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2017/08/18 00:35 |
”ありがとう” その108
 NEW WIND社長 風間 新 手記より。


※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
 ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
 それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。


 ◇11年目3月◇

 今月の興行は月の前半にまとめて開催し、特に何事もなく早々に終了した。
 
 なぜならどんな話題を振りまこうが、私が策を巡らそうが今月ばかりは話題を他にもっていかれてしまうのだか。

 そう、今月中旬からはついに“アレ”が開幕するのだ。

 アレとは何かといえば“ファイナルシリーズ”

 全団体の威信をかけて、ジュニア1DAYシングルトーナメント、ヘビータッグリーグ、ヘビーシングルリーグで構成される3月中旬から4月上旬にかけて行われる女子プロレス最強最大のイベント。
 これが最初で最後・・・正真正銘の夢のビッグイベントだ。

 なおこの収益金は各団体に分配されることになっている。

 NEW WINDの代表選手は以下の通り。
☆ジュニア=ウインド・ドラゴン
☆タッグ =ハイブリット南&スイレン草薙
☆シングル=吉田龍子

 現状考えられる最高のメンバーだ。
 ハイブリットがケガを押しての出場というのがやや気になるが、さすがにシャイニングでは不安があるのでハイブリットに出場してもらうことになった。

☆ジュニア1DAYトーナメント☆
 
 ジュニア1DAYトーナメントは大会最終日に組み込まれた。
(単独では収益に不安があったため。)
 最終戦は東京・代々木にある国立の競技場で行われることになっている。
(収容10万人)
 
 NEW WIND代表であるウインド・ドラゴンは不戦勝で準決勝まで勝ちあがる。
 この段階でもうウインド・ドラゴンの優勝は決まったようなもの。
何しろ昨年の新人賞受賞者だ。次点がうちの藤島だったことを考えても、他のジュニア選手とはレベルが違う。

準決勝 8分弱“脇固め”で勝利。

「これくらい勝って当然・・・よ。」
 と平然とした顔。
もっともマスク着用だから表情はわからないのだけどね。

 続く決勝戦

 相手は3戦、こっちは1戦のみ。
地力で完全に圧倒している上に、相手にハンデがあれば試合にならない。
 
4分程度で“マッキータイガー(変形ダブルアーム・パイル)”からの体固めで勝利。

「物足りない。」
 ほとんど汗もかかずに楽勝したウインドは「4月からはヘビーに入れてもらえるかしら?」と。
「わかった。考えておくよ。」
「ありがとうございます。」

 NEW WIND代表 ウインド・ドラゴン Jrトーナメント優勝。

 ☆タッグリーグ☆

「修行の成果お見せします。」
「完璧な優勝を目指すわ。」

 参戦チームを見た限り、ハッキリいってうちが負ける可能性は0に近い。

「くだらないわ。もっと強い相手がいるのかと思ったけれど。」
「ひたすら長いだけでしたね。ある意味“苦行”ではありましたが。」
「まったくね。“インディは除外”すべきだわ。時間の無駄でしかなかったわね。」
 確かに。うちでいえば藤島・神田レベル(簡単に言えばジュニアレベル)の選手が多数混じるのは問題だろうな。
(というかむしろそのレベルの選手の方が多かったりする。) 
1日1試合だから日数ばかりかかって、面白みのない試合ばかりだった。

「まともだったのは1チームだけね。」
「そうですね。」
 だろうな。出場チームを確認した段階で、うちとそこは全勝対決になると思ったのだから。
 極端な話 最初からこの2チームでよいレベルだったな。

「相羽とジーニアスでも勝てたな。」
「そう思います。寿美さんにケガを押して出てもらう必要なんてなかったと。もっともあの二人がちゃんとチームになればですけど。」
 
 まったくだ。
 うーん、あの二人がタッグとして成り立つとは思えないのでこれでよかったのだと思う。

 NEW WIND代表 ハイブリット南&スイレン草薙組 タッグリーグ優勝! 

☆シングルリーグ☆

 タッグとはガラリと変わって、こちらは大混戦。
レベルも段違いに高い。

 吉田、カオス、モーガン、メガライト、ヒューイット・・・このあたりが優勝候補といったところか。
 
「NEW WINDの代表として必ず優勝してみせます。」
 吉田は力強く言い、決戦のリングへと向かった。

 優勝候補の選手たちは順調に勝ち星を伸ばしていく。
1つ・・・2つ・・・3つ・・・4つ・・・5つ・・・6つ・・・7つ・・・8つ・・・9つ・・・

 あっという間に12個の白星を重ねていく上位陣。
誰も取りこぼしはしない。

「やはり手強いな。だがこれから先は潰し合いだぞ。」
「わかっています。全員2度とリングに上がれないように潰してきます!」
 殺気立つ吉田。
「おいおい何もそこまで・・・」
「それくらいの覚悟を持って挑むということですよ、社長。MAX WIND女王として負けるわけにはいかない。先輩たちの顔に泥を塗るようなことだけは許されませんから。」

 吉田はさらに勝ち星を積み重ねていく。

 強豪ヒューイットをプラズマサンダーボムで沈め、難敵モーガンもプラズマサンダーボム葬。
 さらにハン、カラスといった世界王者クラスの選手を難なく撃沈。


「メガライト!覚悟っ!」
 白熱の一戦となったVSメガライト戦。
吉田渾身のプラズマサンダーボムが炸裂。

 ワン・・・トゥ・・・スリー!

