このお話は、NEW WIND編のサイドストーリーにあたる、スターライト相羽が主人公のオリジナルストーリーです。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第2部スターライト編 最終話「スターライト」(後編)”
お楽しみくださいませ。
このお話に出てくる設定はほぼ公式なものではなくオリジナルの設定であり、本編であるNEW WIND編のストーリーと密接にリンクしています。
単独でも楽しんでいただけるとは思いますが、本編 NEW WIND編の方も読んでいただけると、さらに楽しめると思います。
では”星明りの少女 第2部スターライト編 最終話「スターライト」(後編)”
お楽しみくださいませ。
『最強の龍』から魂を引き継いだ相羽は、女王からの指名を受け、女王の座に挑戦する。
「うおおおおっ!」
『最強の龍』の首を狩った、『ドラゴンキラー・延髄蹴り』が相羽に炸裂し、3カウント。16分ちょっとというタイトル戦にしては短い勝負タイムで終わってしまった。
「つ、強くなっている・・・この前よりもさらに・・・」
相羽は驚きを隠せない。
たった2年でここまでいけるものなのか・・・と。技の重さもそうだし、キレも増している。全てにおいて3月のリーグ戦のときよりもレベルアップしていたのだ。
その後、相羽は挑戦者決定戦を制し、2度目の挑戦。
前回よりも追い込むことは出来たのだが、またも『ドラゴンキラー・延髄蹴り』で撃沈。
「くっそ~っ!」
相羽は両拳でリングを叩きつけるが、結果が覆るわけではない。
『和希、覚えておきなよ。あのベルトには先輩達の思いが込められている。ベルトを守っていた先輩達の思いがね』
という吉田の言葉を思い出す。
「こういうことか。でも、ボクだってこれ以上負けるわけにはいかないんだ!」
さらにマイティは、スイレン・ジーニアスを連破し、4度の防衛に成功。
新ヒロインの勢いは止まらない。
そして時代の流れを象徴するかのように、6期生ハイブリット南が9月シリーズを最後に引退していった。
その翌月、マイティ5度目の防衛戦の相手に指名されたのは相羽だった。
マイティからノンタイトル戦とはいえ、シングル勝ちの実績を評価されての挑戦である。
「王座への夢の架け橋 人間橋。・・・女王よ、覚悟しろ。スターライト相羽入場!」
(今日こそは、勝つ!) 相羽は燃えに燃えていた。
相羽は序盤から投げっぱなしスターライトジャーマンを繰り出し、マイティにペースを譲らない。
(あれこれ考えるな。持ち味を生かすんだぞ!)
マッキー上戸のアドバイスが思い浮かぶ。
相羽はマッキーから教わった『スターライトボム』を繰り出す。
(いいぞ、和希。その調子だぜ!)
(冷静になって、上手く間合いを外すのです。)
草薙みことの声が聞こえる。
相羽はマイティのローリングソバットを察知し、スウェーバックで交わす。
(・・・そう。そこで鋭く蹴りを出す。)
「たああっつ!!」
伊達遙か直伝のハイキックがマイティの側頭部を捉える。
(追い討ちをかけなさい。一気呵成に完璧に攻め込むの。)
そしてダウンしたところに、南から免許皆伝を受けた『スタークロスロック』がガッチリと決まる。
だがマイティは身体能力の高さを発揮、凄いスピードでロープへとにじり寄る。
(時にはあくどいことも必要だ。反則は4カウントまではOKさ。)
「カンナさんのいうとおり、まっすぐ行くことだけがプロレスじゃない!」
相羽はフェイスロックを外すと、マイティのわき腹にパンチと掌底を交互に叩きこむ。
「こらー、グー止めろ!」
トニー館が止めようとするが、連続してグーを放つわけではないのでとめられない。
「このおっ!」
マイティはひじを下から叩き込み脱出。
「あいば~~!!」
ローリングソバットが相羽のアゴを打ち抜き、動きがとまったところで、『ドラゴンキラー・延髄蹴り』が襲う。この一撃に沸く場内。
この技で吉田を倒したことで説得力が大幅にUPしている。
「ぐっ・・・」
マイティはうつ伏せにダウンした相羽を引っ繰り返すと、さっとコーナーを駆け上がり、月面水爆!
「させるかっ!」
相羽は両足を突き立て迎撃する。
「あううう。」
剣山にまともに突き刺さってしまったマイティの動きが止まる。
「ここだああっつ!」
相羽は引き起こして、ロー・ロー・ミドル・ボディソバット・ハイと連続して叩きこむ、スターライトコンビネーションキック
そしてぐらつくマイティのバックに回ると、必殺のスターライトジャーマン!
