてはどっちにもあげたいからね。」
「ありがとうございます。」
 相羽は複雑な表情になる。
「相羽、悔しいか?」
 風間はわかっているのに聴く。
「はい、悔しいです。」
「なら強くなれる。悔しさの分だけ強くなれるんだ。南や伊達だって悔しい思いはたくさんしたし、泣いた。そしてそれをバネに彼女達は強くなったんだ。みことだって負け続けて、たくさん練習して、まあみこと風にいえば修行して強くなった。」
「はい。特訓してください。私はもっと強くなりたいです!」
「・・・なりたいのなら特訓する意味はないぞ、相羽。」
 風間の目が冷たくなる。
「なります。ケイちゃんに勝ちます。」
「それでいい。ダンディさんには言っておく。さらに厳しい特訓になるから覚悟しておけよ。距離3分の1からのノックとかさ。」
 風間はなにかを思い浮かべているようだ。
「ノック?」
「いや一人ごとだ。」

 スターライト相羽新人王ならず。

 現時点ではジーニアス武藤が一歩リードだが、差はわずかだ。

 逆転できるかスターライト相羽。
二人のライバルストーリーは新章を迎える。

        
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2007/01/25 20:25 | Comments(0) | 星明りの少女

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