 レフェリーが違うからリズムも違うが、メガライトを撃破し、無敗で残り1試合となる。

「あとはカオスだな。」
「はい。一番の難敵だと思っています。」
 吉田の瞳はキラキラと輝いていた。
「難敵だといいながら、負けるとは思ってないようだね。」
「はい。勝ちます。カオスはきっとモーガンに勝って全勝で来るでしょう。でも私はレベルの高いスカイブルーのマットで育ったNEW WINDのエースです。負けません。」
 吉田の口からエースという言葉がでたか。
ベルトを持つこと、そして自覚を持つこと。エースへの条件の二つは手に入れたか。

あとは・・・お客さんの支持だ。

「勝てよ、吉田。」
「はい。」

 だが気合の入る吉田を驚かせる出来事が起きる。
 モーガンが勝利し、カオスが一敗に。
これで吉田が勝てば優勝、負ければ再試合となる。

「どちらにしても同じことです。私は勝つ!」


☆最終戦・代々木☆

 吉田とカオス。
日米の誇るパワーレスラー対決。
 体格の勝るカオスのほうがやはりパワーでは上。
 吉田はパワーだけでなくテクニック込みで対抗するが、徐々に押し負けてしまう。

「吉田ぁ!手数だして手数!!」
 セコンドが声を飛ばす。

「このっ!」
 吉田の右腕がうなる。
相羽クラスなら持ち上げて吹き飛ばせる吉田の豪腕だが、カオスは重い。
「ヨシダッ!!」
 数歩下がったものの、カオスはショートレンジから豪腕を繰り出してきた。
「ガハッ!」
 油断していたわけではないが、吉田はモロにもらってしまう。
衝撃でふらつく吉田に、カオスは助走をつけての必殺の豪腕を叩きこんだ。

 すごい勢いでリングに叩きつけられた吉田。
 頭を打ったようにも見えたが・・・
カオスはドカッと吉田にのしかかる。

 ワン・・・トゥ・・・・・・スリー!

 吉田、敗れる。

「なんてこった・・・」


「この試合の結果吉田龍子選手(NEW WIND)とスーパースターカオス選手(WWCA)が同点となりました。15分の休憩を挟み、リーグ戦参加選手によるバトルロイヤルを行います。バトルロイヤル終了後、優勝決定戦を開催いたします。」


「吉田は大丈夫か?」
「大丈夫です。社長。すいません油断しました。」
 吉田は長いすに横たわりながら頭を冷やしている。
「そんなことよりダメージは大丈夫か?」
「この状況で”ダメです”なんて応えるレスラーはいません。もちろん大丈夫です。一日に同じ相手に連敗は許されませんし、今度こそ勝ちます。今回は受けすぎました。早め早めのラッシュで潰してみせます。」
 
 本当なら止めるべきかもしれない。
でも吉田は止めて聞くような奴じゃない。

「わかった。優勝カップを持って待っているよ。」
 授与は私の役目だ。
「任せてください。懸賞だってかかっているんだ。負けませんよ。」



 そして・・・


「でたあああっつ!吉田得意のコンビネーション!プラズマサンダーボムで叩き付けた相手にコーナーからダイブ! 決まったあ!プラズマサンダーエクスプレスだあ!」

 吉田が渾身の片エビ固めで押さえ込む。
その表情は勝利を確信してはいた。


 3!!


「勝者!吉田龍子!!シングルリーグはNEW WIND吉田龍子選手の優勝です!!」

 国立を埋めた10万の観衆の地鳴りのような叫びが聞こえる。

 よ・し・だ! 
 よ・し・だ!!
 
 10万観衆の吉田コール。
NEW WINDに新たなるエースが誕生した瞬間だった。

 リング上で吉田の勝利者インタビューが始まる。
「吉田選手、優勝おめでとうございます。」
 大日本TVの男性アナウンサーがインタビュアーだ。
「ありがとうございます。」
「最強の座を手に入れたわけですが、今のお気持ちは?」
 
「ほっとしています。」
 吉田はボソリと意外な事をいった。
「“ほっと”ですか?」
「はい。私はNEW WINDの代表としてこのリングに上がりました。NEW WINDの代表ということは、現役の選手だけではなく、今は引退されてしまった先輩たちの歴史の代表でもあります。先輩たちが築き上げた団体の価値を落とすことがなくて、本当にほっとしていますよ。」
 この吉田の言葉で彼女がどれくらいのプレッシャーを背負ってリングにあがっていたのかが分かる。
「NEW WINDがNo1団体ということになりましたが?」
「当然です。スカイブルーのリングのレベルの高さは日本一、いえ世界一ですから。」
 言い切ったね、吉田。


 そして 総合ポイントも発表された。
我々NEW WINDは2位・新女にダブルスコアをつけての圧勝。
 そして全国での人気度でもついに老舗である新女を上回ることができた。

“NEW WINDが一番です!”