華麗なる人間橋が、女王の座への夢の架け橋を架ける。
バン! 「1!」
バンッ!!「2!」
「ス・・・うおおおお!」
ドドドドドドと足を踏み鳴らす観客。
「やっぱり・・・これじゃ足らないか。すっごいのいきます!!」
右腕を突き上げアピールする相羽。
マイティをバックから引き起こすと、両腕を前でクロスさせて担ぎ上げ、相羽は高さのあるブリッジでフォールする。
バン! 「ワン!」
バンッ! 「ツー!」
観客が同時にカウントをとる。
トニー館はゆっくりと右腕を上げ、かすかにだが首を左右に振った。
バンッツ! 「スリー!!!」
カンカンカン・・相羽の女王戴冠を告げるゴングが鳴った。
「24分17秒、24分17秒。『ハイパースターライト』により、勝者、スターライト相羽! スターライト相羽選手が第5代女王となります!」
「や、やった・・・やっと・・・」
膝をついたまま両腕を突き上げる相羽。
歓声が、拍手が相羽の頭上に降り注ぐ。
(歓声が、拍手がこんなにありがたいなんて・・・)
相羽はしばらくその感覚に浸っていたが、やがてコーナーへと駆け上がると右腕を天に突き上げた。
「あ・い・ば!あ・い・ば!」
鳴り響く相羽コール。
最後はジャーマンではなかったが、ブリッジの高さに相羽のこだわりがでていたと思う。
まさに女王の座への夢の架け橋であった。
「おめでとう。相羽。」
風間社長にベルトを巻かれた相羽は思わず涙を流していた。
「グジュ・・・ありがとうございます。」
「泣くな。これからはお前がうちの女王なのだから。」
「はい。先輩達が築いてきた女王のイメージ、守り、そしてその上を行きます。」
風間は「頼むぞ。」といってリングを降りた。
「こっち向いてください。」
カメラマンのリクエストに答え、ポーズをとる相羽。
その腰に輝いている『MAX WIND』のベルトは今まで以上に輝いて見えた。
「やっと、このベルトに届きました。ライバルは多いですけど、このベルト簡単には渡しませんよ。」
「このベルト、輝いていると思いませんか?でも、ベルトが輝いているわけじゃありませんよ。自分が輝いているから、ベルトが輝くんです。」
南十字星に憧れを抱き、導かれるようにプロレス入りを決意した少女、相羽和希。
相手の光に照らされて弱い輝きを放っていた星明りの少女はもういない。
だって、今の彼女は、自らの輝きで周囲を女子プロレス界を明るく照らす、スター選手スターライト相羽なのだから。
彼女がベルトを手にいれたことで、その輝きはさらに増すことだろう。
「やっと南さんの影が見えてきました。ボク、もっともっと頑張りますね!」
「まだまだ完璧じゃないけど、悪くないわ。頑張りなさい、和希。」
「はい!頑張ります!」
と頼もしく答える。その表情は自信に満ち溢れている。
「もう私などとっくに超えているわ。ふふ、あの子がこんな風になるなんて思わなかったな。」
と南は笑いながら、例の相羽お手製の南利美人形をチョンと突いた。
「栄光のスターロード、歩んでいきなさい和希。あなたにはその資格があるのだから。」
星明りの少女 第2部 スターライト編 (完)
挿絵はseizannさん作です。
「うおおおおっ!」
『最強の龍』の首を狩った、『ドラゴンキラー・延髄蹴り』が相羽に炸裂し、3カウント。16分ちょっとというタイトル戦にしては短い勝負タイムで終わってしまった。
「つ、強くなっている・・・この前よりもさらに・・・」
相羽は驚きを隠せない。
たった2年でここまでいけるものなのか・・・と。技の重さもそうだし、キレも増している。全てにおいて3月のリーグ戦のときよりもレベルアップしていたのだ。
その後、相羽は挑戦者決定戦を制し、2度目の挑戦。
前回よりも追い込むことは出来たのだが、またも『ドラゴンキラー・延髄蹴り』で撃沈。
「くっそ~っ!」
相羽は両拳でリングを叩きつけるが、結果が覆るわけではない。
『和希、覚えておきなよ。あのベルトには先輩達の思いが込められている。ベルトを守っていた先輩達の思いがね』
という吉田の言葉を思い出す。
「こういうことか。でも、ボクだってこれ以上負けるわけにはいかないんだ!」
さらにマイティは、スイレン・ジーニアスを連破し、4度の防衛に成功。
新ヒロインの勢いは止まらない。
そして時代の流れを象徴するかのように、6期生ハイブリット南が9月シリーズを最後に引退していった。
その翌月、マイティ5度目の防衛戦の相手に指名されたのは相羽だった。
マイティからノンタイトル戦とはいえ、シングル勝ちの実績を評価されての挑戦である。
「王座への夢の架け橋 人間橋。・・・女王よ、覚悟しろ。スターライト相羽入場!」
(今日こそは、勝つ!) 相羽は燃えに燃えていた。
相羽は序盤から投げっぱなしスターライトジャーマンを繰り出し、マイティにペースを譲らない。
(あれこれ考えるな。持ち味を生かすんだぞ!)
