ＮＥＷ　ＷＩＮＤ

　ＮＥＷ　ＷＩＮＤ特別興行　セミファイナル”ＧＧＪ対決・決め技限定マッチ　時間無制限一本勝負”
　オーガ朝比奈　ＶＳ　レインボー岩城（フリー）

この試合は、決め技限定ルールで行われ、決められた技以外でのフィニッシュは認められません。
オーガ朝比奈選手は”フィニッシュバスター（旋回式スクラップバスター）”、レインボー岩城選手は”プリズムフォール（岩城式ノーザンライトＳＨ）”が決め技となります。
　なお、朝比奈選手フィニッシュバスターにはフィニッシュバスター・バーニングエンド（逆旋回式スクラップバスター）も含みます。

「ただいまより、本日のセミファイナル……ＧＧＪ先輩後輩対決、決め技限定マッチ　時間無制限一本勝負を行います！」
　大きな拍手が巻き起こった。なおこの試合本部席には試合を終えた小鳥遊が陣取っている。
「青コーナー、埼玉県出身……」
　ここでいきなり朝比奈がオーガラリアットを仕掛け、岩城の体が宙に舞った。
「Ｂooooooo！」
　ブーイングが巻き起こるが朝比奈は意に介さず、強烈なストンピングを岩城の腰に集中させる。
「オラッ、オラッ！」
「グッ、ガハッ！」
　カアン！　とここで試合開始のゴングが鳴らされる。
「オラ、オラ、オラアアアッ！」
　気合とともに高々と振り上げた右足がダアアンとマットをけり飛ばす。
「どこけっているのさ！」
　すかさず水面蹴りを打ち込み朝比奈の足を狩る。
「ぐあっ……」
「それっ！」
　岩城はダウンした朝比奈に素早く近寄ると、回転揺り椅子固め…ローリングクレイドル！
「うあっ！」
「まだまだあ！」
　体格の大きな朝比奈は丸めこみ技は苦手としている。いいようにぐるぐると回されてしまう。
「おあっ！」
　ぐるぐると１分近く回された朝比奈。目が回った状態のまま、短い髪を掴まれて引きずり起こされてしまう。
「よっしゃ、いきますかっ！！」
　いきなりプリズムフォールを決まり、場内から歓声が上がる。
「ワ～ンッ……ト～ゥー……スリ」
　カウント2.99ぎりぎりで朝比奈の肩があがり、謎の覆面レフェリーミスターＤＥＮＳＯＵの黄金の右手がマットぎりぎりでピタッととまる。
「ちえっ、決まらなかったか。残念っ！」
　岩城はさらに追いうちを狙うが、朝比奈は腹部へ肩を打ちこみ難を逃れた。