 こう胸を張っていえる日がついに来た。

 南、伊達、マッキー、ラッキー、氷室、カンナ、みこと・・・武藤。
みんなが現役の間に一緒にこの日を迎えたかったよ。

「おめでとう社長。ついに完璧なトップ団体になったわね。」
「・・・おめでとう・・・」
「やったじゃんかよ、社長。」
「おめでとうございます。社長」
「これもまた運命。」
「・・・おめでとうございます。」
「これも修行の成果ですね。」
「・・・やったじゃない。」

 忙しい合間を縫って会場にはかけつけてくれていたけどね。
(カンナだけは手紙での祝福だったけど)
 みんながいてくれたから今のNEW WINDがあるのだから。

「吉田先輩さすが!カッコイイです。」
「・・・なんばーわん?」
「私がいるのだから当然ね。」
「ケイ先輩は出場してませんよ。」

 引退した選手たちだけじゃない。
現役の選手たちにも感謝だね。
 何しろ今のNEW WINDを支え、これからのNEW WINDを創っていくのは彼女たちなのだから。


 そしてスカイブルーのリングにもお礼を言わなくちゃ。
11年もの間、激闘を支えてくれたのだから。

 スカイブルーのリングよ、ありがとう。
 ずっと我々を見守ってくれて。

 スタッフにも感謝しなくちゃね。
ずっと未熟な私をサポートしてくれた井上さん、選手たちにプロレスのイロハを教えてくれたダンディ須永さん、リングアナの仲間君、レフェリーのトニ-さん。
 名前は出てないけど営業スタッフに運営・物販の人たち。 

 そして応援してくださったファンの方に感謝します。

 関わってくれたすべての人に、語りきれない感謝をこめて、この一言を贈ります。


 『ありがとう』






 編集部よりお知らせ

 ご愛読いただいておりましたNEW WIND社長 風間 新 手記
”我愛するNEW WIND”は今回の連載が"区切り"となります。

 長い間のご愛読ありがとうございました。






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2007/04/07 21:00 | Comments(10) | NEW WIND編

コメント

読んでいて、こういう展開がよぎりましたが(苦笑)

まずはお疲れ様。
そして、面白い読み物を長い間ありがとうございました!
次も楽しみにしております~w
posted by オーサカURLat 2007/04/07 23:42 [ コメントを修正する ]
人気度トップ、おめでとうございます。
リプレイたいへんお疲れ様でした。
SPZは全国制覇は諦めました。ファイナルシリーズは10年目の終わりにやって自社ビル1個建てました(笑)
posted by konnoURLat 2007/04/08 01:39 [ コメントを修正する ]
 念願のファイナルシリーズ優勝おめでとうございます!龍子サン輝いていたゼ!!
 108回…煩悩の数まで続いたNEW WIND編も気持ちよく区切れましたね。ただ、「とりっく」の拍手レス部分に出てきた風間氏の語る「名探偵」という単語・・・なんらかの新SSの伏線でしょうか?
 ともあれこれからも楽しみにしています(^^)
posted by 赤猫at 2007/04/08 12:39 [ コメントを修正する ]
『NEW WIND編』楽しませてもらいました。
完結はさびしいですが次の作品を楽しみにしています。
posted by こげぱんだat 2007/04/08 18:11 [ コメントを修正する ]
いつも楽しく読ませていただいていたリプレイが終わって!?しまったのは残念ですが、長い間お疲れ様でした。
次回作をお楽しみにお待ちしています。
posted by カスミノURLat 2007/04/08 23:17 [ コメントを修正する ]
 コメントありがとうございます。

 お返事はまた改めて。
posted by Nat 2007/04/09 01:04 [ コメントを修正する ]
お疲れさまでした。
108話も……私には無理だ(苦笑

それにしても、サバイバーの中でわき起こるストーリーがここまで魅力的に引き出せるとは……。

脱帽するばかりです。
posted by seizannURLat 2007/04/09 23:34 [ コメントを修正する ]
>seizannさん
 
108話・・・いや自分でも驚きますよ(笑)
 9月からスタートして半年たっています。
posted by Nat 2007/04/10 12:21 [ コメントを修正する ]
リプレイとありましたけどそのへんの小説より全然こっちのおもしろかったです(・∀・)
キャラクター達に命を吹き込む表現はお見事(。・_-)感情移入して感動の涙がでまくりです( ノД`)シクシク…素晴らしい作品をありがとう~
改訂版のほうの続きも楽しみにしております(≧∀≦)ノ
posted by レッスル愛おやぢat 2008/07/04 03:36 [ コメントを修正する ]
 ありがとうございます。
NEW WIND編は108で終わりますが、まだ栄光のスターロード編がありますので読んでみてくださいね。
 星明りの少女や外伝「伝説のダンディドラゴン」もエネルギー入れてます。

 もとのレッスルのキャラがいいだけです。
私はそのキャラに新たな魅力を加える手伝いをしているだけなので。

 改訂版はボチボチと更新していきますね。
 
posted by Nat 2008/07/05 01:21 [ コメントを修正する ]

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