マッキー上戸のアドバイスが思い浮かぶ。
相羽はマッキーから教わった『スターライトボム』を繰り出す。
(いいぞ、和希。その調子だぜ!)
(冷静になって、上手く間合いを外すのです。)
草薙みことの声が聞こえる。
相羽はマイティのローリングソバットを察知し、スウェーバックで交わす。
(・・・そう。そこで鋭く蹴りを出す。)
「たああっつ!!」
伊達遙か直伝のハイキックがマイティの側頭部を捉える。
(追い討ちをかけなさい。一気呵成に完璧に攻め込むの。)
そしてダウンしたところに、南から免許皆伝を受けた『スタークロスロック』がガッチリと決まる。
だがマイティは身体能力の高さを発揮、凄いスピードでロープへとにじり寄る。
(時にはあくどいことも必要だ。反則は4カウントまではOKさ。)
「カンナさんのいうとおり、まっすぐ行くことだけがプロレスじゃない!」
相羽はフェイスロックを外すと、マイティのわき腹にパンチと掌底を交互に叩きこむ。
「こらー、グー止めろ!」
トニー館が止めようとするが、連続してグーを放つわけではないのでとめられない。
「このおっ!」
マイティはひじを下から叩き込み脱出。
「あいば~~!!」
ローリングソバットが相羽のアゴを打ち抜き、動きがとまったところで、『ドラゴンキラー・延髄蹴り』が襲う。この一撃に沸く場内。
この技で吉田を倒したことで説得力が大幅にUPしている。
「ぐっ・・・」
マイティはうつ伏せにダウンした相羽を引っ繰り返すと、さっとコーナーを駆け上がり、月面水爆!
「させるかっ!」
相羽は両足を突き立て迎撃する。
「あううう。」
剣山にまともに突き刺さってしまったマイティの動きが止まる。
「ここだああっつ!」
相羽は引き起こして、ロー・ロー・ミドル・ボディソバット・ハイと連続して叩きこむ、スターライトコンビネーションキック
そしてぐらつくマイティのバックに回ると、必殺のスターライトジャーマン!
華麗なる人間橋が、女王の座への夢の架け橋を架ける。
バン! 「1!」
バンッ!!「2!」
「ス・・・うおおおお!」
ドドドドドドと足を踏み鳴らす観客。
「やっぱり・・・これじゃ足らないか。すっごいのいきます!!」
右腕を突き上げアピールする相羽。
マイティをバックから引き起こすと、両腕を前でクロスさせて担ぎ上げ、相羽は高さのあるブリッジでフォールする。
バン! 「ワン!」
バンッ! 「ツー!」
観客が同時にカウントをとる。
トニー館はゆっくりと右腕を上げ、かすかにだが首を左右に振った。
バンッツ! 「スリー!!!」
カンカンカン・・相羽の女王戴冠を告げるゴングが鳴った。
「24分17秒、24分17秒。『ハイパースターライト』により、勝者、スターライト相羽! スターライト相羽選手が第5代女王となります!」
「や、やった・・・やっと・・・」
膝をついたまま両腕を突き上げる相羽。
歓声が、拍手が相羽の頭上に降り注ぐ。
(歓声が、拍手がこんなにありがたいなんて・・・)
相羽はしばらくその感覚に浸っていたが、やがてコーナーへと駆け上がると右腕を天に突き上げた。
「あ・い・ば!あ・い・ば!」
鳴り響く相羽コール。
最後はジャーマンではなかったが、ブリッジの高さに相羽のこだわりがでていたと思う。
まさに女王の座への夢の架け橋であった。
「おめでとう。相羽。」
風間社長にベルトを巻かれた相羽は思わず涙を流していた。
「グジュ・・・ありがとうございます。」
「泣くな。これからはお前がうちの女王なのだから。」
「はい。先輩達が築いてきた女王のイメージ、守り、そしてその上を行きます。」
風間は「頼むぞ。」といってリングを降りた。
「こっち向いてください。」
カメラマンのリクエストに答え、ポーズをとる相羽。
その腰に輝いている『MAX WIND』のベルトは今まで以上に輝いて見えた。
「やっと、このベルトに届きました。ライバルは多いですけど、このベルト簡単には渡しませんよ。」
「このベルト、輝いていると思いませんか?でも、ベルトが輝いているわけじゃありませんよ。自分が輝いているから、ベルトが輝くんです。」
南十字星に憧れを抱き、導かれるようにプロレス入りを決意した少女、相羽和希。
相手の光に照らされて弱い輝きを放っていた星明りの少女はもういない。
だって、今の彼女は、自らの輝きで周囲を女子プロレス界を明るく照らす、スター選手スターライト相羽なのだから。
彼女がベルトを手にいれたことで、その輝きはさらに増すことだろう。
「やっと南さんの影が見えてきました。ボク、もっともっと頑張りますね!」
「まだまだ完璧じゃないけど、悪くないわ。頑張りなさい、和希。」
「はい!頑張ります!」
と頼もしく答える。その表情は自信に満ち溢れている。
「もう私などとっくに超えているわ。ふふ、あの子がこんな風になるなんて思わなかったな。」
と南は笑いながら、例の相羽お手製の南利美人形をチョンと突いた。
「栄光のスターロード、歩んでいきなさい和希。あなたにはその資格があるのだから。」
星明りの少女 第2部 スターライト編 (完)
挿絵はseizannさん作です。
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コメント
憧れ続け、追いかけ続けた末に手にした女王の称号。
相羽ちゃんおめでとう!!
もう根性無しとは言わせない!!(笑)
New Windも終わりが見えてきましたね。
どういった終末をみせるか楽しみです。
相羽ちゃんおめでとう!!
もう根性無しとは言わせない!!(笑)
New Windも終わりが見えてきましたね。
どういった終末をみせるか楽しみです。
来ると思ったんですよね。
星明かりの戴冠。
絶対に。
だから、すいません。
描いてしまいました……。
だってNさんのSS、魂籠もっているんだもん……感化するんだもん……。
ゴメンナサイです……。
星明かりの戴冠。
絶対に。
だから、すいません。
描いてしまいました……。
だってNさんのSS、魂籠もっているんだもん……感化するんだもん……。
ゴメンナサイです……。
>オーサカさん
ようやく獲れました。
予定では半年以上前に、吉田から獲っているはずだったのですけどね。
>アワモさん
うちで一番根性ありますよ、才能差を努力と根性で跳ね返しましたから。
>seizannさん
わかりやすい展開でしょ?(笑)
プレイヤーが相羽に獲らせたいのはみえみえでしたから。
相羽の戴冠=星明りのエンディングというのは決まっていたので、獲った段階でサイドストーリーの幕を閉じる予定でした。
魂は込めてますよ(笑)イラストありがとうございます。
ようやく獲れました。
予定では半年以上前に、吉田から獲っているはずだったのですけどね。
>アワモさん
うちで一番根性ありますよ、才能差を努力と根性で跳ね返しましたから。
>seizannさん
わかりやすい展開でしょ?(笑)
プレイヤーが相羽に獲らせたいのはみえみえでしたから。
相羽の戴冠=星明りのエンディングというのは決まっていたので、獲った段階でサイドストーリーの幕を閉じる予定でした。
魂は込めてますよ(笑)イラストありがとうございます。
posted by Nat 2007/06/15 01:54 [ コメントを修正する ]
龍を殺した英雄を、誰も及ばぬ天才を、退けたのは努力と根性。
先輩達から受け継いだのは技だけじゃない。何度だって立ち上がる力。どんな苦境に陥ろうとも、決して挫けないプロレスラーの魂。
新女王誕生。新たな風の物語に相応しいクライマックスを堪能させて頂きました!
先輩達から受け継いだのは技だけじゃない。何度だって立ち上がる力。どんな苦境に陥ろうとも、決して挫けないプロレスラーの魂。
新女王誕生。新たな風の物語に相応しいクライマックスを堪能させて頂きました!
もはや長期政権は誕生しないのかな?w
もっとも、次にマイティが取った時がそうなるのかもしれませんが~
「空に星が輝くのなら、人の命は地上の星」
相羽もまた受け継いだものを、次の世代に伝えていく事でしょうねw
終章かな~